ユニフォーム・炭・360度のナゾを大調査|2025年7月18日放送
2025年7月18日(金)よる7時57分から放送される『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)では、サッカー、生活、数字の不思議にまつわる3つの疑問が登場します。今回のテーマは「サッカーのユニフォーム交換」「炭の利用の歴史」「円が360度である理由」。それぞれ身近なようで、意外と知られていない深い背景があります。この記事では放送前の事前情報をもとに内容を紹介します。
サッカーのユニフォームはなぜ交換するの?
リスペクトの気持ちを形にした行動
サッカーの試合終了後に選手どうしがユニフォームを交換するのは、お互いへのリスペクト(敬意)を表す特別な行為です。勝ち負けに関係なく、全力で戦った相手に「ありがとう」「よい戦いだったね」という気持ちを伝えるためのものです。この行動はスポーツマンシップの象徴とされ、ただの習慣ではなく、選手にとって大切な意味を持っています。特に国際大会やクラブ同士の試合では、言葉が通じなくても、ユニフォームの交換で心が通じ合うことがあります。
歴史は1931年から始まった
この習慣がいつ始まったのかというと、最初は1931年5月14日に行われたフランス対イングランドの試合だったとされています。このときフランスがイングランドに勝利し、記念として相手のユニフォームを求めたのがきっかけでした。スポーツの国際化が進むなかで、この文化は次第に広まり、今では世界中で定着しています。
ペレとムーアの伝説の一幕
なかでも1970年メキシコワールドカップでのペレ選手とイングランド代表のボビー・ムーア選手のユニフォーム交換の場面は、多くの人の記憶に残る名シーンとなりました。当時ブラジル代表のペレは世界的スターで、イングランドのムーアは冷静で知的なディフェンダーとして知られていました。試合後、二人がユニフォームを手に笑顔で歩く姿は、スポーツが国や言語の壁を超えて人と人をつなぐ力を持つことを象徴していました。この写真は今でもサッカーの名場面として多くのメディアで紹介されています。
記念として大切に保管される
現在もこの文化は続いており、プロ選手たちは交換したユニフォームを思い出として大切に保管していることが多いです。ワールドカップやオリンピック、チャンピオンズリーグなど、特別な舞台での交換は、選手たちの宝物としてロッカールームや自宅に飾られることもあります。その一枚一枚には、戦った時間、相手への敬意、そして特別な思いが込められているのです。ユニフォームは単なる布ではなく、サッカー選手にとっての歴史と誇りが詰まった証でもあります。
炭はなぜ昔から使われてきたの?
炭は、日本人の暮らしにとってとても身近な存在で、縄文時代から使われてきた歴史ある素材です。人が火を使うようになった頃から、木を燃やしてつくる炭は、火を扱いやすくするための道具として役立ってきました。なかでも「黒炭」や「白炭(備長炭)」は、燃焼の特性が異なり、使い分けられてきたのが特徴です。黒炭は火がつきやすく、日常の煮炊きや暖房に使われ、白炭は火力が強く長持ちするため、料理をおいしく焼き上げるための炭として、今でも専門店や職人に愛用されています。
暮らしに役立つ炭の知恵
炭は燃料としてだけでなく、湿気やにおいを吸い取る力を持っているため、古くからさまざまな場所で使われてきました。日本のように湿気の多い気候では、神社やお寺の床下に炭を敷いて、地面からの湿気を防ぎ、木材を守るために利用されました。昔の民家や土蔵でも、床下や壁の中に炭を入れて、防虫やカビ対策をしていた例があります。
家庭でも、靴箱やクローゼット、台所の流し台の下など、湿気やにおいが気になる場所に炭を置くことがあります。炭は目に見えないほど小さな孔(あな)が無数にあいていて、空気中のにおいや水分を吸収する性質があるからです。これにより、部屋の空気をきれいに保つ効果も期待されています。
現代でも活躍する炭のちから
今の時代でも、炭はインテリア雑貨や健康グッズとして人気があります。たとえば、炭入りの脱臭アイテム、炭を使った水の浄化グッズ、炭素材の枕やシーツなど、さまざまな形で活用されています。木炭アートや花炭のように、飾って楽しむ文化的な使い方もあります。
炭は、昔の人が自然の中で生み出した素材でありながら、今の暮らしの中にもなじむ“万能な道具”です。燃やすだけでなく、暮らしを快適にしてくれる頼れる存在として、昔から今まで長く使われ続けてきた理由がここにあります。
円の一周が360度なのはなぜ?
円の一周が360度とされているのは、偶然ではなく、古代から受け継がれてきた知恵の積み重ねによるものです。今では当たり前のように使っているこの数字にも、ちゃんとした理由があります。
古代バビロニア人の観測から
はじまりは約4000年前の古代バビロニア文明。この時代の人々は天文学に長けていて、夜空を観察しながら季節や暦を読み取っていました。当時は、太陽が1年かけて空をぐるっと一周すると考えられており、その周期を「約360日」と見なしていたため、「円」や「周期」といった動きに対して360という数字が自然に使われるようになったのです。
60進法という独特な数字の使い方
バビロニア人は、今の10進法ではなく60進法という数の数え方を使っていました。これは1が60になるごとに位が上がるしくみで、時間の「60分」「60秒」と同じ感覚です。60進法では360という数字はとても使いやすく、2・3・4・5・6・8・9・10・12・15・18・20・30・36・40・45・60・72・90・120・180など、たくさんの数字で割ることができます。これにより、円をいろんな形に等しく分けるのが簡単になったのです。
ギリシャの天文学に受け継がれる
やがてバビロニアの知識は古代ギリシャの天文学者たちに伝わり、彼らの観測や数学にも取り入れられました。紀元前2世紀のヒッパルコスという天文学者は、星の位置や動きを360度で表す方法を採用し、それが角度の単位として定着していったのです。こうして、円は360度という考え方が西洋を中心に広まり、長い時間をかけて世界共通のルールになっていきました。
実用性と分かりやすさの融合
もし円の一周が100度だったら、見た目はシンプルでも、いろんな角度に分けるときに割り切れない不便さがありました。360度なら、30度ずつ分ければ12個、90度なら4分割、120度なら3分割といったふうに、どんな分け方でもスッと計算できるのが魅力です。つまり、360度という仕組みは「天体観測の経験」+「数学的な使いやすさ」の合わせ技だったのです。
このように、360という数字は、ただの偶然ではなく、古代の人々が夜空を見上げて考えた知恵や工夫から生まれた「とても理にかなった答え」だったといえます。今でも数学や地図、コンパスなど、さまざまな場面でこの数字が使われているのは、その便利さが証明されているからです。
放送情報まとめ
番組名 | チコちゃんに叱られる! |
---|---|
放送日 | 2025年7月18日(金) |
時間 | 19:57〜20:42(45分) |
放送局 | NHK総合 |
出演者 | 岡村隆史、伊集院光、池田エライザ、チコちゃん(声:木村祐一) |
取り上げられる疑問 | サッカーのユニフォーム交換、炭の使い方、円が360度の理由、早起きの過ごし方 |
今回も、身近なことに対する「なぜ?」がたっぷり紹介される内容です。どんな答えが飛び出すのか、放送後に内容を追記してお伝えします。
コメント