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Eテレ【チョイス@病気になったとき】C型肝炎 早期診断・最新治療|泉並木医師が語る「90%が完治する新薬」の真実 2025年10月19日

チョイス@病気になったとき

肝臓がんの影に潜む“沈黙の病”を知っていますか?

「最近、体がだるい」「お酒を飲まないのに肝臓の数値が高いと言われた」——そんな経験はありませんか?それ、もしかしたらC型肝炎かもしれません。日本人の肝臓がんの原因のうち約6割を占めるのが、このC型肝炎ウイルス(HCV)です。しかしこの病気は、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。だからこそ、“気づかないうちに進行してしまう病”と呼ばれています。
この記事では、肝臓専門医としての知識と最新医療の動きをもとに、C型肝炎の早期診断と治療の現状をわかりやすく紹介します。検査・治療・再発予防まで、2025年の最新情報をもとに解説します。

目に見えない感染が、長年にわたり肝臓をむしばむ

C型肝炎ウイルスは血液を介して感染します。特に、1990年代以前に輸血を受けた人や、医療器具の使い回しがあった時代の治療を経験した人は感染リスクが高いとされています。また、刺青やピアス、針治療などでも感染する可能性があります。
感染すると、体内でウイルスが静かに増殖し、肝臓の細胞をじわじわと傷つけていきます。自覚症状がないまま慢性化し、20年〜30年をかけて肝硬変、さらに肝臓がんに進むケースも少なくありません。日本では、C型肝炎の感染者が推定で約100万人とされ、その多くが自分の感染を知らずに生活しています。

早期発見の鍵は「血液検査」

C型肝炎の診断には、2段階の血液検査が行われます。まず、抗体検査で過去または現在の感染歴を調べ、陽性の場合はさらにウイルス量を測定して、体内にウイルスが存在しているかを確認します。
この検査は、全国の保健所や医療機関で簡単に受けられ、自治体によっては無料または低価格で提供されています。早期に発見すれば、治療により完全にウイルスを排除できる可能性が高く、肝がんへの進行を防ぐことができます。健康診断で「AST」「ALT」などの肝機能値が高かった人も、一度はC型肝炎検査を受けておくべきです。

副作用が少なく、飲み薬で治る時代へ

かつてのC型肝炎治療は、インターフェロン注射を中心としたものでした。発熱や倦怠感などの副作用が強く、治療の継続が難しい患者も多くいました。しかし、今は状況が劇的に変化しています。
2014年以降登場したDAA(直接作用型抗ウイルス薬)は、ウイルスそのものを狙い撃ちする飲み薬。代表的な薬には『マヴィレット』『エプクルーサ』『ハーボニー』などがあり、これらは1日1回の服用で12週間程度の治療を行います。副作用は極めて軽く、発熱や脱毛といった症状もほとんど報告されていません。
さらに、DAAの登場により、ウイルスが完全に排除できる「SVR(Sustained Virological Response:ウイルス学的治癒)」が90〜98%という驚異的な成功率を示しています。これまで治療が難しかった高齢者や、肝硬変を併発していた人にも治療の道が開かれています。

薬の使い分けと、医師による最適な治療選択

C型肝炎にはウイルスの型(ジェノタイプ)があり、患者によって最適な薬が異なります。たとえば、ジェノタイプ1型には『ハーボニー』や『エプクルーサ』が有効で、ジェノタイプ2型には『マヴィレット』などが選ばれます。
また、肝臓の線維化(硬さ)を測定する「フィブロスキャン」や血液検査の結果をもとに、肝機能がどの程度保たれているかも評価します。医師はこれらのデータを総合的に判断し、副作用や他の疾患との兼ね合いを考慮して治療計画を立てます。
現在では、飲み薬のみで治療が完結するケースがほとんどで、入院の必要もなく、仕事を続けながら治療する患者が増えています。

治療後の生活と再発予防

ウイルスを排除した後も、長年の炎症で肝臓にダメージが残っている場合、肝がんのリスクは完全にはゼロになりません。そのため、治療が終わった後も半年〜1年ごとの定期検査が推奨されています。
また、アルコールの摂取や肥満は肝臓に負担をかけるため、禁酒・減量・バランスのとれた食事が重要です。特に、ビタミンやたんぱく質を意識的に摂りながら、脂質を控える食生活を心がけるとよいでしょう。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、悪化しても痛みを感じにくいため、日常の生活管理が何よりも大切です。

番組で紹介予定の内容

『チョイス@病気になったとき』の今回のテーマは「C型肝炎 早期診断・最新治療」。キャスターの八嶋智人さんと大和田美帆さんが、専門医である武蔵野赤十字病院 名誉院長 泉並木医師を迎え、最新の医療現場を掘り下げます。
番組では、患者の体験談を交えながら、診断・治療・その後の生活までを具体的に紹介。薬の選び方、副作用の少なさ、治療を受けるまでの流れなど、一般の視聴者が知りたい実用的な情報が盛りだくさんです。
放送後には、泉医師が語った治療成功例や、新薬開発の最前線情報をこの記事に追記し、より詳細に解説します。

まとめ

この記事のポイントは以下の3つです。
・C型肝炎は“沈黙の病”。自覚症状がなくても検査で早期発見が可能。
・最新のDAA治療で90%以上が完治可能。副作用も少なく、短期間で治療できる。
・治療後も生活習慣の改善と定期的なフォローが健康維持のカギ。

C型肝炎は、かつて“不治の病”と恐れられていた時代から、“治せる病”へと変わりました。今こそ、検査を受け、肝臓を守る一歩を踏み出す時です。

放送情報:
番組名:チョイス@病気になったとき「C型肝炎 早期診断・最新治療」
放送日:2025年10月19日(日)19:00〜19:45
放送局:NHK Eテレ(教育)
出演:八嶋智人、大和田美帆
講師:武蔵野赤十字病院 名誉院長 泉並木

ソース:
NHK公式サイト → https://www.nhk.jp/p/choice/


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