無理なく続けるコツは「生活の中で自然に」
「健康診断で血圧が高いと言われた」「最近、運動不足を感じている」──そんな方も多いのではないでしょうか。最初のうちはやる気にあふれていても、数日で挫折してしまう。気づけば「時間がない」「明日からにしよう」と先延ばしになってしまう。これが“運動を続けられない”人の典型的なパターンです。
実はその原因、意志の弱さではありません。運動を「特別な時間」として切り離して考えてしまうことが続かない理由の一つなのです。
そこで今注目されているのが、生活の中に自然に運動を組み込む方法。NHK『きょうの健康』では、10月9日に放送される「高血圧の新常識」特集で、有酸素運動と軽い筋トレを組み合わせた“複合運動”を、無理なく続けるコツを専門家が紹介します。
Eテレ【きょうの健康】「キオスク血圧」が変える!高血圧治療の新常識と家庭血圧の正しい測り方|2025年10月6日
続けるための第一歩は「ハードルを下げること」
運動を習慣にする最大のコツは、最初から完璧を目指さないことです。
例えば「毎朝30分ウォーキング」「スクワット100回」など、目標が高すぎると最初はできても続きません。人間の脳は「面倒だ」と感じる行動を避ける性質があるため、少しでも“やりたくない”と思った瞬間にストップがかかってしまうのです。
そこでおすすめなのが、今すでにある習慣に運動をくっつける方法。
たとえば…
・歯を磨いたあとに、軽くスクワットを5回
・テレビをつけたら、その場足踏みを30秒
・朝食後にイスに座ってもも上げを5回
このように「生活動作の延長」で行えば、心にも体にも負担がかからず、続けることができます。
医師の苅尾七臣さんも、「継続的な軽い運動こそが血圧を安定させるカギ」と強調しています。強い負荷の筋トレや息を止めた運動は逆効果。血圧が一時的に急上昇するため、無理なくできる“軽い負荷”を選ぶことが大切です。
「ながら運動」でストレスを感じずに動く
忙しい人にぴったりなのが“ながら運動”。これは、特別な時間を取らずに「別の動作をしながら」体を動かす習慣です。
一見すると効果がなさそうに思えますが、これが実は驚くほど効果的。少しずつでも体を動かすことで、筋肉への刺激が積み重なり、血流の改善・代謝アップ・自律神経の安定に繋がるのです。
すぐに始められる“ながら運動”の例をいくつか紹介します。
・テレビのCM中にその場足踏みやもも上げ運動
・洗い物をしながらかかと上げを10回
・電子レンジの待ち時間にスクワット5回
・エスカレーターではなく階段を1階分だけ使う
・掃除のときに大きな動作を意識して体を伸ばす
どれも、わざわざ「運動の時間」を作らなくてもできる工夫ばかりです。日常の中に少しずつ取り入れていくうちに、自然と体が動くようになり、無意識のうちに習慣になります。
メンタル面の工夫で“やる気の波”を安定させる
運動は体だけでなく“心のリズム”にも影響します。続けられる人と途中でやめてしまう人の違いは、モチベーションの保ち方にあります。
完璧を求めず、「できなかった日があってもいい」と自分を許すことがポイント。1日休んでも、翌日にまた動けばリズムは崩れません。むしろ、体を休ませることで回復が進み、次の運動の質が上がるのです。
さらに、楽しさを取り入れることも継続の秘訣。お気に入りの音楽をかけながらウォーキングする、家族と一緒に運動する、運動後に好きな飲み物を楽しむなど、自分への“ごほうび”を用意すると、習慣が定着しやすくなります。
科学的にも証明された「続ける効果」
研究では、軽い運動を毎日10〜15分程度続けるだけで、上の血圧を平均5〜8mmHg下げる効果があると報告されています。さらに、ウォーキングやスクワットを組み合わせた“複合運動”は、単独運動よりも長期的な血圧コントロールに優れるというデータもあります。
つまり、「少しずつでも続けること」が、薬に頼らない自然な血圧改善法なのです。
苅尾七臣さんは、「血圧は日々の積み重ねで変わる。週に数回の激しい運動よりも、毎日軽く動くほうが結果につながる」と話しています。
「完璧にやらなくても大丈夫」
多くの人が挫折する原因は、「今日はできなかったからもうダメだ」と思ってしまうこと。
でも、5分だけでも動いたならそれでOK。小さな成功体験の積み重ねが自信になり、続ける力になります。
たとえば「今日は足踏みだけ」「明日は腕を回すだけ」でも、1週間後には体の軽さを感じるようになります。気づけば階段の上り下りも楽に。血圧計の数字にも、少しずつ変化が現れるはずです。
放送後の追記予定
10月9日放送の『きょうの健康』では、実際に専門家が自宅でできる“有酸素運動+軽い筋トレ”を実演する予定です。放送後には、その手順やポイント、正しい姿勢などをこの記事に追記します。自宅で安全にできる運動法を知りたい方は、ぜひチェックしてください。
まとめ
この記事のポイントは3つです。
・運動は「特別な時間」にせず、生活の中で自然に続けることが大切
・“ながら運動”や“習慣にくっつける工夫”で無理なく継続できる
・完璧を求めず、「少しでも動く」ことが最大の成果になる
毎日忙しくても、1分だけならできる運動があります。その小さな1分が、未来の健康をつくる第一歩。今日から“ながら運動”を取り入れて、自分のペースで血圧ケアを始めましょう。
ソース:NHK『きょうの健康』「高血圧の新常識 最新ガイドラインから 運動は有酸素&軽い筋トレ!」(2025年10月9日放送予定)
https://www.nhk.jp/p/kyounokenkou/
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