記事内には、広告が含まれています。

NHK 【ブラタモリ】ペリーも驚いた“世界屈指の良港”函館とは?バットレス式ダムやコンクリート電柱の秘密も|2025年7月26日放送

ブラタモリ

魅力度No.1函館の町のヒミツを探る旅

7月26日放送の『ブラタモリ』は、北海道・函館が舞台です。市区町村魅力度ランキングで全国1位に輝いたこの街には、独特の景観と文化があります。赤レンガ倉庫や教会が並ぶ坂道、そして塩ラーメンや海鮮といったグルメまで、函館の「ハイカラな魅力」がどうやって生まれたのかをタモリさんがひもときます。

前回のブラタモリ 函館・五稜郭▼“幕末の要塞”なぜ星形に?新選組土方歳三の最期|2025年7月19日放送

次回のブラタモリ 最新!富士山SP▼78分拡大版!人はなぜ富士山が好きなのか?|2025年8月2日放送

函館の港はペリーも驚いた“世界屈指の良港”

まず訪れたのは、函館の港です。ここは1859年に開港され、横浜や長崎と並び日本初の貿易港の一つとして知られています。幕末に来航したペリーはこの港を「世界屈指の良港」と絶賛していました。この評価を裏づけるように、周囲は山に囲まれて波が静かで、船がとても停まりやすい場所だったと紹介されました。

港から見える町の風景もユニークでした。坂の多い地形を活かして、外国人から見えやすい2階部分を洋風にした建物が目立ちました。当時は洋風の見た目が“ハイカラ”の象徴とされ、訪れる外国船に向けて町の印象をよくする工夫がされていたのです。

また、函館は火事が多い町としても知られており、その対策として「うだつ」という防火壁が取り入れられました。さらに消火設備も進んでおり、アメリカ式の地上型消火栓が導入されていました。これは3方向に同時に放水が可能な優れもので、当時としてはとても珍しいものでした。電柱にも特徴があり、火に強いコンクリート製のものが使われていたことも紹介されました。

銀座通りで見えた“ハイカラ”の正体はコンクリート建築

続いて向かったのは、函館の中心街・銀座通り。ここは明治から大正にかけて何度も大火に見舞われた地域でした。焼け跡に再建されたのは、燃えにくくて丈夫なコンクリートの建物。こうした背景から、この通りは洋風の建物が立ち並ぶ“ハイカラ”な町へと姿を変えていきました。

現在でもレトロな雰囲気が残るこのエリアは、過去の災害を乗り越えた町の歴史を感じさせます。コンクリートが使われるようになった理由や、そのことで町並みがどう変化したかが、わかりやすく説明されました。

旧函館区公会堂は市民の希望を背負った建物

次に紹介されたのは、函館のランドマーク的存在である旧函館区公会堂です。明治43年に建てられたこの建物は、市民の集会所として誕生しました。もともとは社交場がありましたが、火事で焼けてしまったため、町の復興のシンボルとして建て直されたという背景があります。

豪華な外観と色使いは、まさに“ハイカラ”の象徴。当時の人々が未来に希望を持ち、新しい町を作り上げようとした思いがこめられている建物です。また、函館は開港によって洋食文化が早くから根付いた町でもあり、チーズやバターは修道院で作られ、のちに広く町に浸透しました。

さらに、函館塩ラーメンのルーツは華僑が作った南京そばにあるとされており、外国から入ってきた料理がローカライズされていく様子も紹介されました。開港当初は1万人ほどだった人口が、わずか50年で15万人まで増加したことからも、函館の発展ぶりがよくわかります。

人口増を支える水道と“日本初のバットレス式ダム”

急激に増えた人口を支えるためには、水の安定供給が欠かせませんでした。そこで整備されたのが、明治22年に整備された近代水道です。これは日本で2番目に古い水道として知られており、今でも現役で活躍しています。

番組では函館市企業局の川原さんが案内役となり、配水場を訪問。芝生の下にはレンガづくりの床とコンクリート柱でできた配水池が広がっており、その内部を歩く様子も紹介されました。この施設は、現在でも函館の水の大部分をまかなう重要な場所となっています。

ここに水を送っているのが、笹流ダムです。このダムは、当時としては画期的な「バットレス式」という構造を持った日本初のダムです。コンクリートの使用量を抑え、工期を短縮するために考案されたこの方式は、機能性と効率性を両立させたものでした。

ハイカラの裏にある、工夫と技術と生きた知恵

今回の放送を通じて、函館が「魅力度1位」となった背景には、見た目の美しさやグルメだけではなく、火事や人口増という課題に向き合いながら町を変えてきた人々の知恵と努力があったことがわかりました。港、建物、水道、そして文化まで、すべてが絡み合って今の“ハイカラな函館”を作り上げてきたのです。

旅番組としてだけでなく、歴史や都市づくりの知識も得られる今回の『ブラタモリ』は、函館を訪れる前にぜひ見ておきたい内容でした。次に函館を旅する時は、ハイカラな風景の背景にある“理由”にも、少し目を向けてみたくなるはずです。

現地で体感できる函館の見学スポットとアクセス情報

しげゆき
しげゆき

こここらは、私から提案です。番組で紹介されたスポットは、実際に函館を訪れることでその魅力をじっくりと味わうことができます。建物や施設の歴史だけでなく、立地や景観、アクセスのしやすさまで含めて、観光としても価値の高い場所です。ここでは、特に番組内で取り上げられた旧函館区公会堂・笹流ダム・元町配水場について、詳しい見学情報をご紹介します。

旧函館区公会堂(市民の集会場として再建されたランドマーク)

旧函館区公会堂は、明治43年に市民の社交場として建てられた木造2階建ての洋風建築です。火事によって失われた旧社交場の代わりとして建て直されたこの建物は、外観の黄色と青色のコントラストが印象的で、函館の街並みによく映えます。開港によって洋風文化が流れ込んだことを象徴するようなハイカラなデザインは、今も多くの観光客に親しまれています。

情報項目 内容
所在地 北海道函館市元町11-13
アクセス 市電「末広町」電停から徒歩約7分/函館バス「公会堂前」下車すぐ
開館時間 4月〜10月 火〜金 9:00〜18:00、土日祝は〜19:00/11月〜3月 9:00〜17:00
休館日 年末年始(12/31〜1/3)、臨時休館あり
入館料 一般300円/学生・児童150円

建物の中では、豪華なシャンデリアが吊るされた大広間や、当時の洋家具を使った応接室、海が一望できるベランダなどを見学できます。

笹流ダム(日本初のバットレス式構造を採用)

笹流ダムは、明治末期から大正初期にかけて建設された日本初のバットレス式ダムです。コンクリートの使用量を最小限に抑えながら高い強度を実現する特殊構造は、当時としては先進的なものでした。現在も配水場への給水源として活用されており、函館の近代水道を支えてきた存在です。

周辺には芝生広場があり、春には桜、秋には紅葉が見事に色づき、ダムの構造と自然の景色を一度に楽しめる人気スポットになっています。

情報項目 内容
所在地 北海道函館市赤川町
アクセス 函館駅から車で約30分/市バス55系統「赤川小学校」下車 徒歩約10分
開放期間 4月第3土曜〜9月末 9:00〜17:00/10月〜11月23日 8:30〜16:30(冬季は閉鎖)
設備 無料駐車場(約150台)、トイレ、ベンチ、案内板あり

コンクリートの壁と柱が連なる内部構造は、まるで地下神殿のような雰囲気で、見ごたえがあります。

元町配水場(レンガとコンクリートの地下空間)

元町配水場は、函館の人口が急増した明治時代に整備された水道インフラの要所です。レンガの床とコンクリートの柱によって構成された配水池の内部は、現在も見学が可能です。ここから供給される水は、今も函館市民の生活を支えています。

この施設は通常の観光地とは違い、見学には事前申し込みが必要です。函館市企業局が管理しており、見学希望者は電話またはメールでの予約が推奨されています。内部は湿度が高く、独特の音の響きも体感できます。

情報項目 内容
所在地 北海道函館市元町周辺(※詳細は予約時に案内)
アクセス 函館山ロープウェイ山麓駅近く/元町地区から徒歩10分圏内
見学方法 事前に函館市企業局に申し込み(団体・個人とも可)
見学内容 配水池構造、給水システム、歴史パネル展示など

実際にこの場所を訪れることで、番組で見た歴史の重みや技術の深さを体で感じることができます。どの施設も函館市の中心部からアクセスしやすく、1日で周ることも可能です。旅のプランに加えることで、さらに深い学びと発見が得られます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました