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NHK【チコちゃんに叱られる】時計の針はなぜ右回り?南半球なら逆だった!? 太陽と影が決めた“時の常識”の謎|2025年10月10日★

チコちゃんに叱られる!

時計の針が右回りなのはなぜ?太陽が決めた“時間の常識”の秘密

毎日見ている時計。でもふと立ち止まってみると、「どうして時計の針は右回りなんだろう?」と不思議に感じたことはありませんか?
左に回っても問題ないはずなのに、世界中の時計が右回り。実はこれ、人類が太陽とともに過ごしてきた歴史の積み重ねによるものなんです。

2025年10月10日放送予定の『チコちゃんに叱られる!』では、この“時計の針が右回りな理由”が特集される予定。この記事では、放送前にその背景や文化的な意味を専門家の視点からわかりやすく紹介します。


太陽の影が作った「右回り」というルール

最も有力な説は、日時計(サンダイアル/sundial)の影の動きに由来するというものです。
時計が発明される以前、人々は空を見上げ、太陽の位置と影の動きで時間を知っていました。

北半球では、太陽が東から昇り、南を通り、西に沈みます。これに合わせて、日時計の影は左から右へゆっくりと動くのです。
古代ローマやギリシャでも、すでに日時計が使われており、影の動きを「時間の流れ」として捉える文化が生まれていました。

やがて中世ヨーロッパで機械式時計が誕生すると、設計者たちは「人々が慣れ親しんだ太陽の動き」に合わせる形で針を右方向に回す仕組みを採用。
つまり、“右回り”は太陽と影が教えてくれた人類共通のリズムなのです。


北半球の発明が「世界の標準」に

時計が右回りになった背景には、地理的な事情もあります。
最初に機械式時計を作ったのは、13世紀ごろのヨーロッパ(北半球)の職人たち。北半球では、太陽の軌道に対して影が右方向へ動くのが一般的でした。

もし時計の技術が南半球で発展していたら、話はまったく違っていたかもしれません。
南半球では太陽が北の空を通るため、日時計の影は左回り(反時計回り)になります。
つまり、もし中世の発明家がオーストラリアやアルゼンチンにいたなら、私たちの時計は左回りになっていた可能性が高いのです。

時間の感覚という“世界共通の当たり前”は、じつは地球の片側で発明された文化によって決まった──。そう考えると、今見ている時計の針も、ちょっと特別な意味を帯びて見えてきます。


“慣習”が科学を超えて定着した

いったん右回りが定着すると、人々はその方向を「時間が進む方向」として認識しはじめました。
新しく作られる時計も、教育でも、右回りが当然のように使われ続け、やがてそれが「常識」になったのです。

言語でもこの影響は見られます。
英語の“clockwise(時計回り)”という言葉は、時計が登場してから生まれた比較的新しい単語。
それ以前のヨーロッパでは、“sunwise(太陽の進む方向に)”という表現が使われており、まさに太陽が時間の基準になっていたことを物語っています。

また、「右方向」には文化的な好ましさの意味もあります。
古代から多くの文化では、右=正しい方向、左=逆や不吉とされる傾向がありました。
そのため、“右に進む時計”は「正しく時間が進む」「自然の理にかなっている」と受け入れられやすかったのです。


実は「反時計回り説」も存在する

一方で、「日時計の影は必ずしも右回りではない」という指摘もあります。
日時計の種類によっては、影が左方向(反時計回り)に動く場合もあり、これを根拠に「影の動きだけで説明するのは不十分」という意見もあるのです。

たとえば、垂直に立てた棒(ノモン)を使うタイプの日時計では、地域や季節によって影の方向が逆転します。
また、南半球で同じ構造を使えば、当然ながら影の動きは反対になります。

このことから、一部の歴史研究者は「日時計の影説は結果論にすぎず、実際には設計上の偶然や文化的統一の影響が大きい」とも指摘しています。
しかし、いずれにせよ“太陽と影”が時間の基準だったことは確かであり、科学的というより文化的な選択だったことがうかがえます。


“右回り”が持つ文化的意味

興味深いのは、“右回り”という動きが多くの文化において「自然」「前向き」「調和」を象徴していることです。
たとえば、日本でも「右回り(右まわし)」は縁起が良い方向とされ、神社の参拝や茶道の作法、相撲の回しなど、生活の中にも深く根づいています。
時計の右回りも、こうした「右=正しい」「右=順行」という意識が受け入れられやすかった背景があると考えられます。

また、20世紀以降になると、右回りが視覚的にも「進む」「未来へ向かう」方向として定着。
カレンダーやグラフ、アニメーションなど、多くのデザイン要素でも右方向が“順行”とされています。
こうした文化的積み重ねが、「時計の針=右回り」という概念をさらに強固なものにしていったのです。


チコちゃんが教えてくれる“当たり前の裏側”

『チコちゃんに叱られる!』(2025年10月11日放送予定)では、チコちゃんがこの「時計の針の右回りの謎」をユーモアたっぷりに解説します。
スタジオでは、実際に日時計の模型を使って影の動きを再現し、南半球との違いをわかりやすく紹介する予定。
さらに、もし「左回りの時計が主流だったら、どんな世界になっていたか?」というユニークな仮説トークも繰り広げられるようです。

ゲストの澤部佑さん渋谷凪咲さんが「左回り時計」を想像して驚く場面も見どころのひとつ。
放送後には、番組での実験内容やチコちゃんの“名セリフ”も追記予定です。


記事のまとめ

・時計の針が右回りなのは、北半球で見える太陽の動き(影の右移動)がもとになっている
・機械式時計は北半球(ヨーロッパ)で発明されたため、右回りが世界の標準になった
・「右」は古くから“順行”や“正しさ”を象徴する文化的意味をもつ
・もし南半球で時計が発明されていたら、世界の時計は左回りだった可能性もある


まとめの一言

時計の針が右回りなのは、単なる設計の偶然ではありません。
それは、人類が何世紀にもわたり「太陽と影」を見つめてきた証。
右回りの時計は、太陽と人間の関係が生んだ“文化の記録”なのです。

次回の『チコちゃんに叱られる!』では、こうした日常の「当たり前」に隠れた壮大な物語が紹介されます。
放送後には、番組で取り上げられる“左回りの世界”の実験やトリビアも追記予定です。


ソース・参考リンク
・India Today「Why do clocks move clockwise?」
・IFLScience「The Reason Clock Hands Go Clockwise」
・CHARLIE Paris「Sens des aiguilles d’une montre」
・Hodinkee「Why Do Clocks Run Clockwise?」
・English Stack Exchange「What did we say before ‘clockwise’?」
・Medium「Time does not run clockwise」


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