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NHKブラタモリ】蔵王温泉▼大人気!雪国リゾート誕生の秘密&神秘の絶景「樹氷」―火山が生んだ奇跡の温泉と白洲次郎の夢|2025年11月1日

ブラタモリ
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雪国の奇跡・蔵王温泉を歩く!タモリが見た“火山と人の物語”

冬の山形といえば、真っ白な世界の中に立ちのぼる湯けむり、そして空にそびえる幻想的な樹氷。NHK総合『ブラタモリ』(2025年11月1日放送)では、タモリが訪ねたのは、東北屈指の名湯・蔵王温泉。ただの温泉街ではなく、“雪国リゾートがどう生まれたのか”を地質・気候・歴史の視点から探る旅となりました。番組の案内人は、地球化学の第一人者である山形大学・柳澤文孝名誉教授。さらに地質学の中島和夫名誉教授も登場し、100万年前から続く“地球の呼吸”を紐解いていきます。この記事では、番組で紹介された蔵王温泉の誕生、樹氷の神秘、そして白洲次郎が夢見た「東洋のサンモリッツ」構想まで、すべてのエピソードを掘り下げます。

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火山の爆発が生んだ“湯けむりの都”

旅のテーマは「雪国リゾート・蔵王温泉はどうできた?」。タモリが最初に歩いたのは、山々に囲まれた温泉街。石畳の道には湯の香りが漂い、どこか懐かしい雰囲気があります。
蔵王温泉の起源を探るカギは、約100万年前に存在した巨大火山です。当時の蔵王山は一つの大きな火口を持つ火山でしたが、あるとき水蒸気爆発によって山体が大きく崩壊。その結果、現在の温泉街がある“くぼ地”が形成されました。

崩壊の際にできたひび割れ(断層)が、後に温泉を生む重要な通り道になります。地中深くに染み込んだ地下水が、このひび割れを通って再び地表に上がる際、火山ガスに含まれる硫化水素と反応し、硫酸が生成されます。これが温泉水に混ざることで、蔵王の湯は日本でも数少ない強酸性泉となったのです。

この酸性泉は肌をきゅっと引き締め、古い角質を落とす効果があり、“美肌の湯”として古くから知られています。特に「蔵王大露天風呂」や「川原湯共同浴場」など、今も多くの観光客が訪れる人気の湯は、この火山の仕組みがつくった“地球からの贈り物”なのです。

“奇跡の芸術” 樹氷はどうやって生まれる?

蔵王といえば、もう一つの代名詞が『樹氷』。雪と氷が作り出すこの現象は、世界でもごく限られた地域でしか見られません。タモリは蔵王の樹氷高原駅からゲレンデを登り、真っ白な森の中で専門家とともにその正体を探りました。

樹氷ができる条件には、実は繊細な自然のバランスが必要です。
冬、シベリアから日本海を渡って吹く季節風が、対馬暖流の上で大量の水分を吸収します。その湿った風が朝日連峰にぶつかり、上昇気流によって雪雲を作り出します。雲の上層では「過冷却水滴」という、0℃でも凍らない小さな水の粒ができます。

この水滴が風に乗ってアオモリトドマツの枝にぶつかると、その衝撃で瞬時に凍結。さらに風が強く吹くたびに新たな水滴が付着し、少しずつ氷の層が厚くなっていきます。こうして枝が雪と氷に覆われ、“スノーモンスター”とも呼ばれる不思議な形が生まれるのです。

つまり、樹氷は気温・湿度・風向きが絶妙に揃わないとできない“奇跡の現象”。蔵王はそのすべての条件を備えた、まさに“地球のアートギャラリー”なのです。タモリも思わず見入ったというその風景は、まるで氷の彫刻が生きているようでした。

白洲次郎が見た蔵王――「東洋のサンモリッツ」を夢見て

番組の終盤、タモリは温泉街に残る一軒の山荘を訪ねます。そこに刻まれていたのは、戦後の日本を支えた男・白洲次郎の足跡でした。
白洲は吉田茂の側近としてGHQと対等に交渉した人物であり、「従順ならざる唯一の日本人」と称された伝説的な存在です。また、戦後復興を支えた東北電力の初代会長でもありました。

昭和32年、白洲は蔵王の雄大な風景を気に入り、ここに自らの山荘を建てました。その建物は今も当時のままの姿で保存され、木造の温かみと静けさに包まれています。
彼は蔵王をスイスの高級リゾート・サンモリッツのように発展させたいと考え、地域の人々とともに電力・道路整備などの基盤づくりに関わりました。つまり、現在の“スキーリゾート蔵王”の原点には、白洲次郎の構想があったのです。

自然を愛し、文化と景観を守ろうとした白洲の思いは、今も蔵王の山々に息づいています。

“火山・風・人”が織りなす蔵王の物語

『ブラタモリ』が教えてくれたのは、蔵王温泉の背後にある“地球規模のストーリー”でした。
・火山の爆発が山を壊し、温泉を生んだ。
・日本海の風が雪を運び、樹氷という自然の芸術を作った。
・そして人がその恵みを活かし、雪国リゾートという文化を築いた。

この三つが重なり合うことで、蔵王は単なる観光地ではなく、「地球と人が共に生きてきた証」となったのです。

まとめ

この記事のポイントを整理します。

・蔵王温泉は100万年前の火山崩壊が作った地形と硫酸反応が生んだ“強酸性の湯”である。
・『樹氷』はシベリアの風・対馬暖流・アオモリトドマツの三拍子が生み出す自然の芸術。
白洲次郎は蔵王を「東洋のサンモリッツ」にしようとし、その構想が今のリゾート文化の礎となった。

蔵王を訪れると、ただ湯に浸かるだけでなく、地球の営みと人の夢が融合した“物語の風景”を感じることができます。雪の中で湯けむりが立ち上るその瞬間、あなたはきっと、100万年の時を越えて続く大自然の鼓動を感じるはずです。


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