記事内には、広告が含まれています。

NHK 【ブラタモリ】なぜ富士山は美しいのか?古富士の崩壊と雪代がつくる絶景|2025年8月2日放送

ブラタモリ

ブラタモリ 富士山SP

今回の『ブラタモリ』は、富士山をテーマにしたスペシャル回。78分拡大版で放送され、これまで6回にわたって富士山を訪ねてきた番組の集大成ともいえる内容でした。舞台は静岡県側の須走口。富士山の魅力を「なぜ美しいのか」「人は噴火とどう向き合ったか」「富士山はなぜ生まれたのか」という3つの謎から掘り下げていきました。案内人は火山学者の小山真人さん。過去の放送を振り返りながら、まだ番組で取り上げてこなかった富士山の“東側”に注目し、最新の研究成果を交えて案内してくれました。

富士山が美しく見える理由はどこにある?

富士山が人々を魅了する理由のひとつに、その端正な姿があります。今回タモリさんたちが最初に訪れたのは、陸上自衛隊東富士演習場。ここは本州最大の演習場で、東京都心の山手線がすっぽり入ってしまう広さがあります。その中にある「富士山グランドキャニオン」と呼ばれる深い谷が、富士山の美しさの秘密を教えてくれました。

雪代がつくる富士山の美しい雪化粧

この谷は、春になると富士山の雪が溶けて流れる**雪代(ゆきしろ)**によって長い時間をかけて削られてできたものです。長さはおよそ1km、深さは最大で60mにもなります。雪代は、雪が少しずつ溶け出して水の流れとなり、谷を刻みながら斜面の形を整えます。この現象により、富士山の雪化粧が均等でなめらかになり、遠くから見ても美しい形が際立つのです。

また、富士山が独立峰であることも重要なポイントです。周囲に高い山がないため、裾野が大きく広がるシルエットがすっきりと浮かび上がることで、絵のような美しさを引き立てています。どこから見ても左右対称に近いその形状は、自然が長い年月をかけて作り上げた奇跡とも言えます。

富士山が現在の形になった地質的な理由

富士山の成り立ちには、古富士と新富士という2つの火山の存在が関係しています。約2900年前、古富士が原因不明の山体崩壊を起こし、その一部が崩れてなくなったことで、新富士が活動を始め、今のような形になっていきました。このときの崩壊の一部が、東富士演習場に残るグランドキャニオンのような谷にもつながっています。

かつて「宝永山」は古富士の一部が残ったものとされていましたが、最新の調査によって、これは江戸時代の宝永噴火によって積もった火山灰やスコリア(火山礫)でできていることが判明しました。2018年の台風でこの部分の地層が崩れ、研究が進んだことで、これまでの常識が覆されたのです。

富士山の景観が持つ日本人の心への影響

富士山の美しさは単に自然の造形だけでなく、文化的・精神的な象徴としても存在しています。特に、空高くそびえ、左右に広がる裾野が目に入るその姿は、四季の変化や気候の中でもはっきりと見えることが多く、人々の記憶や写真、芸術作品に繰り返し登場するほどの存在感を放っています。

このように、雪代が形作る斜面のなめらかさ、独立峰としての立地、長い歴史の中で生まれた地質の変化、それらがすべて合わさることで、私たちが今目にしている“美しい富士山”ができあがっているのです。

富士山と噴火の歴史、そして人々の暮らし

富士山と人々の暮らしは、長い歴史の中で深く結びついてきました。静岡県小山町にある東口本宮冨士浅間神社は、その象徴のひとつです。この神社は、西暦802年に富士山の東側で起きた噴火の鎮火を祈って建てられたとされ、火山の力と人間の営みが交差する場所となっています。

埋もれた社殿と再建された神社

宝永4年(1707年)の宝永噴火では、火口から大量のスコリア(火山礫)が16日間も降り続き、周囲の集落を覆い尽くしました。このとき、神社の社殿も厚い火山灰に埋まってしまいました。住民たちは埋まった社殿の部分だけを掘り起こし、その上に新たに社殿を建て直しました。そのため、現在の社殿の周囲が一段高くなっており、スコリアが積もった名残が目に見える形で残っています。

スコリアの上に築かれた町と生活の証拠

神社だけでなく、須走の町全体もスコリアの上に新しく作り直されたという伝承がありましたが、それが事実であることが近年の発掘によって裏付けられました。町の一角に道路を新設する際の調査で、地中から柱の跡が発見され、さらにスーパーの建設予定地からは鍋や急須などの生活道具が多数出土しました。

発見されたもの 内容
柱の跡 新設道路の事前調査で確認された構造物の痕跡
鍋・急須など スコリア層の下から出土した生活道具
死者の記録 今のところ、当時の噴火による死者や行方不明者の記録はない

こうした発見は、人々が火山の脅威とともに暮らしながら、それでもその地を愛し、再び町を築いた姿勢を物語っています。噴火の爪痕が土地に刻まれていても、人々はそこに希望をもって生活を続けてきたのです。現在の須走の町並みには、そうした歴史が静かに息づいています。

富士山登頂の思い出と、頂上でのひととき

2015年、タモリさんは富士山の登頂に挑みました。目指したのは標高3590mにある九合五勺から先、山頂です。この地点から頂上までは距離にしてわずかですが、酸素の薄さと急勾配で最も体力を要する区間でもあります。カメラに映るタモリさんは言葉少なに一歩ずつ足を進め、ついに富士山の最高地点「剣ヶ峰」へたどり着きました。剣ヶ峰の標高は3776m。まさに日本で一番高い場所です。

山頂で味わった達成感と特別なひととき

剣ヶ峰での風景は、空に近い独特の静けさと壮大な景色に包まれていました。タモリさんは、持参したカップラーメンをゆっくりと味わい、登頂の達成感をかみしめている様子が印象的でした。標高の高さゆえにお湯の温度も100度には達しませんが、それでもその一杯がとてもおいしかったと紹介されました。

浅間大社奥宮での祈りと伝統の御朱印

山頂には「富士山頂上浅間大社奥宮」があります。ここでは、登頂の無事を神様に報告し感謝を捧げる習わしが古くから続いています。番組では、白装束に身を包んだ登山者が奥宮を訪れ、御朱印を受ける様子も映し出されました。この儀式は、江戸時代の富士講の時代から続く伝統で、信仰と登山が結びついてきた歴史の一端を感じさせます。

登頂という肉体的な達成だけでなく、祈りの場としての富士山の存在も、長い時をかけて人々の心に刻まれてきたのだとわかるひとときでした。剣ヶ峰に立ったタモリさんの静かな姿は、富士山が持つ精神的な重みを映し出していたように思えます。

富士山はどうやってできたのか?誕生の謎に迫る

富士山の誕生には、日本列島のダイナミックな地殻変動が関わっています。番組の最後にタモリさんたちが訪れたのは、静岡県にある「神縄断層(かんなわだんそう)」。ここは伊豆半島が本州にぶつかった場所であり、地質学的にとても重要な地点です。

プレートの衝突が生んだ巨大火山

約200万年前、伊豆半島は現在の場所から約80kmも離れた位置にありました。これは、フィリピン海プレートの北上により伊豆半島が移動してきたためです。やがて本州に衝突し、その時にプレートの力が複雑にかかり、フィリピン海プレートが左右に裂けてしまったと考えられています。

このプレートの裂け目ができたことで、地下の深い部分に大量のマグマを蓄える空間が生まれたという仮説があります。そしてその空間にたまったマグマが何度も噴火を繰り返す中で、今のような**巨大な成層火山「富士山」**ができあがったのです。

富士山の特殊性と関東平野からの姿

富士山にはいくつかの特徴的な点があります。ひとつは、わずか10万年ほどという短期間で成長したにも関わらず、非常に大きな火山であること。もうひとつは、マグマの主成分が玄武岩質であること。この2つの特徴を説明するには、地下20kmよりも深い場所に巨大なマグマ溜まりが存在している可能性があるといわれています。

また、富士山が特別な存在として人々に愛されている理由の一つに、関東平野の広い範囲からその姿を見渡せることがあります。視界を遮る高い山が少なく、遠くからでもその美しい形がはっきりと見えるため、自然と人々の記憶や文化に残る存在になったと考えられます。

富士山は、ただの火山ではなく、日本列島が生み出した壮大な自然の芸術作品ともいえる存在です。その成り立ちを知ることで、私たちが何気なく見ている富士山に、より深い敬意と感動を覚えることができます。

放送を通して感じた富士山の魅力

今回の「ブラタモリ」は、富士山の地形や歴史に加え、人々がいかにして火山と共存してきたのかを丁寧に伝えていました。科学と歴史、そして地域の暮らしがつながっていることを再認識できる内容で、タモリさんならではの視点が随所に光っていました。

災害に備える「火山防災リュック」の実用性と購入先

しげゆき
しげゆき

ここからは、私からの提案です。富士山の噴火リスクに備えるには、日頃からの準備が大切です。特に新しいハザードマップでは、火山灰が広範囲に降り注ぐ可能性があるとされており、自宅避難中も含めた長期的な対応が求められます。そんなときに役立つのが、火山防災に対応した非常用リュックです。最近では「火山特化型」の内容を備えたセットも登場し、注目されています。

火山灰に備える基本アイテムのリスト

火山灰は見た目よりも粒子が細かく、呼吸器や目、電子機器に悪影響を及ぼします。そのため、防塵性能の高い装備が欠かせません。

アイテム 用途
N95マスク 火山灰や粉じんの吸引を防止
保護メガネ 目の粘膜を火山灰から守る
ポンチョ(防水タイプ) 衣服や肌を火山灰の付着から守る
飲料水パック 灰の混入を防いだ安全な飲料水の確保
非常食セット 保存期間が長く、調理不要
携帯浄水器 灰や不純物が混じった水でも安全に飲用可能
簡易トイレ 災害時に衛生環境を保つために必要

特にN95マスクや浄水器、ポンチョは火山特有の環境に強く対応できるものとして、多くの防災士や火山研究者も推奨しています。

注目の通販セット紹介と選び方

現在はAmazonなどの通販サイトで、こうした防災アイテムがセットになった「火山対応リュック」が購入できます。例えば、以下のような内容が揃っています。

  • 30点防災セット(防水リュック、N95マスク×5、LEDライト、救急セットなど)

  • ポケットサイズの浄水器付きリュック

  • コンパクト型でも非常食3日分と簡易トイレ入りのセット

必要なものが最初から揃っていることで、準備の手間が省けて初心者にも安心です。

火山噴火時の具体的な使用場面を想定

例えば、富士山の東麓で大きな噴火が発生し、灰が住宅地に積もった場合。外出を避け、家の中で待機するとしても、空気中には灰が舞い、電気や水が止まることもあります。そんなときに、すぐ使える場所にリュックがあれば、安全確保と最低限の生活を守る大きな助けとなります。

まとめ

富士山は美しく、心のよりどころのような存在でもありますが、一方で噴火という自然の力と向き合う必要もあります。「備えれば安心」という気持ちを持ち、ひとつリュックを用意しておくだけでも大きな安心感につながります。自宅用や車載用、家族分など複数セットを検討するのもおすすめです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました