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『パンどろぼう』のぼうしパンは実在する?高知発祥の正体とメロンパンとの違い【グレーテルのかまどで紹介】

グレーテルのかまど

絵本から飛び出した高知のぼうしパン

丸いパンのまわりに、甘く香ばしい「つば」が広がるぼうしパン。見た目のかわいらしさだけでなく、ふわふわとサクッとした2つの食感を一度に楽しめる高知のご当地パンです。

『グレーテルのかまど 選 “パンどろぼう”のぼうしパン(2026年7月27日)』でも取り上げられ、絵本に登場するパンを、柚子ピール入りで仕上げる作り方が紹介されます。なぜ帽子の形になるのか、一般的なメロンパンとは何が違うのかまで知ると、食べる楽しみがさらに広がります。

この記事でわかること

  • 『パンどろぼう』に登場するぼうしパンの正体
  • 高知で生まれた経緯とメロンパンとの違い
  • 柚子ピール入りぼうしパンの特徴
  • 作るときや購入するときの確認ポイント

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『パンどろぼう』のぼうしパンは高知で実際に親しまれているご当地パン

絵本『パンどろぼう』に描かれているぼうしパンは、物語のためだけに考えられた架空のパンではありません。

高知県で長く親しまれてきた、実在するご当地パンです。

一般的なぼうしパンは、中央にふんわりとした丸いパンがあり、そのまわりを甘いカステラ生地が帽子のつばのように囲んでいます。

食べたときの印象は、場所によって大きく変わります。

中央部分は、やわらかく軽いパンらしい食感です。一方、外側へ広がったつばは、薄い部分ほどサクッとしており、バターや卵、砂糖の甘い香りを感じられます。

つまり、ぼうしパンの魅力は単に形がかわいいことではなく、ふわふわのパンと甘く香ばしいつばを一緒に味わえることにあります。

初めて見ると「大きなメロンパンのようなものかな」と思うかもしれません。しかし、表面全体を生地で包むのではなく、上からかけた生地が焼いている間に流れ落ちるため、見た目も食感もメロンパンとは異なります。

個人的には、中央のパンよりも、まわりの薄く焼けた部分が気になります。端に近づくほど香ばしさが増すため、どこから食べ始めるか迷うのも、ぼうしパンらしい楽しさです。

ぼうしパンはメロンパン作りの失敗から偶然生まれた

ぼうしパンが誕生したのは、昭和30年ごろとされています。

高知のパン工場でメロンパンを作っていた際、丸めたパン生地の1つにビスケット生地をかけ忘れてしまったことが始まりです。

本来のメロンパンは、パン生地が発酵する前にビスケット生地を重ねます。しかし、かけ忘れに気づいたのは発酵後でした。

そこで上から生地をかけて焼いたところ、その生地がパンの側面を流れ落ち、まわりへ広がりました。焼き上がった姿が帽子に似ていたことから、現在の形につながったといわれています。

その後、上にかける生地はビスケット生地からカステラ生地へ改良され、当初は「カステラパン」として販売されました。

ところが、帽子のような見た目を見た客の間で「ぼうしパン」という呼び名が広まり、その名前が定着していきました。

失敗から偶然生まれたパンが、地域を代表する味になったと知ると、少し驚きます。

きれいに整えすぎていない独特の形も、もともと生地が自然に流れてできたものだと考えると納得できます。

なお、発祥に関わったパン店として知られているのが永野旭堂です。高知市永国寺町にある直営店リンベルでは、元祖とされるぼうしパンをはじめ、複数の種類が販売されています。

メロンパンやスイートブールとはどこが違う?

ぼうしパンに似ているパンとして、メロンパンやスイートブールを思い浮かべる人も多いでしょう。

いずれもパン生地と甘い生地を組み合わせていますが、形や食感の作り方には違いがあります。

比較するパン 甘い生地の特徴 見た目と食感
ぼうしパン 上からやわらかい生地を絞る 生地が流れて、帽子のつばになる
メロンパン パン生地をビスケット生地で包む 表面全体がサクッと焼ける
スイートブール 上から甘い生地を絞って焼く ぼうしパンに近いが、形や呼び方は商品により異なる

ぼうしパンの大きな特徴は、中央のパンと、まわりへ広がったつばがはっきり分かれて見えることです。

外側の生地には、バター、グラニュー糖、薄力粉、卵などが使われます。やわらかく調整した生地を発酵後のパンに絞り、焼いている間に流れ落とすことで、360度に広がったつばが作られます。

メロンパンは表面全体をクッキーのような生地で覆うため、上部から側面まで比較的均一な食感になります。

一方のぼうしパンは、中央と端で厚みが異なります。中央に近い部分はやわらかく、外側は薄く香ばしくなりやすいため、1個の中で食感の変化を楽しめます。

実際に選ぶなら、甘い表面を均等に楽しみたい人はメロンパン、サクッとした端とふわふわの中央を食べ比べたい人はぼうしパンが向いています。

柚子ピール入りは高知らしさを重ねたオリジナルぼうしパン

今回作られるぼうしパンには、柚子ピールが加えられます。

高知のぼうしパンに、高知らしい柑橘の風味を組み合わせたオリジナルの仕上がりです。

柚子ピールとは、柚子の皮を砂糖などで煮て、食べやすく加工したものです。パン生地へ混ぜ込むことで、噛んだときに柚子の香りとほろ苦さが広がります。

一般的なぼうしパンは、パンとカステラ生地のやさしい甘さが中心です。

そこへ柚子ピールを加えると、甘さの中に爽やかな香りが入り、後味が軽く感じられます。バターや砂糖を使ったつばの部分とも合わせやすく、甘い菓子パンが少し重く感じる人にも食べやすい組み合わせです。

さらに、卵白と粉砂糖で作るアイシングでリボンを描くことで、絵本に登場しそうな帽子らしい姿に仕上げられます。

たしかに、リボンがあるだけで、普通のご当地パンから物語の中のパンへと印象が変わります。

ただし、柚子ピール入りは、昔から販売されているすべてのぼうしパンに共通するものではありません。伝統的な形を生かしながら、高知らしい風味を加えたアレンジとして考えるとわかりやすいでしょう。

絵本にぼうしパンが登場する背景には作者と高知のつながりがある

『パンどろぼう』は、おいしいパンを探し求めるパンどろぼうを主人公にした絵本シリーズです。

作者の柴田ケイコさんは高知県出身で、ぼうしパンも好きなパンとして知られています。絵本の中に高知でなじみ深いパンが描かれているため、地元を知る人にとっては「見覚えのあるパン」として楽しめます。

一方、高知以外に住んでいる人にとっては、絵本を通じて初めてぼうしパンを知るきっかけになります。

ここが、このパンのおもしろいところです。

絵本の中では、たくさんのおいしそうなパンの1つとして描かれていますが、背景を調べると、高知で長く受け継がれてきた食文化につながっています。

子どもは形や物語から興味を持ち、大人は発祥や地域性から楽しめるため、親子で話を広げやすいパンでもあります。

絵本を読んだあとに実際のぼうしパンを食べると、「この部分が帽子のつばなのか」「絵と同じ形だ」と確かめられます。

単にキャラクターを再現した食べ物ではなく、もともと存在していたご当地パンが絵本の世界と結びついている点が、ほかのコラボメニューとは少し異なります。

家庭で作るときは発酵と上掛け生地の硬さが大切

ぼうしパンを家庭で作る場合、最も難しいのは帽子のつばをきれいに広げる工程です。

基本的な流れは、次のようになります。

  • 中央になるパン生地を作る
  • 一次発酵させる
  • 分割して丸める
  • 発酵後の生地へ甘い上掛け生地を絞る
  • オーブンで焼き、生地をまわりへ広げる
  • 冷めてからアイシングなどで飾る

番組で作られたものは、中のパン生地を仕上げたあと、室温で60分発酵させ、50gずつに分けています。

その上へ甘い生地を円を描くように絞り出し、焼くことで、上掛け生地が流れてつばになります。

きれいな形に仕上げるために確認したいのは、次の点です。

パン生地を十分に発酵させる

発酵が足りないと中央部分がふくらみにくく、重たい食感になることがあります。反対に発酵が進みすぎると、生地が扱いにくくなり、焼いたときの形も安定しにくくなります。

発酵時間は室温によって変わるため、時間だけではなく、ふくらみ方も確認することが大切です。

上掛け生地を硬くしすぎない

上に絞る生地が硬いと、焼いても十分に流れず、帽子のつばが小さくなります。

やわらかすぎる場合は広がりすぎて、隣のパンとつながる可能性があります。天板へ並べる際は、パン同士の間隔も広めに取っておきたいところです。

上掛け生地を均等に絞る

パンの中心から円を描くように絞ると、全方向へ広がりやすくなります。一方向だけ量が多いと、帽子が傾いたような形になりやすいため注意が必要です。

個人的には、完全に左右対称にすることより、中央がふんわり焼けて、つばが香ばしく仕上がることの方が大事だと感じます。

少しくらい形が不ぞろいでも、手作りらしい帽子に見えるのが、このパンのよいところです。

子どもと作るなら時間とやけどに注意したい

ぼうしパンは見た目がわかりやすく、アイシングでリボンや模様を描けるため、子どもと楽しみやすいパンです。

ただし、最初から最後まで短時間で作れるお菓子ではありません。

パン生地には発酵時間が必要です。こね始めてから焼き上がるまでには複数の工程があるため、途中で急かされないよう、時間に余裕のある日に作るのが向いています。

子どもが参加しやすいのは、次の作業です。

  • 柚子ピールなどを生地へ混ぜる
  • 分割した生地を丸める
  • 上掛け生地を絞る
  • 冷めたパンへリボンや模様を描く

オーブンから天板を出す作業や、焼き上がった直後のパンを移動させる作業は、大人が担当した方が安全です。

特に、帽子のつばは薄いため早く冷めそうに見えますが、中央部分や天板は高温です。飾り付けは、十分に冷めてから始めます。

また、小麦、卵、乳製品を使用する作り方が一般的です。食物アレルギーがある場合は、材料表示や代替材料を事前に確認してください。市販のぼうしパンにも、小麦、卵、乳、大豆などが含まれる商品があります。

ぼうしパンは高知のパン屋や通販で購入できる

本場のぼうしパンを食べたい場合は、高知県内のパン店やスーパーなどで探せます。

元祖とされる味を確かめたい人は、永野旭堂の直営店リンベルが候補になります。

同店では、通常のぼうしパンのほか、あんこ入り、クロワッサン生地を使ったもの、クリームを組み合わせたものなど、複数のバリエーションが販売されることがあります。商品の種類は日によって異なる可能性があるため、特定の商品が目当てなら来店前の確認が安心です。

高知へ行く予定がない場合は、冷凍配送に対応した通販商品もあります。

通販で選ぶときは、価格だけでなく、次の点を確認しましょう。

  • 冷凍便か常温便か
  • 何個入りの商品か
  • プレーン以外の味が含まれるか
  • 送料込みか別料金か
  • 注文後どのくらいで発送されるか
  • 解凍後の保存方法
  • アレルギー表示

冷凍のセット商品には、受注生産で発送まで日数がかかるものや、地域によって追加送料が必要なものもあります。人気商品は売り切れになることもあるため、贈り物や予定日に合わせて購入するときは、早めに在庫と配送日を確認したいところです。

通販では、写真だけを見ると大きさがわかりにくい場合があります。1個当たりの重量や個数も確認すると、届いたときのイメージ違いを防ぎやすくなります。

ぼうしパンは中央とつばの食べ方でも好みが分かれる

ぼうしパンには、中央のふわふわした部分が好きな人と、外側のつばが好きな人がいます。

高知では、つばの部分だけを先に食べる人も多いとされ、甘く香ばしい部分だけを商品にしたぼうしパンの耳も登場しています。

初めて食べるなら、最初から中央とつばを分けず、両方が入るようにちぎってみるのがおすすめです。

ふわふわしたパンに、サクッとした甘い生地が重なり、ぼうしパンならではの違いがわかりやすくなります。

温め直す場合は、電子レンジだけではつばがやわらかくなりやすいため、短時間温めたあとにトースターを使う方法が考えられます。ただし、砂糖やバターを含む薄い部分は焦げやすいので、加熱中は目を離さないようにしましょう。

柚子ピール入りなら、柚子の香りを感じやすいよう、強く焼き直しすぎないことも大切です。

絵本を読んだあとに食べると高知の食文化まで楽しめる

『パンどろぼう』のぼうしパンは、かわいい絵本の世界を再現するだけのパンではありません。

昭和30年ごろ、高知でメロンパン作りの失敗から偶然生まれ、地域の人たちによって名前と味が受け継がれてきたご当地パンです。

中央のふわふわしたパンと、外側の甘く香ばしいつばを一緒に楽しめることが、ほかの菓子パンにはない魅力です。

柚子ピールを加えれば、高知らしい爽やかな香りも重なります。リボンを描けば、絵本から飛び出してきたような姿になるため、子どもと作る時間も楽しめるでしょう。

購入するときは、販売されている種類、在庫、配送方法、アレルギー表示を確認することが大切です。

まずは中央とつばを一緒に食べ、食感の違いを確かめてみてください。見た目のかわいさだけでなく、長く愛されてきた理由が伝わってくるはずです。

参考リンク


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