シリーズ熱中人「もはや植物!?ナナフシの七不思議」
NHKの人気自然番組『ダーウィンが来た!』では、2025年4月20日(日)放送回で、「もはや植物!?」と驚かれるような昆虫「ナナフシ」が特集されます。タイトルは「シリーズ熱中人 もはや植物!?ナナフシの七不思議」。小枝のような姿で知られるナナフシが、実は体だけでなく卵の形や繁殖方法までもが植物そっくりだというのです。番組では、ナナフシの魅力に夢中になった“熱中人”たちとともに、ナナフシの驚くべき生態と秘密をひもといていきます。放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
小枝のように見える不思議な昆虫「ナナフシ」
ナナフシはナナフシ目(Phasmatodea)に属する昆虫で、木の枝や葉にそっくりな姿をしています。細長く硬そうな体に、控えめな色味。緑や茶色など自然の中で目立たない色をしており、まるで枝が動いているように見えるため「かくれんぼ名人」とも言われています。
日本では約15〜20種類が確認されており、よく知られているのは「ナナフシモドキ」「エダナナフシ」「トゲナナフシ」などです。
ナナフシは見た目の擬態だけでなく、動き方にも工夫があります。ゆっくりと体を揺らしながら進むことで、風に揺れる枝のように見せかけます。また、前脚をピンと頭の先に沿わせて立ち止まると、本物の小枝と見間違うほどのリアルさを発揮します。
卵も植物の種にそっくり
ナナフシのすごいところは、体の擬態だけではありません。なんと、卵の姿まで植物の種子にそっくりなのです。
ナナフシの卵は、丸みのある硬い殻に包まれ、表面には模様があり、まるで落ち葉の間に紛れるドングリや草の実のようです。地面に落ちても石や土、種に見えてしまうため、外敵に気づかれにくくなっています。
さらに特筆すべきは、「キャピトゥルム」と呼ばれる部分の存在です。これは卵の先端についた脂肪のかたまりのような構造で、アリに運ばせるための仕掛けです。アリはこれを餌と勘違いして巣へ持ち帰り、食べた後に卵は巣の中に残されます。この結果、ナナフシの卵は安全な場所で守られたまま孵化を迎えることができます。
メスだけで子どもを産める単為生殖
ナナフシは、単為生殖(たんいせいしょく)という特別な方法で増えることができます。これは、メスだけでも卵を産んで新しい命を育てられるしくみです。
実際、日本にいるナナフシモドキのオスはとても少なく、2020年までに13例しか確認されていません。自然界ではメスのみが見つかることが多く、1匹でも環境さえ整えば次の世代へ命をつなぐことができます。
このしくみにより、ナナフシはオスがいなくても子孫を残すことができ、とても効率よく数を増やすことが可能となっています。これは厳しい自然環境の中でも生き延びるための重要な戦略のひとつです。
鳥に食べられても大丈夫?卵が旅をするナナフシの生存術
ナナフシの卵は硬い殻に守られており、鳥に食べられても消化されずにそのまま排出されることが知られています。つまり、鳥がナナフシの卵を飲み込んでも、卵はそのまま別の場所に運ばれ、糞と一緒に地面に落ちるのです。
実際に、ヒヨドリの糞からナナフシの卵が見つかり、そこからふ化した事例も報告されています。これは、ナナフシが飛ぶことができないにもかかわらず、鳥を“乗り物”のように使って、遠くの場所まで分布を広げるという、自然のしくみをうまく利用した方法です。
熱中人たちがナナフシに夢中!
番組では、ナナフシの魅力にとりつかれた“熱中人”たちも登場します。
・ナナフシ探しの達人
・140匹以上を飼育している学生
・植物研究者が語る、ナナフシと植物の共通点
こうしたナナフシ好きの人々が集まり、それぞれの視点からナナフシの魅力や七不思議に迫ります。研究者や飼育者など、さまざまな立場から語られるナナフシの奥深さを通じて、「昆虫なのにもはや植物」とさえ思えるナナフシの驚きの世界が見えてくるはずです。
この回の放送は、ナナフシに関心のある方だけでなく、自然や昆虫、進化のふしぎに興味のあるすべての方にとって貴重な内容となるでしょう。放送後、さらに詳しい内容を追記予定です。興味のある方は録画や視聴予約をおすすめします。
放送の内容と異なる場合があります。
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