ご当地回転ずしと固定電話のいまを考える
2025年9月17日放送のあさイチでは「ご当地回転ずし」が大きな特集として紹介されました。愛知県の店では藁焼きショーや競りイベントが行われ、皿の下にタイの絵があれば無料になる仕掛けまであり、まるでアミューズメントパークのよう。熊本県天草市では、船に見立てた皿に寿司が乗って流れるユニークなレーンが登場。先代の苦肉の策から始まったという背景も印象的でした。さらに視聴者からは「高知では『のれそれ』の軍艦巻きが人気」という声も寄せられ、地域ごとの個性が光ります。
回転寿司日本一を競う職人たち
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東京・新宿で開催された全日本回転寿司MVP選手権は、全国から選ばれた寿司職人たちが一堂に会し、寿司を握るスピードと美しさを競い合う大会です。会場には寿司ファンや関係者が集まり、職人たちの真剣な姿に大きな注目が集まりました。
この大会に兵庫県から初出場したのが若手職人の高橋いつきさんです。彼は師匠である浅野康介さんのもとで日々修行を積み、繊細な技術と素早さを身につけてきました。初めての挑戦ながら落ち着いた手さばきを披露し、見事第4位に入賞。浅野さんは「満点の出来だった」と高く評価し、会場でも温かい拍手が送られました。
この大会を企画したのは、回転寿司評論家の米川伸生さんです。米川さんによると、この大会で優勝すると地元メディアから大きく取り上げられ、その店の知名度や売り上げが一気に伸びるといいます。職人たちにとっては腕を磨くだけでなく、自分の店や地域を広める大きなチャンスにもなっているのです。
また、外国人の部ではベトナム出身のハンさんが優勝しました。ハンさんは真剣なまなざしで寿司を握り、見事な手際で観客を驚かせました。彼は「いつか地元ベトナムで寿司店を開くのが夢」と語り、会場を大いに沸かせました。日本の寿司文化が国境を越えて広がっていることを象徴する場面でした。
さらに注目を集めたのが、師匠の浅野康介さんが考案したユニークなキャッチフレーズです。例えばサーモンには「早起きはサーモンの徳!」と名付けられており、思わず笑ってしまうような表現で寿司を身近に感じさせてくれます。こうした遊び心もまた、回転寿司の魅力のひとつとして伝わりました。
寿司皿とレーンに隠された工夫
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石川県は日本の回転寿司文化を陰で支える大きな役割を担っています。寿司皿の生産量では国内シェア約7割を誇り、まさに「寿司皿の一大産地」といえる存在です。工場では一枚ずつ丁寧に仕上げられ、柄をつける際も1回に1色しか塗れないため、4色の皿なら4回も工程を繰り返す必要があります。その職人技が、美しい寿司皿を生み出しているのです。
近年とくに注目されているのが『ワンハンド寿司』対応の皿です。皿の上に海苔を敷き、その上にしゃりと具材を重ねることで、手軽に片手で持ちながら食べられるスタイルが可能になりました。この食べ方は特にアメリカで人気を集め、現地の人々にとっては「寿司をカジュアルに楽しむ新しいスタイル」として広まっています。
皿のデザインにも細やかな工夫があります。表面に施された渦巻き状の段差は、接地面を少なくし、しゃりがくっつかずに取りやすくするための工夫です。見た目の美しさだけでなく、実際の食べやすさにもつながっているのです。
さらに、寿司を運ぶレーンの分野でも石川県のメーカーは圧倒的で、全国シェアは約7割。最新型のレーンには「吸着付きでお茶が出せる機能」が搭載されており、単なる回転装置にとどまらず、利便性やサービスの幅を広げています。
このように、石川県の技術とものづくり精神が、寿司文化を支え、日本各地の回転寿司店を陰で支えているのです。
ご当地限定のチェーンメニュー
全国に500店舗以上を展開する大手回転寿司チェーンでも、その土地ならではの特色が色濃く表れています。たとえば北海道では、脂ののったしめさばの細巻きが定番人気。寒冷地ならではの魚の旨味を生かした一品で、地元の人にも観光客にも愛されています。
秋田では、見た目も華やかな『寿司ケーキ』が話題です。ケーキのように層になった寿司は、祝い事や特別な日にぴったりのメニュー。見た目のインパクトと食べ応えがあり、SNS映えする一皿としても人気を集めています。
沖縄では、物流の事情を逆手にとったユニークな工夫が見られます。海を越える輸送では練り物が日持ちしにくいため、店舗内に専用の部屋を設け、作りたての練り物を提供。これにより、沖縄ならではの新鮮な味わいを楽しむことができます。
さらに静岡の店舗では、来店客を盛り上げるイベントとして、マグロのカマ焼きを賭けたじゃんけん大会が開催されています。寿司を食べるだけでなく、ゲーム感覚で楽しめる仕掛けがあり、エンターテインメント性も回転寿司文化の大きな魅力になっています。
このように、地域ごとの個性や工夫が回転寿司に彩りを与え、日本全国で独自の文化を育んでいるのです。
固定電話のいま
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一方で、番組後半の特集では固定電話の解約問題にスポットが当てられました。現在、固定電話を持っている世帯は全体の54.9%。この数字は5年前と比べて約2割減少しており、時代の流れを映し出しています。
解約を選ぶ人の理由として多く挙げられたのは、「毎月の固定費がもったいない」という経済的な負担と、「詐欺電話が多くて迷惑」という治安面の不安でした。特に高齢者を狙った特殊詐欺が社会問題となる中、固定電話を使い続けるリスクを感じている家庭が増えているのです。
しかし一方で、あえて固定電話を残す家庭も少なくありません。その理由として、「固定電話でしか連絡を取らない相手がいる」「携帯番号をむやみに伝えると個人情報の漏洩につながる不安がある」といった声が紹介されました。
また、防災の観点からも固定電話の利点が強調されました。通信設備が大きな被害を受けた場合、固定電話は携帯電話よりも回線バックアップが強いとされ、緊急時に頼れる存在となる可能性があるのです。
固定電話を「解約するか、使い続けるか」という選択は、家庭ごとの事情や価値観によって大きく分かれていることが浮き彫りになりました。
防犯機能付き固定電話の普及
東京都内の家電量販店を取材すると、売り場の光景から固定電話の変化がはっきりと見えてきます。店頭に並ぶ商品の8割以上は、防犯機能付きの固定電話。価格帯は1万円から3万円前後で、一般家庭でも手に取りやすいよう幅広く用意されています。
機能面も年々進化しており、代表的なのが番号表示機能。かかってきた電話番号をすぐ確認できるため、知らない番号を避けやすくなります。さらに、通話中にボタンひとつで強制的に切断できる自動切断機能や、声を変えて対応できるボイスチェンジ機能まで搭載され、防犯意識の高まりに応える形になっています。
こうした背景には、特殊詐欺の74%が固定電話を利用して行われているという深刻な現状があります。高齢者を中心に被害が相次ぐなか、多くの自治体では、防犯機能付き電話の購入補助制度や、実際に機器を無料貸し出しする取り組みを進めています。
固定電話の存在意義は単なる通信手段にとどまらず、いまや家庭を守るための防犯ツールとしての役割が大きくなっているのです。
南三陸町から海藻グルメ中継
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宮城県南三陸町から中継で登場したのは、話題の「ネオ海藻グルメ」でした。南三陸町の海には、なんと200種類以上の海藻が生息しており、その豊かな資源を活かした新しい食のスタイルが生まれています。
特に注目を集めたのが『海藻バター』と『海藻パフェ』。『海藻バター』は、ワカメやマツモ、ダルス、ヒトエグサといった海藻を練り込み、風味豊かに仕上げた一品。パンや魚料理に合わせると、磯の香りと旨味が加わり、食卓を一気に華やかにします。
一方の『海藻パフェ』は、スイーツとして楽しめるユニークな発想。海藻を取り入れることで、ヘルシーさと食感の面白さが加わり、「甘いのに体に良い」という新しい価値を提案しています。
こうした取り組みは、海藻を単なる食材としてではなく、南三陸町の地域資源として広く発信する試みでもあります。伝統的な漁業の町が、現代の食トレンドと結びつき、全国にその魅力を届けているのです。
進化系『3Dラテアート』
スタジオでは加藤瑠菜さんが『3Dラテアート』の作り方を披露。泡で土台を作り、チョコレートソースで顔を描く手順に出演者も挑戦。身近なコーヒーがアートに変わる瞬間を楽しめました。
NHK【あさイチ】ラテアーティスト加藤瑠菜が登場!3Dラテアートの魅力と最新トレンドは?|2025年9月17日
まとめ
この記事のポイントは以下の通りです。
・地域色豊かなご当地回転ずしはエンタメ性と工夫で進化中
・寿司皿やレーンの産業は石川県が中心となり日本の食文化を支えている
・固定電話は減少傾向だが、防犯や災害時には強みを発揮
・南三陸町の海藻グルメや3Dラテアートなど新しい食の楽しみ方も登場
日常の身近なテーマから地域の産業、さらには最新の食文化まで幅広く学べる内容でした。寿司や固定電話に対する考え方を改めて見直すきっかけになったのではないでしょうか。
ソース:
あさイチ NHK公式サイト
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