冬の股関節痛に負けない!体をあたためて守る『3Dジグリング』とおうちストレッチ術
寒くなると、腰や股関節の痛みを感じやすくなる…そんな経験はありませんか?冬は冷えによって血のめぐりが悪くなり、股関節まわりの筋肉がこわばりやすい季節です。特に変形性股関節症を持つ人は、関節にかかる負担が増えて痛みを感じやすくなります。でも大丈夫。北里大学大学院教授・高平尚伸さんが番組で紹介した『3Dジグリング』とストレッチを組み合わせることで、痛みの軽減と再発予防が期待できるのです。この記事では、その理由と具体的なやり方を、初心者でもわかりやすく解説します。
冷えが股関節を痛めるメカニズム
人の股関節は、上半身と下半身をつなぐ要の部分。寒くなると体が冷えて血流が悪くなり、筋肉が酸欠状態になって硬くなります。股関節を支える筋肉(大殿筋・中殿筋・腸腰筋など)がこわばると、関節の動きが制限され、ちょっとした動作でも“関節そのもの”に負担が集中してしまうのです。
さらに冷えが続くと、関節を滑らかに動かすための『滑液』の循環も悪化。関節内のクッション機能が低下し、動かすたびに痛みを感じやすくなります。
高平教授は「動かすことを恐れず、股関節を“温めて動かす”ことが痛み対策の第一歩」と語っています。
『3Dジグリング』とは?立体的に股関節を動かす新感覚エクササイズ
「ジグリング」とは、もともと膝や股関節を小刻みに動かす“貧乏ゆすり”に似た運動。近年の研究で、関節内の血流を改善し、関節軟骨の代謝を促す効果があることが分かってきました。そこから発展したのが『3Dジグリング』です。
この運動では、股関節を「上下・前後・左右・回旋」の3次元方向に動かします。立体的に動かすことで、関節全体をくまなく刺激し、滑液を循環させて筋膜の拘縮をほぐします。
効果が期待できる理由
・関節の潤滑作用が高まり、軟骨への栄養補給がスムーズになる。
・筋肉や筋膜を立体的に動かすことで、筋力と柔軟性を同時に回復できる。
・安静にしすぎて硬くなった股関節を“リセット”するように整える。
医療メディアOurAgeやTarzan Webでも、関節疾患の保存療法として紹介されています。
『3Dジグリング』の基本のやり方
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足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばす。両手は股関節のつけ根に添えます。
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膝を軽く曲げ、骨盤を動かしやすい姿勢を作る。
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骨盤を意識して、右回りにゆっくり10回、次に左回りに10回。
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慣れてきたら、脚を閉じたまま回す・片足に体重をのせて動かすなど、バリエーションを加えます。
ポイント:腰ではなく股関節を中心に動かすこと。骨盤を“円を描くように”動かすイメージです。テレビを見ながらでもできる手軽さが魅力で、1日3〜5分の習慣でも十分効果があります。
冬におすすめのストレッチ&ほぐし法
3Dジグリングで関節を動かした後は、筋肉をやさしく伸ばしてあげましょう。特にお尻・太もも・内ももの筋肉を中心に行うと、冷え対策にもなります。
●大殿筋ストレッチ(お尻まわり)
椅子に座って片足の足首を反対の膝に乗せ、背筋を伸ばしたまま前へ倒します。お尻の外側に伸びを感じたらそのまま20秒キープ。反対側も同様に。リハサクや整形外科でも推奨される定番メニューです。
●内転筋ストレッチ(内もも)
床に座って両足の裏を合わせ、膝を開いて上体を前に倒します。内ももの筋肉が心地よく伸びるのを感じましょう。札幌ひざのセルクリニックでも股関節の柔軟性維持に効果的とされています。
●ハムストリングストレッチ(太もも裏)
片脚を伸ばして座り、もう一方の足を曲げて上体を前に倒します。太もも裏からお尻にかけて伸ばすことで、骨盤の動きをサポートします。
●筋膜リリース(ファシアほぐし)
テニスボールをお尻や太ももの外側に置き、体重をかけながら転がします。凝り固まった筋膜をゆるめることで、動きがスムーズになります。OurAgeではフォームローラーを使う方法も紹介されています。
ストレッチの注意点
・呼吸を止めず、無理のない範囲でゆっくり伸ばす。
・痛みが出るほど強くやらない。
・お風呂上がりなど体が温まったタイミングで行うと効果が高まります。
・1日1〜2回、数分の積み重ねで筋肉がほぐれていきます。
冷え対策と生活習慣の見直し
股関節痛を和らげるには、「冷やさない」「同じ姿勢を続けない」「動かす」の3つが基本です。
・カイロを腰やお尻まわりに貼る。
・長時間座りっぱなしを避け、1時間ごとに立ち上がる。
・就寝時はレッグウォーマーや湯たんぽを活用する。
Tarzan Webによると、1時間に一度立ち上がって軽く動くだけでも、関節への血流が回復しやすくなるといいます。
また、入浴で体を芯から温めてからストレッチやジグリングを行うと、筋肉がゆるみ、動きがスムーズになります。冷たい床に直接座る習慣も控えましょう。
痛みを感じたらどうする?
「動かすと痛い」と感じる人もいますが、それは筋肉が硬くなっているサイン。強い痛みや熱感、腫れを伴う場合は無理をせず、整形外科医に相談してください。高平教授も「安静にしすぎると筋力が落ち、かえって関節に負担がかかる」と指摘しています。運動は“痛くない範囲で、こまめに続ける”ことが大切です。
まとめ
この記事のポイントは3つです。
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冷えは股関節の血流を悪化させ、筋肉の緊張と痛みを引き起こす。
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『3Dジグリング』は股関節を立体的に動かし、血流・潤滑・柔軟性を改善する。
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ストレッチと温めを組み合わせることで、痛みの軽減と再発予防ができる。
寒い冬こそ、股関節を「動かす」「温める」「ほぐす」の3ステップで守りましょう。今日から数分のジグリングを続けることで、関節の動きが軽くなり、毎日がより快適に過ごせます。
(参考:NHK「きょうの健康」2025年10月28日放送、OurAge、Tarzan Web、CBC公式サイト、サワイ健康推進課ほか)
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