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NHK【チコちゃんに叱られる!】サッカーユニ交換・炭の始まり・360度の秘密を大調査|2025年7月18日放送

チコちゃんに叱られる!

ユニフォーム・炭・360度のナゾを大調査

2025年7月18日に放送された「チコちゃんに叱られる!」(NHK総合)は、子どもから大人まで楽しめる雑学バラエティ。今回は「ユニフォーム交換の理由」「炭を使い始めた理由」「360度の理由」という三つの素朴な疑問がテーマになりました。ゲストには俳優の池田エライザさんとタレントの伊集院光さんが登場し、スタジオは終始にぎやか。毎回驚きの事実を楽しく学べるこの番組、今回も見どころがたっぷりでした。

サッカーのユニフォーム交換はフランス代表がきっかけだった

1931年に行われたフランス代表とイングランド代表の試合が、現在のユニフォーム交換文化の原点とされています。当時のイングランドは、サッカー発祥の国として圧倒的な強さを誇っており、国際大会への参加も拒否するほどの自信を持っていました。一方のフランスは、イングランドに過去6連敗中で、力の差は歴然と見られていました。ところがこの試合で、フランスが5対2という大差で歴史的勝利を収めたのです。

しかも試合の開催地はイングランド。当時の通信手段では現地の情報が正確にすぐには伝わらないため、フランス代表には「本当に勝ったことをフランスに信じてもらえないのでは」という不安があったとされています。そこで彼らは、「勝利の証拠」として相手チームのユニフォームを持ち帰るというアイデアを思いついたと考えられています。特に当時のイングランド代表のユニフォームはシルク素材で高級感があり、フランス選手の綿のユニフォームとは質感も大きく違っていたと当時の新聞にも記録が残されています。

このようにして生まれたユニフォーム交換の文化は、次第に対戦相手への敬意を示す行為へと変わっていきました。その転機となったのが1970年のメキシコW杯。試合後に、ブラジルのペレ選手とイングランドのボビー・ムーア選手が、お互いのプレーを称えてユニフォームを交換し合う姿が世界中に報道されました。このシーンがきっかけとなって、「勝敗に関係なく互いを讃える」スポーツマンシップの象徴として世界中に浸透していきました。

その後、プロ選手の間ではユニフォーム交換はさらに進化し、試合前から交換する相手を決めておく「予約制」になっている場合もあります。人気選手の場合は希望者が多いため、試合前に申し出ないと間に合わないというのが実情です。また、交換するユニフォームは選手自身が自腹で用意するのが一般的で、海外リーグでは給料から天引きされる仕組みになっていることもあります。

番組内では、元日本代表の内田篤人さんが自身のユニフォームコレクションを披露。長谷部誠選手のユニフォームなどを大切に保管していることが紹介されました。なお、日本代表の試合では、ユニフォームは日本サッカー協会が提供しているため、選手負担はないとのことでした。ユニフォーム1枚にも、歴史と文化、選手たちの思いが詰まっていることがわかる貴重なエピソードでした。

洞窟で火を使いたくて炭が生まれた

人類が炭を使うようになったのは、洞窟という限られた空間で安全に火を使いたいという理由があったからです。火を使いはじめたのはおよそ100万年前。当初は落雷や自然火災などによって生まれた火を見つけ、それを保とうとするところから始まりました。しかし、その火は煙が多く、閉ざされた空間である洞窟の中では使いづらいという問題がありました。

そこで人類は、煙の少ない「炭」の作り方を工夫しながら編み出していきます。木をそのまま燃やすのではなく、空気を遮断して加熱する「伏せ焼き」という方法で木を炭化させると、煙をほとんど出さずに火を長く保てるようになりました。この工夫によって、洞窟内でも安全に火を使用することが可能になったのです。

やがて炭は暮らしの中でも欠かせない存在となり、特に日本では生活のあらゆる場面で活躍しました。まず、高温を出せることによって焼き物や金属の加工が大きく進歩しました。たとえば弥生時代には、薄くて丈夫な弥生式土器が登場し、さらに奈良時代になると銅を溶かして仏像が作られ、戦国時代には刀の鍛造にも使われました。

また、炭は長時間燃え続ける性質があり、火鉢や囲炉裏のような暖房器具としても重宝されました。冬の寒い日でも部屋をあたため、しかも煙が少ないため室内でも使いやすいという特徴があります。

さらに、炭は赤外線を多く放出するため、表面だけでなく内部からも加熱する効果があり、食材のうまみを閉じ込めるのに適しています。この性質を活かして日本では「炭火焼き」の文化が発展しました。

江戸時代には備中屋長左衛門という炭職人が登場し、不純物を少なくし1000度以上の温度で焼き上げる「備長炭」を完成させました。この炭は、火力・燃焼時間・香りの点で優れており、料理の味を引き上げる炭として高く評価されるようになります

さらに現代では、炭は調理や暖房だけでなく、工業用素材としても使われています。特に注目されているのは、炭の構造を活かして半導体や電子機器の部品に活用されている点です。微細な孔を持つ構造は、電気の流れや熱の伝導にも適しており、炭の可能性はますます広がっています。

炭はただの燃料ではなく、暮らし・ものづくり・食文化・最先端技術にまで影響を与える重要な素材です。自然と共に生きてきた人類の知恵が、今もなお私たちの生活の中に息づいていることがわかります。

円が360度なのは1年が約360日だったから

私たちがふだん当たり前のように使っている「円の360度」という単位。そのルーツは、古代メソポタミアの人々が農業のために1年のおおよその長さを360日と考えたことにあります。メソポタミアでは、種まきや収穫の時期を正確に知る必要があったため、太陽の動きを注意深く観察し、1年で太陽が元の位置に戻るまでの日数を数えた結果、おおよそ360日と判断されたのです。

この暦は、のちに天文学や数学にも応用されていきました。特に重要なのは、メソポタミア文明で60進法が使われていたことです。現代では10進法が主流ですが、60進法は2・3・4・5・6といった多くの数で割り切れるため、計算や分割がしやすいという特徴があります。この性質が、「360度」という数字を角度の単位に選ぶうえで非常に都合がよかったのです。

こうして360という数は、1年の長さと60進法という計算文化が合わさって生まれた“奇跡の数字”ともいえます。円はどこにも始まりや終わりがない形ですが、360で割ることでさまざまな角度を簡単に表現できるようになり、建築や天文学、航海術などあらゆる分野で役立てられていきました。

この考え方は、古代ギリシャの哲学者タレスなどによって数学へと組み込まれ、ヨーロッパを通じて世界中に広まっていきます。その結果、現在でもコンパスや分度器、地図、建築など多くの場面で「360度」が使われています。

ちなみに、360日は太陰暦(約354日)と太陽暦(約365日)の中間にあたることから、両者のバランスを取るという意味でも理にかなっているといえます。加えて、360という数字には約数が24個もあり、さまざまな分割に便利だという利点もあります。

「なぜ100度じゃないの?」という疑問もありますが、100は割り切れる数が9個程度しかないため、実は使いづらい数字です。円を正確に分けるには、360という数字の方がずっと優れているのです。

このようにして、360度という単位は、人類が自然を観察し、暮らしの知恵を積み重ねる中で生まれた歴史ある数字であり、今もなお世界中で使われ続けています。

エライザさんの朝活エピソード

番組の合間では、池田エライザさんが「朝早く起きすぎてヒマになってしまう」と話題に。チコちゃんも朝型で、朝映画を見ることもあると紹介されました。朝から感動することに時間帯は関係ないという発言が印象的でした。

視聴者からのおたよりコーナー

番組後半にはおなじみ「ひだまりの縁側で…」のコーナーも放送。キョエちゃんの衣装は和布細工の講師・長谷川コウさんの手作り。おたよりでは「ごはん中に何かしてしまうことはある?」という質問に対し、チコちゃんは「三角食べ」を紹介していました。番組では引き続き、おたよりや衣装の募集も行っています。

今回の放送を通じて

チコちゃんの鋭い質問から始まり、歴史・文化・科学と幅広い知識が詰まった今回の放送。どのテーマも「なんで?」から始まって、見終わった後には「なるほど!」と納得できる内容でした。ユニフォーム交換の背景にあった歴史的対立、炭が日本文化に与えた影響、そして360という数字の便利さなど、子どもも大人も新しい発見があったはずです。

次回の「チコちゃんに叱られる!」も、どんな身近な謎に迫るのか楽しみですね。放送はNHK総合で金曜19:57から。見逃した方はNHKプラスでも視聴できます。

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