【グレーテルのかまど】“赤毛のアン”のチェリーパイ｜作者モンゴメリの手作りモックチェリーパイに込めた想いとは？（2025年4月5日放送）

“赤毛のアン”のチェリーパイ｜2025年4月5日放送

2025年4月から始まる新作アニメ「アン・シャーリー」の放送を記念して、『グレーテルのかまど』では「“赤毛のアン”のチェリーパイ」が放送されます。『赤毛のアン』は世界中で愛されているカナダの作家・ルーシー・モード・モンゴメリの代表作で、物語の中にはさまざまな手作り料理やお菓子が登場します。中でもチェリーパイは、アンの夫・ギルバートの大好物として物語に深く関わっており、その背景には作者モンゴメリ自身の思いが重なります。今回は、放送前の情報をもとに、チェリーパイとモックチェリーパイに込められたモンゴメリの想いを読み解きます。

作品に登場する「チェリーパイ」の意味

『赤毛のアン』シリーズには多くの家庭料理が登場しますが、その中でもチェリーパイは物語を彩る特別なお菓子として何度も登場します。アンの夫となるギルバート・ブライスの大好物でもあり、『アンの夢の家』第22章では、アンとお手伝いがギルバートの帰りを待ちながらチェリーパイを焼く場面が描かれています。さらに、アンが出産したその日には、家族みんなでチェリーパイを食べるという場面もあり、家族の団らんや祝福の象徴として描かれています。

このように、チェリーパイは物語の中で単なるデザートではなく、人と人の絆や家庭の温かさを表す存在として、読者の心に深く残ります。

・ギルバートの好物として特別な位置づけ
・出産の場面など家族の節目に登場
・物語の中で幸せの象徴として描かれる

チェリーパイが特別な理由とは？

チェリーパイがこれほどまでに大切に描かれている背景には、カナダの気候や生活事情があります。プリンスエドワード島のような寒冷地では、チェリーの収穫時期はごく短く、夏の限られた時期にしか手に入りません。そのため、チェリーパイは季節の恵みとして、家庭で特別なときにだけ作られるごちそうでした。

物語の中でも、アンの庭にあったチェリーが近所の子どもたちに食べられてしまい、チェリーパイを作れなくなってしまうという描写がありました。その場面では、アンが本当に残念がる様子が伝わり、チェリーパイがどれだけ貴重で心を込めて作られていたかがよくわかります。

・短い収穫時期のため、特別感がある
・季節の訪れを知らせるごちそう
・材料が手に入らない年には深いため息

モックチェリーパイのレシピ（8インチパイ型1台分）

このパイは、ルーシー・モード・モンゴメリが本物のチェリーの代わりにクランベリーやレーズンを使って作った、心のこもったお菓子です。季節や材料の制限の中でも、家族のために工夫を凝らした優しい味わいが楽しめます。

材料

• クランベリー（半分に切る）：1と1/2カップ

• レーズン：3/4カップ

• 水：1と1/2カップ

• グラニュー糖：1カップ＋大さじ2

• 小麦粉：大さじ6

• 無塩バター：大さじ3

• バニラエッセンス：小さじ1と1/2

• パイ生地（8インチのダブルクラスト用）：上下2枚分

• 溶き卵（表面のつや出し用）：1個分

作り方

1. オーブンを190度（375°F）に予熱します。

2. ボウルにグラニュー糖と小麦粉を入れて、よく混ぜておきます。

3. 小鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら砂糖と小麦粉の混合物を加えます。焦げつかないようにかき混ぜながら、もう一度沸騰させて、約1分間煮ます。

4. 火を止め、クランベリー・レーズン・無塩バター・バニラエッセンスを加えて全体をよく混ぜます。これがフィリングになります。

5. パイ型に1枚目のパイ生地を敷き、そこへフィリングを流し込みます。

6. もう1枚のパイ生地をかぶせて、ふちをしっかり閉じます。表面に溶き卵を塗り、ナイフで数か所に切れ目を入れて蒸気が抜けるようにします。

7. 190度のオーブンで35〜40分焼きます。表面がこんがりときつね色になれば焼き上がりです。

8. オーブンから出したら、完全に冷ましてから切り分けてください。

このレシピは、モンゴメリが家族のために工夫して作っていたものをもとにしています。限られた材料でも、心を込めて作れば喜ばれる一品になるということを教えてくれるお菓子です。甘さと酸味のバランスが絶妙で、紅茶やミルクともよく合います。ぜひご家庭で試してみてください。

モックチェリーパイに込められたモンゴメリの思い

このモックチェリーパイには、モンゴメリの多忙な日々と家族への深い愛情が詰まっていると言えるでしょう。作家としての仕事に追われながらも、妻として、母として家族の健康や喜びを大切にする姿勢が、このお菓子作りに現れています。

特にチェリーパイのような“思い出の味”を、身近な材料で再現しようとする工夫には、理想の家庭を築きたいという願いや、限られた条件の中でも心豊かな暮らしを送りたいという意志が感じられます。

・忙しくても手を抜かず家族のためにお菓子を作る
・代用品でも“本物の気持ち”を込める姿勢
・作品世界と自身の生活が重なっている

残されたレシピが伝える家庭の味

モンゴメリの親族が経営していたベーカリーには、彼女の直筆のレシピノートが残されているといわれています。その中には、モックチェリーパイのレシピも含まれており、家庭の中でどのように作られていたかがわかります。

材料の記載や調理手順などからは、特別な道具や材料がなくても、創意工夫で美味しいものが作れるというメッセージが伝わってきます。これは、今の時代にも通じる家庭料理の大切さを教えてくれます。

・モンゴメリの家庭レシピが今も伝わる
・特別な材料がなくても心を込めればよい
・家庭料理の価値を再認識できる内容

今回の番組で期待される内容

今回再放送される『グレーテルのかまど』では、こうしたモンゴメリの背景や、物語と実生活のつながりをじっくりと紹介する内容が予定されています。案内役は俳優の瀬戸康史さん。チェリーパイとモックチェリーパイが、どのように物語と作家の人生をつなぐのか、映像や再現料理を通じて描かれると予想されます。

・『赤毛のアン』に込められた家庭と食の物語
・モンゴメリの人生とお菓子作りの重なり
・チェリーパイを通して見る「幸せのかたち」