相撲の化粧まわしってなに?力士を彩る“もうひとつの主役”
「相撲の“化粧まわし”って、ただの飾りじゃないの?」――そう思っている人も多いかもしれません。実はあの豪華な布には、相撲の歴史・伝統・そして力士たちの誇りが詰まっています。10月17日放送の『チコちゃんに叱られる!』では、そんな“化粧まわしの秘密”に迫ります。今回は放送に先がけて、化粧まわしの起源や意味を専門的にわかりやすく紹介します。(放送後には番組内で登場した力士やエピソードを追記予定です)
化粧まわしとは?その役割と魅力
化粧まわしは、十両以上の関取(せきとり)が土俵入りのときに身につける、豪華な“前垂れ付きのまわし”です。これは試合で使う「締め込み」とはまったく異なり、儀式専用の衣装です。力士が実際に取り組むときには使わず、観客に美しさと格式を見せるためのもの。まさに、相撲の“見せ場”を飾る舞台衣装なのです。
化粧まわしには、力士の出身地・応援団・スポンサーなどを象徴するデザインが施されます。龍や虎、波、富士山などの図柄には、それぞれ「強さ」「勇気」「栄光」といった意味が込められており、力士の個性や信念を表すシンボルでもあります。
化粧まわしの歴史と変化
もともと化粧まわしは、普通のまわしに刺繍を加えたものが始まりとされています。江戸時代の中期、元禄期から貞享期にかけて、色付きの絹地に模様を織り込んだまわしが登場。観客が増えたことで、土俵入りの華やかさが求められるようになり、化粧まわしは「見せる文化」として進化していきました。
当時は試合でも使われていましたが、刺繍が指に引っかかるなどの理由から、次第に儀式用に分けられ、今のような形に定着します。天明年間(1780年代)には、現在の化粧まわしに近い形が完成していたといわれています。200年以上続くこの伝統は、まさに日本の美意識そのものを映しています。
化粧まわしのつくりと素材
化粧まわしはただの布ではありません。その構造は驚くほど緻密で、まるで芸術作品のようです。
・長さは約6〜7メートル、幅は約68センチ前後
・生地は博多織・西陣織・綴れ織(つづれおり)などの高級織物
・前垂れには金糸・銀糸の刺繍や絵柄が入り、房飾り(ふさ)も付く
・重さは約10kgにもなり、横綱用の「三つ揃い(本人・太刀持ち・露払い)」は数百万円することも
このような装飾は、京都や博多の織物職人によって手作業で仕立てられています。図案には後援会やスポンサー企業のロゴが入ることもあり、一枚一枚に力士を支える人々の思いがこめられているのです。
化粧まわしが持つ意味と象徴性
化粧まわしは単なる装飾ではなく、力士の“格”と“誇り”を象徴するもの。それには4つの大きな意味があります。
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見せ場としての美しさ
土俵入りの際、力士たちが化粧まわしをそろえて立つ姿は壮観です。光沢と色彩のコントラストが、相撲という武道に華やかさを添えます。 -
スポンサーや応援団の絆
多くの化粧まわしは、後援会や地元企業からの贈り物です。「ふるさとを背負って土俵に立つ」という想いを視覚的に表現しています。 -
伝統と格式の継承
化粧まわしは、神事としての相撲文化を象徴する“祭服”。古来より、神前で力を奉納する儀式の衣として受け継がれてきました。 -
力士の個性表現
図案には、力士の出身地や信念が込められています。たとえば富士山は「不動の強さ」、鶴は「長寿と名誉」、龍は「勝負運の象徴」。まわしを見るだけで、その力士の物語が感じられます。
今も進化を続ける化粧まわし
近年は、デザインの多様化も進んでいます。白鵬の金地に鳳凰が舞うデザインや、貴景勝のブランド「ジェラートピケ」とコラボした化粧まわしなど、伝統と現代文化が融合。海外ファンの注目も高まり、相撲の新たな魅力としてSNSでも話題を呼んでいます。
まとめ
・化粧まわしは、関取が土俵入りで身につける儀式用のまわし。
・江戸時代に誕生し、今では力士の象徴でありスポンサーとの絆を示す重要な衣装。
・豪華な織物や刺繍による伝統美と、現代の個性が融合した“動く芸術品”。
・番組放送後には、登場する力士の化粧まわしデザインやエピソードを追記予定。
華やかな化粧まわしは、力士だけでなく日本文化の誇りを映す存在。『チコちゃんに叱られる!』では、そんな知られざる相撲の世界を楽しく学べそうです。
【放送情報】
番組名:『チコちゃんに叱られる!』
放送日:2025年10月17日(金)19:57〜20:42
出演:岡村隆史、片桐はいり、花村想太、塚原愛
声:木村祐一
ソース:NHK番組表(https://www.nhk.jp/p/chicochan/)
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