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Eテレ【きょうの健康】「乳がん」早期発見から最新治療まで ラジオ波・手術・薬の最新情報を専門医が解説|2025年10月15日

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乳がん治療の最前線へ “早期発見”が未来を変える鍵

乳がんは、日本人女性が最もかかりやすいがんのひとつ。年間で約9万人以上が診断されるとされ、今や「誰にでも起こりうる病気」と言っても過言ではありません。けれども、恐れるだけではなく、「知ること」で守れる命があります。近年は治療の進歩が目覚ましく、体への負担が少ない新しい療法や、心を支える医療の形も広がってきました。2025年10月15日放送のNHK『きょうの健康』「“乳がん”早期発見から最新治療まで」では、その最前線にいる医師たちが語る最新情報が紹介されます。この記事では放送前の段階で分かっている内容をもとに、ラジオ波焼灼療法・乳房再建術・最新薬治療という3つの柱から、現代の乳がん医療の進化を解説します。

ラジオ波焼灼療法とは?体にやさしい“切らない治療”の登場

「手術をせずに乳がんを治すことができたら…」そんな願いを叶える可能性を持つのが、ラジオ波焼灼療法(RFA)です。
これは、高周波の電流をがんに流し、その熱で細胞を焼いて死滅させる方法です。がんのある部分に極細の針を刺し、60〜100℃ほどの熱を加えて処理するという仕組みで、従来のメスを使う手術に比べて体へのダメージが圧倒的に少ない
のが特徴です。
この治療が2023年に保険適用となったことで、全国の主要医療機関でも導入が進みました。
対象となるのは、腫瘍の大きさが2cm以下の早期乳がん。局所麻酔で行えるため、入院期間が短く、翌日から日常生活に戻ることも可能です。
さらに、乳房の形を保ったまま治療できるため、女性にとって心理的な負担が軽くなるという大きな利点もあります。
ただし、すべての乳がんに適用できるわけではなく、進行度や腫瘍の位置などによっては従来の手術が選択されることもあります。
医師との相談のうえで、「自分に合った治療を選ぶ時代」が始まっているのです。

手術と再建の進化 “心と体”を支える医療へ

乳がん治療の中心にあるのが手術。近年では「できるだけ乳房を残したい」という患者の声に応えるため、手術技術も格段に進化しています。
代表的なのは乳房部分切除術(温存手術)と乳房全摘出術
以前は乳房を全て摘出するのが一般的でしたが、今ではがんの範囲を正確に見極めて部分切除を行うケースが増えています。

さらに注目されているのが、手術後に乳房の形を取り戻す乳房再建術
これは自分の体の組織(腹部や背中の筋肉・皮膚など)や人工物(インプラント)を使って乳房の形を再び作る手術です。
数年前までは自費診療が主でしたが、現在は公的医療保険の対象となり、より多くの人が選択できるようになりました。
特に近年は乳房再建専門の形成外科チームを持つ病院も増え、見た目の自然さや手触りにも配慮した再建が可能になっています。

医療現場では、「乳がん治療は命を救うことだけではない。患者の“生活の質”を守る医療でもある」という考えが広がっています。
外見の回復は、患者の自己肯定感や社会復帰の支えとなり、**“心と体の両方を治す医療”**として大きな意味を持つのです。

薬の進化が変える乳がん治療の未来

乳がんの治療では、薬の進歩も大きな変化をもたらしています。
従来から使われているホルモン療法抗がん剤に加え、がんのタイプに合わせた分子標的薬免疫療法など、新しい治療薬が次々と登場しています。

たとえば、がんの増殖を抑える『ホルモン薬』は、更年期症状のコントロールと両立できるよう改良が進み、体への負担が軽減されています。
また、分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わる特定の分子を狙い撃ちにする薬で、「必要な場所だけに効かせる」ことが可能。副作用を抑えつつ、効果的にがんを抑制します。
さらに、遺伝性乳がんと診断された人に希望を与えているのが、『PARP阻害薬』です。
この薬は、遺伝子の修復に関わる酵素の働きを抑えることで、がん細胞が自ら壊れるよう導くという革新的な仕組み。BRCA1・BRCA2遺伝子に変異を持つ人に高い効果を示すとされ、国内外で注目されています。

こうした新薬の登場により、乳がん治療は「がんをただ取り除く」段階から、「その人の体質や生活に合わせて治す」時代へと進化しています。
今後は、AIによる遺伝子解析や治療効果の予測が進むことで、より個別化された“オーダーメイド医療”が一般化する見込みです。

早期発見こそ最大の“治療”

いくら治療が進歩しても、早期発見に勝るものはありません。
乳がんは早期のうちに発見できれば、90%以上が治るといわれています。そのため、定期的なマンモグラフィ検診超音波検査がとても重要です。
特に40歳以上の女性には、2年に1回の公的検診が推奨されています。

しかし、若い世代でも乳がんは増加傾向にあり、20〜30代でも発症するケースがあります。
だからこそ、セルフチェックを習慣にすることが大切です。入浴中や着替えの際に、次の3つを確認してみてください。

・乳房に“しこり”や“硬い部分”がないか
・乳首から分泌物が出ていないか
・乳房や皮膚に“くぼみ”や“引きつれ”がないか

こうした早期の異変に気づくことが、何よりも命を守る第一歩。異常を感じたらすぐに医療機関で相談を。「ちょっと気になる」から始まる早期発見が、治療の結果を大きく変えるのです。

まとめ

この記事のポイントは次の3つです。
・切らずに治療できる『ラジオ波焼灼療法』が保険適用され、早期乳がんの選択肢が拡大
・『乳房再建術』の進化で、外見・心の両面から患者を支える医療が広がっている
・『PARP阻害薬』など新薬登場により、がん治療は“個別化医療”の時代へ

乳がんは「知ること」で守れる病気です。自分の体に関心を持ち、定期検診やセルフチェックを習慣にすることが、最大の予防策となります。
そして、治療が必要になったときも、医療の進化を信じて、最適な選択をする時代が来ています。

ソース:
NHK公式サイト『きょうの健康』番組ページ(https://www.nhk.jp/p/kyounokenkou/)


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