総合診療医ドクターG NEXT「かぜが治らない」
2025年8月26日(火)22:00から放送予定の「総合診療医ドクターG NEXT(4)かぜが治らない」は、風邪の症状がなかなか治まらない患者をテーマにした回です。風邪は誰もが経験する身近な病気ですが、長引く場合には重大な病気が隠れていることもあります。本記事では、放送前にわかっている情報を整理し、長引く風邪のリスクや原因を分かりやすく紹介します。放送後には番組で明らかになった症例の詳細や診断の過程を追記し、より内容を充実させる予定です。
なぜ長引く風邪は問題なのか
通常の風邪であれば、1週間から長くても3週間程度で自然に治るのが一般的です。しかし、2週間以上続く場合には単なる風邪ではない可能性があります。長引く症状には次のような問題が潜んでいます。
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合併症のリスク
副鼻腔炎や気管支炎、肺炎などへ進行する可能性があります。特に高齢者や持病がある人は注意が必要です。 -
後遺症の可能性
「ロングコールド」と呼ばれる感染後の長期的な症状に移行する場合があります。咳や倦怠感が数週間から数か月続き、生活の質を大きく下げてしまいます。 -
免疫力や生活への悪影響
睡眠不足、体力消耗、食欲不振などが重なると、さらに免疫が落ち、次の感染症にもかかりやすくなります。 -
重大な病気の見逃し
咳や喉の違和感が長引く裏には、肺がん・心不全・間質性肺炎・結核など深刻な病気が隠れている場合もあります。 -
薬の乱用による弊害
「ただの風邪」と思って市販薬を長く飲み続けると、症状を隠すだけで原因が分からなくなり、抗菌薬の不必要な使用は耐性菌のリスクも高めます。
咳の種類と分類
医療現場では、咳は持続する期間によって分類されます。
分類 | 持続期間 | 主な原因 |
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急性咳嗽 | 3週間未満 | 風邪、インフルエンザ、急性気管支炎 |
遷延性咳嗽 | 3〜8週間未満 | 咳喘息、逆流性食道炎、感染後咳嗽、肺結核など |
慢性咳嗽 | 8週間以上 | 咳喘息、後鼻漏、GERD、COPDなど |
番組の患者女性は2か月近く症状が続いているため、遷延性〜慢性咳嗽の範囲に入ります。この時点で、風邪以外の病気を真剣に考える必要があるのです。
よくある原因と特徴
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感染後咳嗽:風邪の炎症が治っても、気道の粘膜が過敏になり咳が残る。数週間続くことが多い。
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後鼻漏(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎):鼻水が喉に落ち、刺激で咳が出る。特に朝や日中に目立つ。
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咳喘息:ゼーゼー音はなく乾いた咳だけが続く。喘息の前段階としても注目される。
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逆流性食道炎(GERD):胃酸が逆流して喉を刺激し、咳や声のかすれを引き起こす。
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COPD(慢性閉塞性肺疾患):喫煙歴がある人に多く、咳や痰、息切れが長期にわたって続く。
このほか、好酸球性気管支炎や気管支拡張症、さらには肺がんなど、稀だけれど見逃せない病気も存在します。
放置するとどうなるのか
咳を「そのうち治る」と軽視すると、症状が悪化して生活の質が下がるだけでなく、重大な病気の発見が遅れる恐れがあります。例えば咳喘息は放置すると本格的な喘息に移行することもあり、COPDは進行すると在宅酸素療法が必要になる場合もあります。日常生活や仕事への影響は大きく、精神的なストレスも増大します。
どう対処すべきか
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2週間以上咳が続いたら:早めに呼吸器内科を受診しましょう。
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血痰・息切れ・胸の痛みがある場合は緊急性が高く、至急の受診が必要です。
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市販薬を漫然と使い続けないこと:原因が隠れてしまい、診断が遅れるリスクがあります。
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検査の例:胸部X線、呼吸機能検査、胃カメラ、耳鼻科での副鼻腔チェックなど。
番組の見どころ
今回のケースでは、居酒屋を営む55歳の女性が主人公。仕事や生活習慣、ストレスなどが病状にどう影響しているのかもポイントです。番組は再現ドラマ形式で症状を追いながら、MCの藤井隆さん、ゲストの菊池桃子さん、そして若手研修医3名が診断を議論します。総合診療医の和足孝之医師の指導のもとで、研修医たちがどんな視点から病気を絞り込んでいくのかも注目です。
まとめ
風邪は誰にでも起こるありふれた病気ですが、「長引く」というサインは体からの重要なメッセージです。今回の「ドクターG NEXT」では、その裏に潜む病気を明らかにする診断の過程が描かれます。咳が長く続く人にとっては、自分の症状を見直すきっかけにもなるでしょう。
この記事は放送前の情報に基づいてまとめています。放送後には、番組で明らかになった病名や診断のプロセス、医師のコメントを追記して、より具体的で役立つ内容に更新します。
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