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NHK【チコちゃんに叱られる!】驚くことを“目が点になる”と言うようになったのはなぜ?|2025年6月13日放送

チコちゃんに叱られる!

「目が点になる」はなぜ生まれた?驚きと漫画がつながる不思議な言葉のルーツとは

2025年6月13日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」では、「目が点になる」という言葉の由来について特集されました。驚いたときやあっけにとられたときに使うこの表現、実は漫画や芸能人の会話、そして医学的な体の変化が重なりあって誕生したものであることが、番組を通してわかりました。いつの間にか私たちの暮らしに定着したこの表現が、どのようにして生まれ、広がっていったのかを番組では様々な視点から紹介していました。

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驚くと「目が点に見える」のは体の反応だった

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最初に紹介されたのは、私たちの体に起こる変化です。東京科学大学の大野京子教授によると、驚いたときに人間の目に現れる変化には理由があります。通常、目の中では茶色の虹彩が大部分を占め、中央の黒い瞳孔は小さく見えています。このため、ふだんの目は「茶色っぽく見える」のが一般的です。

しかし、驚くと体の中では交感神経が働きます。交感神経は興奮状態のときに働く神経で、瞳孔を拡大させ、黒目の面積を広げる作用があります。同時に、まぶたの中にある「ミューラー筋」という筋肉も活性化し、まぶたが引き上げられることで白目の面積が増え、目の開きが大きくなるのです。

このように、驚いたときの目は黒い部分が目立ち、白目が増えて、黒い点のように見えるという状態になります。つまり、「目が点になる」という言葉は、体の自然な反応ともつながっていたのです。

「目が点になる」の語源は漫画の世界だった

言葉としての「目が点になる」がどのように生まれたのかについて、番組では漫画の影響が大きいことも紹介されました。登場したのは、漫画家の岡田武さん。彼によれば、この表現は漫画家・谷岡ヤスジさんの作品『ヤスジのメッタメタガキ道講座』にさかのぼるそうです。

この漫画では、キャラクターが怒りを爆発させる直前の瞬間を、黒い点のような目で描写していました。当時のギャグ漫画では、感情の変化をデフォルメして表現する手法が多く、特に目は強調される部位でした。笑いの直前、怒りの直前、驚きの瞬間など、読者に感情を伝えるために、目が点になる表現が効果的に使われていたのです。

この点を注目したのが、ジャズピアニストの山下洋輔さんでした。彼はこのような目の描写を「点目(てんめ)」と名付け、芸術表現として面白がっていました。このユニークな視点が、のちの広がりにもつながっていきます。

言葉を使い始めたのは福田幾太郎さん

この表現を実際に使い始めた人物として、番組では福田幾太郎さんの名前が挙げられていました。福田さんは、『嗚呼!!花の応援団』という漫画を読んで、「目が点になる」という表現を好んで使い始めたと言われています。この作品でも、驚いたキャラクターが黒い点のような目で描かれる場面が多く、それを見て「これは面白い」と感じた福田さんが、普段の会話でも「目が点になってる」と使うようになりました。

この言葉をより多くの人に広めたのが、シンガーソングライターのさだまさしさんです。さださんは福田さんとバンドを組んでいた時代、楽屋などで「目が点になってる」という言葉を聞くようになり、それを気に入ってバンド仲間の間で自然と使われるようになりました。そして、音楽業界の中でもこの言葉が広がっていき、やがて日常でも耳にする表現へと変わっていったのです。

広辞苑への掲載で“正式な言葉”に

こうして少しずつ広まっていった「目が点になる」は、1998年に発行された広辞苑の第五版に掲載されることになります。このとき、はじめてこの言葉が辞書に載ったことで、正式な表現として認められたことになります。

もともとは漫画の中の表現だったものが、現実の言葉となり、辞書にまで載るようになったという流れは、言葉の力と文化の影響を感じさせるエピソードです。今ではテレビ、ラジオ、ネット記事などでも広く使われており、大人から子どもまで理解できる言葉として定着しています。

驚きと文化が重なった日本語の面白さ

今回の「チコちゃんに叱られる!」では、日常的に使っている言葉の背景にある意外なルーツを紹介していました。「目が点になる」という表現は、体の反応・漫画の表現・人の会話という三つの要素が組み合わさって生まれた、まさに日本らしい言葉だと感じさせられる内容でした。

何気ない言葉の中にも、面白い歴史や人とのつながりが隠れているとわかれば、これからも言葉に対する興味がもっと深まっていくはずです。次に誰かが驚いて「目が点になる」と言ったとき、その言葉の背後には漫画のキャラクターとバンドの楽屋があると思うと、少しだけ気持ちが和らぐかもしれません。

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