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NHK【チコちゃんに叱られる!】なぜ夢は「寝る夢」と「将来の夢」両方を表すのか?世界を変えた言葉の歴史|2025年6月20日

チコちゃんに叱られる!

なぜ寝るときに見る夢と将来の夢は同じ「夢」なの?時代の変化が言葉に影響を与えた理由とは

2025年6月20日放送のNHK総合『チコちゃんに叱られる!』では、「なぜ寝るときに見る夢と将来の夢は同じ『夢』なのか?」という、日常の中でふと疑問に思うテーマが取り上げられました。寝ているときに見る「夢」と、自分の未来に思い描く「夢」。この2つの意味がどうして同じ言葉で表現されるのか、私たちがふだん意識しない言葉の背景には、長い歴史と社会の変化が関係していることが明かされました。番組では古代から近代までの「夢」の変遷を専門家がわかりやすく解説し、今の私たちが当たり前に使っている言葉がどのように変化してきたのかが紹介されました。

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「夢」が2つの意味を持つようになった理由は階級社会の終わり

今回の問いに対する答えは、「階級社会が終わって未来を選べる時代になったから」でした。かつては、自分の将来を自由に選ぶことができない時代が長く続いていました。たとえば江戸時代には、生まれた家柄や身分によって、将来の道がほとんど決まっていたため、「自分は将来こうなりたい」と夢を見ること自体が難しかったのです。

しかし、明治時代になると日本では身分制度が廃止され、社会の仕組みが大きく変わりました。交通が整備され、教育の機会が広がり、人々は生まれた家や土地に縛られずに職業を選ぶことができるようになっていきます。このような時代の流れの中で、「夢」という言葉が未来への希望や目標を意味するようになっていったのです。

奈良時代から存在した「夢」の意味

番組では、「夢」という言葉がどのように使われてきたのかをさかのぼって解説していました。まず紹介されたのが奈良時代。当時は『万葉集』などの文献の中に「夢」という言葉がすでに登場しており、その意味は現在と同じく「寝ているときに見る不思議な光景」を表すものでした。

当時の人々にとって、夢は神や仏からのメッセージとして大切に考えられていました。寝ているときに見た夢の中に、自分の運命や未来が示されていると信じていたのです。つまり、「夢=神秘的な予兆」という感覚が、長く続いていたということです。

江戸時代には将来への夢という考えがなかった

その後の時代、江戸時代には「夢」は引き続き「睡眠中に見るもの」という意味で使われていましたが、「将来の夢」というような意味ではあまり使われていませんでした。理由は、当時の日本が身分制度によってがっちりと構成されていたからです。

武士、農民、町人、商人など、それぞれの階級には守るべき立場と役割があり、人生は基本的にその枠の中で決まっていました。生まれた時点で、将来の姿はほとんど予想できてしまうため、あえて希望や目標としての「夢」を語る文化が育ちにくかったのです。夢を持つこと自体が現実離れした話として扱われていたとも言えます。

明治時代以降に広まった「将来の夢」

転機が訪れたのは、明治時代です。新政府によって四民平等が定められ、武士や農民といった階級の違いがなくなりました。このとき初めて、人々は「自分の力で未来をつくる」という考えを持ち始めました。鉄道の整備、教育制度の導入、情報の流通などによって、人々の暮らしは大きく変わっていきました。

この変化とともに、「夢」という言葉もまた新しい意味を持つようになります。これまで「眠るときに見るもの」だった夢が、「未来に実現したい希望」や「目標」として使われるようになったのです。専門家によると、この時代の文豪・国木田独歩の代表作『忘れえぬ人々』にも、そのような夢の描写があることが紹介されていました。文学の中でも、夢は人の意志や希望を表現する言葉として生まれ変わっていったのです。

夢という言葉に込められた二重の意味

このように、現在私たちが使っている「夢」という言葉は、過去からの文化的な意味を残しながら、時代の変化とともにもう一つの意味を獲得しました。今では、寝ているときに見る夢も、自分の将来に向けて思い描く夢も、どちらも当たり前のように「夢」と呼んでいますが、それぞれがまったく異なる歴史を背景に持っているのです。

番組では、「言葉は時代とともに変わる」ことの面白さと、それが日常の中にどのように根づいているかを改めて伝えてくれました。寝るときに見る夢も、未来への希望も、どちらも人の心に浮かぶイメージであり、それが同じ言葉として使われるようになったのは、社会の自由度が高まったからこそだと感じさせられました。

おわりに

今回の『チコちゃんに叱られる!』では、身近で当たり前に使っている「夢」という言葉に、実は深い歴史と社会的な背景があることが紹介されました。寝ているときに見る不思議な光景と、自分の将来への希望。この2つの異なる意味が、長い時代の流れの中で交わり、今の私たちの言葉として定着していることはとても興味深いことです。未来を描ける時代だからこそ、「夢」が希望を込めた言葉として生き続けているのだと感じられる放送でした。

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