アン・シャーリーのいちご水の物語
2025年6月16日(月)夜10時からNHK Eテレで放送予定の『グレーテルのかまど』では、アニメ『アン・シャーリー』に登場する「いちご水」がテーマとして取り上げられます。このいちご水は、物語の中で起こる“事件”をきっかけに物語を動かす印象的なアイテムであり、アンと親友との関係を象徴する特別な飲み物です。
赤毛のアンの世界といちご水の意味
アニメ『アン・シャーリー』は、世界的に愛されているL.M.モンゴメリ原作の『赤毛のアン』を原作とした作品で、2025年春よりNHKで放送が始まりました。舞台はカナダ東部のプリンスエドワード島。美しい自然と優しい人々に囲まれて、想像力豊かな少女アン・シャーリーが日常の中で成長していく様子が描かれています。
その中でも注目の回となったのが、第4話で描かれた「いちご水事件」。赤くてきらきらした美しい飲み物「いちご水(原作ではraspberry cordial)」は、アンが親友ダイアナをおもてなしするために用意した特別な飲み物です。プリンスエドワード島では、やわらかく日持ちしにくいラズベリーを使った保存食として、コーディアル(濃縮果汁シロップ)が広く親しまれており、家庭で作られてきた伝統的な味です。
番組では、このコーディアルを再現し、残った果実はジャムにして、さらに物語にも登場するレイヤーケーキ作りにも挑戦するとされています。ヘンゼルの手で物語の世界が現代に再現されることで、物語と食がつながる時間となりそうです。
いちご水事件のあらすじとアンの失敗
アンは、憧れの親友ダイアナを家に招き、精いっぱいのおもてなしを準備します。その中でもとっておきの飲み物として用意したのが「いちご水」でした。見た目も香りも素晴らしいこの飲み物は、アンの愛情がこもったプレゼントでもありました。しかし、アンは誤ってぶどう酒(アルコール入り)を出してしまい、ダイアナは知らずにそれを飲んでしまいます。
・ダイアナは甘くて飲みやすいこの飲み物を何杯も飲み、酔ってしまいます
・気分が悪くなったダイアナは帰宅後、母親に事情を話します
・ダイアナの母は怒り、アンと娘との付き合いを一方的に禁じます
・アンは深く傷つきますが、ダイアナへの気持ちは変わりません
この事件によって一度は関係が途切れてしまったふたりですが、後に誤解が解け、ダイアナとアンは再び強い友情で結ばれるようになります。この出来事は、アンにとっても大きな成長のきっかけであり、観る人の心にも残る名場面のひとつです。
『アン・シャーリー』での演出と現代的な表現
アニメ『アン・シャーリー』では、こうした出来事を現代的な感覚で繊細に描きながら、作品の雰囲気を大切にした丁寧な映像表現が印象的です。2025年4月からスタートしたこのアニメでは、背景美術や音楽も細部までこだわり抜かれ、原作の世界観を壊すことなく、より深く作品に入り込めるような工夫がされています。
いちご水事件が描かれた第4話では、アンの表情の変化や心の動きが丁寧に描写されており、アンの持つ誠実さや優しさ、そして失敗を通して学ぶ姿勢がしっかりと表現されています。アニメを通してアンという少女の魅力を再確認した視聴者も多く、今回の『グレーテルのかまど』で再びこのエピソードが特集されることで、作品の奥行きがさらに伝わる機会になると期待されています。
レイヤーケーキ|赤毛のアンに登場!ラズベリージャム&クリームの贅沢な層
物語の世界から着想を得た「レイヤーケーキ」のレシピを披露しました。『赤毛のアン』の舞台となるプリンスエドワード島でのおもてなしにふさわしいこのケーキは、ラズベリージャムとラズベリー風味のクリームが織りなす華やかな味わい。しっとりアーモンド生地が美しく層を成し、見た目にも贅沢なデザートに仕上がっています。
材料(直径18cm・高さ5.5cmの型1台分)
アーモンド風味のスポンジ生地
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全卵:150g(Mサイズ3個分)
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卵黄:40g(Mサイズ2個分)
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グラニュー糖:190g
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バニラエッセンス:適量
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アーモンドパウダー:120g
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コーンスターチ:70g
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薄力粉:20g
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無塩バター:90g(溶かして使用)
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無塩バター(型用):適量
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アーモンドスライス:適量
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ラズベリージャム:適量(仕上げ用80~100g)
ラズベリー風味のバタークリーム
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牛乳:65ml
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卵黄:20g(Mサイズ1個分)
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グラニュー糖:38g
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無塩バター:88g(やわらかくしておく)
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ラズベリージャム:40g
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粉砂糖:適量(仕上げ用)
作り方
アーモンド風味のスポンジ生地の準備
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オーブンを180℃に予熱しておく
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型の内側にバターを塗ってアーモンドスライスを貼り付け、冷蔵庫で冷やす
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アーモンドパウダー・コーンスターチ・薄力粉をふるって混ぜ合わせる
生地を作る
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ボウルに全卵・卵黄・グラニュー糖・バニラエッセンスを入れ、人肌に温めながら泡立てる
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白くもったりした状態まで泡立てたら、低速でキメを整える
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ふるった粉類を加え、ゴムべらで切るように混ぜる
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溶かしたバターを加えて混ぜ、型に流し込む
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180℃で約20分、続けて160℃で20〜25分焼く
ラズベリー風味のバタークリームを作る
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牛乳とグラニュー糖の1/4を鍋で沸騰させる
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卵黄と残りのグラニュー糖を混ぜておく
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上記の牛乳を2の卵黄に少しずつ加えて混ぜ、鍋に戻し火にかける
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83℃になるまで加熱し、とろみがついたら火から下ろす
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清潔なボウルにこして氷水で冷却
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やわらかくしたバターに冷やした液を3回に分けて加え混ぜる
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ラズベリージャムを加えて混ぜる
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丸口金(11mm)の絞り袋に詰めておく
ケーキの仕上げ
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焼き上げた生地を冷蔵庫で冷やし、3枚にスライス
※冷やすことで生地が崩れにくくなります -
一番下の生地にラズベリージャムをたっぷり塗る(80〜100g)
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2枚目を重ねて、ラズベリー風味のバタークリームを縁まで絞って平らに整える
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最後の生地をのせて、表面に粉砂糖をふるう
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冷蔵庫で保存し、翌日までに食べきるのがおすすめ
見た目も味も華やかで、おもてなしにもぴったりな一品です。ぜひ特別な日に作ってみてください。
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