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NHK【チコちゃんに叱られる!】虫の鳴き声は“自然のオーケストラ”だった!アルファ波で癒やされる秋の科学|2025年10月24日

チコちゃんに叱られる!
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秋の夜に心が落ち着く理由は?虫の鳴き声が“自然のオーケストラ”だから!

秋の夜、ふと窓を開けると聞こえてくるスズムシやコオロギの声。忙しい一日の終わりに、その音を聞くと「なんだかホッとする」「落ち着くなあ」と感じた経験はありませんか?でも、どうして私たちは虫の鳴き声を心地よいと感じるのでしょうか。単なる“鳴き声”なのに、まるで音楽のように響いてくるのはなぜなのか――。
2025年10月24日放送の『チコちゃんに叱られる!』では、この不思議な現象の理由が科学的に明かされました。この記事では、番組内で紹介された専門家の解説をもとに、「虫の声が人の心に響く理由」をたっぷり掘り下げて紹介します。

虫の鳴き声が心地よいのは“オーケストラ”だから

番組の冒頭、チコちゃんが出した質問は「虫の鳴き声が心地よく聞こえるのはなぜ?」というもの。ゲストの若村麻由美さんは「私が幸せだから」とユーモアたっぷりに答えてチコちゃんに叱られ、会場は笑いに包まれました。続いて屋敷裕政(ニューヨーク)さんが正解、「オーケストラになっているから」と回答しました。

この謎を科学的に解き明かしてくれたのは、千葉工業大学の関研一教授。関教授によると、秋の夜に鳴く虫たち――スズムシ、コオロギ、アオマツムシ、カンタン、キンヒバリなどの鳴き声は、それぞれ異なる周波数で響いているのだそうです。つまり、虫たちは自分の声が他の虫と重ならないよう、長い進化の中で自然と“譲り合うように鳴く”能力を身につけてきたのです。

スズムシが高く澄んだ「リーンリーン」という音を奏で、コオロギが「コロコロコロ」と低めのリズムを刻み、アオマツムシがシャカシャカと響かせる――。それぞれの虫の声はまるで異なる楽器の音色。お互いを邪魔せず、重なりすぎず、絶妙なバランスで響き合う。それが、自然の中に生まれた“音の調和”、まさにオーケストラそのものなのです。

人間の脳が“音の調和”に反応している

虫の鳴き声を聞いて「癒やされる」「落ち着く」と感じるのは、私たちの感情だけの問題ではありません。実は、脳の働きにもその理由があるのです。関教授の研究によると、虫の鳴き声を聞いているとき、人の脳では「アルファ波」というリラックス状態の脳波が増えることがわかっています。

アルファ波とは、瞑想をしているときや、森の中で深呼吸をしたときなど、心が安定しているときに出る脳波。つまり、虫の声は人間にとって“自然の音楽療法”のようなもの。音楽で癒やされるように、虫の声を聞くことでストレスがやわらぎ、穏やかな気持ちになるのです。

また、虫の鳴き声は高音から低音までバランスよく構成されており、人の耳が快適に感じる周波数帯に集中しているとも言われています。特に秋の夜は空気が乾いて音がよく通るため、虫の声が一層澄んで響き、心に届きやすくなります。私たちが「秋の虫の音はきれいだな」と感じるのは、自然環境と脳の反応が見事に調和しているからなのです。

日本人が虫の音を“音楽”として感じる理由

ここで興味深いのは、虫の鳴き声を“音楽”として受け取る感覚が、実は日本特有の文化だということです。
欧米では、虫の音を“ノイズ”として扱う傾向があり、英語で虫の鳴き声を「chirping(チーチー鳴く)」と表現するものの、自然の音楽として鑑賞する文化はほとんどありません。

一方、日本では古くから虫の声を「聴く」文化が根づいています。平安時代の貴族たちは、虫を籠に入れてその音を愛でる“虫聴き”を楽しんでいました。徒然草枕草子にも、虫の声を季節の風物詩として詠む記述が残っています。つまり、日本人の美意識の中では、虫の鳴き声は自然と人の心をつなぐ“音の芸術”として存在してきたのです。

さらに、虫の声には“間”や“余韻”があります。この静寂を大切にする感性こそ、茶道や俳句、庭園などの日本文化に通じるもの。虫の声を聞いて心が落ち着くのは、自然の音に「静けさの美」を感じるDNAが、私たちの中に受け継がれているからとも言えるでしょう。

秋の夜に広がる“自然の交響楽”

秋の夜、よく耳を澄ませると、同じ虫でも鳴き方に個性があります。たとえばスズムシの声は金属音のように透き通り、カネタタキはテンポの速いリズムで鳴きます。クツワムシは「ガチャガチャ」と大きな音を響かせるまさに打楽器のような存在。それぞれの虫が持つ“音の個性”が重なり合い、一つの壮大なハーモニーを生み出しているのです。

国立環境研究所千葉県の自然観察施設などでも、虫の鳴き声を録音して分析する試みが行われており、地域によって“虫のオーケストラ”の構成が異なることも分かってきています。山間部ではコオロギの低音が強く、都市部ではスズムシやアオマツムシの高音が優勢。まるで土地ごとに“自然の音楽”が違うのです。

自然と共に生きる感性を取り戻す

私たちは、都会の騒音やデジタル音に囲まれて生活するうちに、自然の音に耳を傾ける機会を少なくしています。しかし、虫の声に耳をすませば、人工的な音では得られない“安心感”を感じることができます。それは、自然と共に生きてきた人間の原点を思い出させてくれる音。
チコちゃんが投げかけた「虫の鳴き声が心地よいのはなぜ?」という問いは、単なる雑学ではなく、私たちが“自然とどんな関係を築いてきたのか”を考えさせる深いテーマでもありました。

この記事のまとめ

この記事のポイントは以下の3つです。
・虫の鳴き声はそれぞれの周波数が異なり、互いに干渉しない“自然のオーケストラ”になっている。
・虫の声を聞くと人間の脳にアルファ波が出て、リラックス効果が生まれる。
・日本人は古くから虫の音を“芸術”として愛し、自然との調和を感じる文化を育んできた。

秋の夜、外から聞こえてくる虫の声に少し耳をすませてみてください。スズムシの高音、コオロギのリズム、アオマツムシの透明な響き――それらが織りなす音の世界は、まさに“自然が奏でる交響曲”。静かな夜にしか聴けない、地球からのやさしい贈り物です。


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