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NHK【ブラタモリ】蔵王▼山頂へ!火山が生んだ奇跡の絶景&江戸時代の大ブームとは―御山参りと刈田嶺神社に刻まれた信仰と癒しの道|2025年10月25日★

ブラタモリ

蔵王をめぐる奇跡の旅 ― 火山と信仰が生んだ“御山参り”の道

10月25日放送のブラタモリの舞台は、宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰。地形・信仰・温泉という三つの要素がひとつに溶け合った場所です。タモリさんが探るのは、江戸時代に全国から人々が訪れた“御山参り(おやままいり)”の大ブーム。その背景には、火山の恵みがもたらした絶景と、人々の祈りが重なり合った長い歴史がありました。番組では、山頂のお釜を起点に、信仰の道をたどりながら、山と人が共に生きてきた物語に迫ります。

江戸から現代まで続く“御山参り”の旅路

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蔵王の御山参りの起源は、平安時代にまでさかのぼります。修験道の行者たちが蔵王大権現を祀り、山そのものを神とみなして修行を行っていました。険しい山道を登り、祈りを捧げるその姿が後に庶民にも広がり、江戸時代には「蔵王詣で」が一大ブームに。遠刈田温泉から山頂の刈田嶺神社奥宮をめざす15キロの参道には、賽の磧(さいのせき)や三途の川など、死と再生を象徴する地名が並びます。これらは、参拝者が「生まれ変わり」を願いながら歩いた信仰の痕跡です。
明治期には神仏分離令により一時衰退しますが、平成以降になると地元住民が古道の復元に取り組み、「蔵王御山詣り」として再び息を吹き返しました。信仰登山は観光と融合し、今では地元ガイドの案内で古の参道を歩くイベントも開催されています。歩くことが祈りとなり、祈りが地域の文化を守る──その循環が蔵王には今も生き続けています。

火山が生んだ“お釜”の絶景

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蔵王の象徴といえば、山頂に広がる火口湖『お釜』。直径約300メートル、深さ25メートルの円形の湖で、噴火によってできた爆裂火口に雨水がたまって生まれました。湖水はpH約3.5の強酸性で、生き物がほとんど棲めない神秘的な環境。太陽の角度や天候によって色を変え、「五色沼」の名の通り、エメラルドグリーンやコバルトブルー、深い緑へと刻一刻と表情を変えます。
火口壁に囲まれたその姿はまるで自然の聖杯。晴天時には湖面に雲が映り、風が止まると鏡のような静寂が訪れます。一方で、霧が立ちこめると一瞬で白いベールに包まれ、姿を消す──まさに「生きている火山の息づかい」を感じる場所です。タモリさんがどんな言葉でこの自然の造形を語るのか、放送で注目したいところです。

火山と人がつくる“歩きやすい参道”

蔵王の参道を歩くと、驚くほど足取りが軽く感じられます。これは偶然ではなく、火山の地形が人の歩みに寄り添っているからです。噴火の際に流れ出た溶岩流が固まり、緩やかな傾斜を形づくったことで、自然と安定した地盤が生まれました。さらに、火山灰や軽石の層がクッションのように足を支え、登山道として理想的な柔らかさを生み出しています。
江戸期の修験者や庶民は、こうした自然の“地形の流れ”を読み取りながら、無理のないルートを選びました。道端には石碑や祈願の札が並び、地形の節目には「不帰の滝」などの地名が付けられ、信仰と地形が一体化した“祈りの道”となりました。現代の復元ルートを歩くと、かつての登拝者たちが自然と対話しながら造り上げた道の知恵が体感できます。

山頂の神社と信仰の痕跡

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山頂の刈田嶺神社奥宮は、蔵王信仰の中心。社殿は強風と雪に耐え、時には噴火の影響を受けながらも何度も再建されてきました。祭神は天之水分神(あめのみくまりのかみ)と国之水分神(くにのみくまりのかみ)。水を司る神として、火山の活動や降雨、雪解けを鎮める意味が込められています。
明治以降、信仰の形は変わりましたが、社の周囲には今も江戸時代の参拝者が奉納した石碑が点在。文字は風化していますが、その一文字一文字に、旅人の祈りが刻まれています。冬季にはご神体を麓の里宮(遠刈田温泉の刈田嶺神社)に遷す「下り宮」の風習も続き、山と里が一体となって信仰を守り続けています。

旅の終わりに待つ、極上の癒し

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下山のあとは、旅人を包み込むように湯けむりが迎えます。約1900年の歴史を誇る蔵王温泉は、蔵王火山の地熱が生んだ名湯。開湯伝説には日本武尊が登場し、古代から「湯の山信仰」の場として人々を癒してきました。
泉質は強酸性硫黄泉(pH1.6前後)。強い殺菌力と美肌効果で知られ、「美人づくりの湯」として全国に名を広めています。温泉街には、共同浴場「上湯」「下湯」「川原湯」、そして渓流沿いの「蔵王温泉大露天風呂」など、多彩な湯が点在。白濁した湯が肌を包み込み、硫黄の香りが身体をほどいていく――まさに“歩く旅の終着点にあるご褒美”です。
夜になると、湯けむりに灯がともり、老舗旅館の木造建築が幻想的に浮かび上がります。江戸時代の参拝者も、今の旅行者も、きっと同じようにこの湯で疲れを癒したことでしょう。

まとめ

・蔵王の御山参りは、修験道から庶民信仰へと発展した“歩く祈りの文化”
・『お釜』は火山活動が生んだ奇跡の造形で、季節と光で色を変える神秘の湖
・参道や神社には、火山と人の共生が刻まれた“信仰の地層”が残る
・蔵王温泉は、火山がもたらした恵みと人の癒しが交わる場所

火山がつくり、人が祈り、湯が癒す――蔵王の物語は、自然と文化の融合そのものです。放送後には、タモリさんの目線で描かれる蔵王の“奇跡の絶景”と“信仰の道”を追記予定です。

出典:蔵王町観光物産協会/蔵王古道の会/やまがた会議/JR View Travel/5star-ryokan.com/日本温泉協会


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