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Eテレ【きょうの健康】「キオスク血圧」が変える!高血圧治療の新常識と家庭血圧の正しい測り方|2025年10月6日★

きょうの健康

血圧は「自分で測る」時代へ ガイドライン2025が示す“新しい常識”

「血圧は病院で測るもの」——そんな常識がいま、大きく変わろうとしています。
2025年、日本高血圧学会が発表した『高血圧管理・治療ガイドライン2025』では、医師の診察室だけでなく、自宅や町の中で自分で血圧を測ることが推奨されました。
その中心となるのが、新たなキーワード「キオスク血圧」。これは、薬局やスーパー、駅、職場などに設置された自動血圧計で、誰でも気軽に測れる仕組みです。

この動きの背景には、「自分の血圧を知ることが、健康を守る第一歩」という考え方があります。
講師を務める日本高血圧学会理事長 苅尾七臣氏も、「血圧は測らなければ分からない。数値を“見える化”することが、命を守る行動につながる」と語っています。

この記事では、キオスク血圧の仕組みと家庭血圧の重要性、さらに血圧を安定させる生活習慣の見直しまで、専門的な知識をやさしく解説します。

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どこでも測れる“キオスク血圧”とは?

キオスク血圧とは、公共施設・職場・薬局などに設置された自動血圧計を使い、医療従事者の介在なしで自分で血圧を測定することを指します。
“kiosk blood pressure measurement”という英語名が示すように、「公共の場で血圧を測る」という考え方が広がりつつあります。

スーパーの入口、会社の休憩スペース、自治体の健康コーナーなどに自動巻き付け式の血圧計を置く事例が増え、買い物や通勤の合間に立ち寄って血圧を測ることができるようになっています。
まさに「健康を日常の中に取り戻す」取り組みです。

日本高血圧学会は、こうした流れを受けて「どこでも測ろう“キオスク血圧”」というスローガンを掲げ、国民が血圧測定を生活の一部として取り入れることを奨励しています。

キオスク血圧の3つのメリット

  1. 早期発見につながるスクリーニング効果
    自分では高血圧に気づかない人が多く、放置されるケースもあります。
    キオスク血圧なら、偶然の測定から異常に気づくきっかけが生まれ、早期受診につながります。

  2. セルフモニタリング習慣の促進
    定期的に自分で測ることで、数値の変化を意識するようになります。
    「昨日より高い」「この時間は低い」などの気づきが、生活改善へのモチベーションにもなります。

  3. 家庭血圧の補助として活用できる
    自宅に血圧計がない人でも、近所の薬局や施設で気軽に測れるため、継続的な管理が可能になります。
    特に朝や仕事帰りなど、一定の時間帯に測ることで、生活のリズムと血圧の関係も見えてきます。

さらに、早朝高血圧の把握にも役立ちます。
朝の血圧上昇(モーニングサージ)は、脳卒中や心筋梗塞のリスクと関連が強いことが知られており、朝にキオスクで測ることで、心血管リスクの早期発見にもつながります。

キオスク血圧の注意点と課題

便利な一方で、注意すべき点もあります。

測定環境の影響
騒音や温度、周囲の人の視線など、外的要因が血圧を一時的に上げることがあります。
なるべく静かで落ち着いた場所を選び、1〜2分安静にしてから測ることが理想です。

測定手順のばらつき
排尿後や食後すぐなど、条件によって血圧は変動します。
測定時間・場所を記録しておくことで、医師が正確に判断しやすくなります。

機器の精度・校正
設置型の血圧計も、定期的な点検が必要です。
古い機器やカフの劣化は、測定誤差を生む原因となります。

誤解・過信のリスク
キオスクの数値だけで「高い・低い」と自己判断せず、必ず医師に相談を。
あくまで“補助的な手段”として活用することが大切です。

家庭血圧こそ“本当の数値”を映す

ガイドライン2025では、診察室血圧よりも家庭血圧が重視されています。
病院での測定は、緊張で血圧が高くなる「白衣高血圧」や、逆に普段高いのに低く出る「仮面高血圧」など、誤差が生じやすいのです。

家庭血圧は、生活環境の中で自然な状態の血圧を知ることができる点で、より実態に近いデータとなります。

【正しい家庭血圧の測り方】
・朝:起床後1時間以内、排尿後、薬や食事前に測る
・夜:就寝前(入浴・飲酒直後は避ける)
・1回につき2回測定し、その平均を使う
・背もたれに寄りかかり、足を床につけ、腕は心臓の高さに
・測定のたびに日時と数値を記録

ガイドラインでは、家庭血圧125/75mmHg未満を目標値としています。
2週間ほどのデータを医師に見せると、治療や薬の調整もより精密になります。

血圧を下げるには「生活習慣の見直し」から

薬を飲む前にできることがたくさんあります。
2025年版ガイドラインでは、「生活習慣の改善こそ最も効果的で持続的」と明記されています。

【1】減塩が最優先
日本人の平均塩分摂取量は約10g/日。目標は6g未満です。
しょうゆ・みそ・漬物・加工食品に注意し、だしや酸味・香味野菜で味を引き立てる工夫をしましょう。
「つける調味料」に変えるだけでも大幅に減塩できます。

【2】バランスの良い食事を意識
DASH食を参考に、野菜・果物・魚・豆類を積極的に取り入れます。
カリウム(バナナ・ほうれん草・アボカドなど)は塩分を体外に排出する助けになります。

【3】運動は“軽く長く続ける”
週150分の有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳など)を目安に。
軽い筋トレを組み合わせると、血流や代謝も改善します。

【4】体重管理
体重を1kg減らすと、血圧が1mmHg下がるというデータも。
BMI25未満を目標に、日々の食事と運動で調整を。

【5】飲酒と喫煙を見直す
お酒は男性で1日20〜30g、女性で10〜20g以下に抑えるのが理想。
タバコは血管を傷つけ、動脈硬化を進めるため、禁煙が最優先です。

【6】睡眠とストレス管理
睡眠不足やストレスも血圧上昇の大きな原因。
6〜7時間の良質な睡眠と、リラックスする時間を意識的に確保しましょう。

今後の注目ポイントと放送後追記予定

10月6日放送の『きょうの健康』では、日本高血圧学会理事長 苅尾七臣氏が登場し、
最新のガイドライン解説と「キオスク血圧」の実践法が詳しく紹介される予定です。
放送後には、番組で取り上げられる「測定手順」「実際の設置例」「おすすめの家庭血圧計機種」などを追記し、さらに具体的に更新します。

まとめ:血圧を知ることが、健康を守る最初の一歩

・『高血圧管理・治療ガイドライン2025』では、「血圧は自分で測る」が新常識
・“キオスク血圧”が広がり、誰でも日常的に測定できる環境が整いつつある
・家庭血圧と生活習慣の見直しで、薬に頼らない予防と管理が可能

毎日2分、自分の血圧を測るだけで、未来の健康リスクを減らすことができます。
血圧計を手に取ること、それがあなたの「命を守る最初の行動」です。


出典・参考:
日本高血圧学会(jpnsh.jp)
厚生政策情報センター
THERAPEUTIC RESEARCH Online
せらクリニック
祇園わだ内科クリニック
オムロンヘルスケア


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