中川家礼二の沿線いちオシ!山手線スペシャル・下町編
2025年7月6日(日)13:05から放送されたNHK「首都圏いちオシ!」では、人気企画「中川家礼二の沿線いちオシ!」のスペシャル版として、JR山手線の“下町エリア”にスポットを当てた特集が行われました。番組の舞台は山手線の高輪ゲートウェイ駅から田端駅まで。鉄道好きとして知られる礼二さんを中心に、ゲストの高橋みなみさん、ミッツ・マングローブさん、デーモン閣下が各駅の魅力を巡ります。開業140年を迎える山手線の歴史、文化、グルメの魅力がぎゅっと詰まった45分でした。
次回の【首都圏いちオシ!】駒込から大崎まで、東京の“今と昔”を乗せて走る山手線の記憶旅|ターミナル駅・再開発・静寂の庭園まで全15駅の魅力紹介|2025年7月13日放送
高輪ゲートウェイ駅の始まりと鉄道の原点
旅の始まりは、山手線の中でも新しい駅でありながら歴史の舞台でもある高輪ゲートウェイ駅。駅の周辺には、日本最初期の鉄道の線路跡「高輪築堤」があり、陸地が足りなかった当時、海上に線路を作ったという驚きの歴史が紹介されました。さらに、近くには忠臣蔵で知られる赤穂義士ゆかりの「泉岳寺」があり、大石内蔵助の銅像や「首洗い井戸」など、江戸の物語を今に伝えるスポットが残っています。
品川駅の100年続く駅そばと懐かしの味・品川丼
続いて紹介された品川駅では、駅構内に100年以上続く立ち食いそば店が登場。なんとホームによってつゆの味が違うという工夫がされており、鉄道の発着音とともに味わうそばは格別です。また、ここでの注目は「品川丼」。揚げたての天ぷらと甘めのタレが絡むご飯は、忙しい通勤客にも愛され続けるロングセラー。さらに、駅の構内にある「0キロポスト」も紹介され、ここから鉄道路線が始まるという象徴的なスポットとして紹介されました。
田町駅で出会う東京唯一の酒蔵とその復活ドラマ
田町駅では、東京23区で唯一現存する酒蔵「東京港醸造」がフィーチャーされました。この酒蔵は江戸時代から続く由緒ある蔵で、西郷隆盛や勝海舟も通っていたとされます。いったんは廃業してしまったものの、10年前に再始動。なんと東京の水道水を使って酒を仕込んでいるという現代的なスタイルが話題を集めています。都会に残る伝統と革新の象徴です。
また、田町駅周辺はゲストにとっても思い出の地。高橋みなみさんはAKB48の最終オーディションがこの地で行われたと語り、ミッツ・マングローブさんは大学時代をここで過ごしたと明かしました。それぞれの青春の一ページが、この駅とともにあることが伝わってきました。
浜松町駅と東京タワーの新しい楽しみ方
浜松町駅では、東京のシンボルである東京タワーの最新サービス「東京ダイヤモンドツアー」が登場。完全予約制で、専任のアテンダントが案内するこのツアーは、高さ250mのトップデッキから絶景を楽しめる特別な体験として人気を集めています。日中は街を一望でき、夜には美しい夜景が広がるロマンチックなスポットとして再注目されています。
新橋駅・“おやじビル”で味わう絶品オムライス
新橋駅の西口にあるニュー新橋ビル(愛称:おやじビル)は、サラリーマンの聖地として長年親しまれてきました。ここで紹介されたのは、とろけるような溶かしバターが香る絶品オムライス。ビル内の老舗店で出されるこの一品は、開店から閉店まで多くの人が列をつくるほど人気で、1日に200食も出る日もあるそうです。レトロな雰囲気とともに味わうオムライスは、まさに“昭和の記憶”そのものです。
有楽町駅・交通会館で世界が注目するカレーパン
有楽町駅の注目は、東京交通会館の中にオープンした高級チョコレートメーカーのベーカリー。チョコのプロが手がけるカレーパンは、ビターチョコの香りとスパイスが絶妙にマッチした新感覚の味。さらに、日本のパン文化である「具材を包む製法」に海外からも注目が集まっており、観光客の間でも話題になっています。パンの種類は20種類以上あり、行列必至のベーカリーです。
東京駅・赤レンガ駅舎と宿泊できる文化財
東京駅では、日本最大級の赤レンガ駅舎が紹介されました。下りの電車しか存在しない“日本の始発駅”という構造の特異性や、建物そのものが国の重要文化財に指定されていることも紹介。駅舎内には東京ステーションホテルがあり、実際に宿泊が可能。部屋から見える景色は一室ごとに異なり、泊まることで東京の“時の流れ”を感じることができる特別な場所です。併設のバーで味わえるビーフシチューも、伝統の一皿として人気です。
神田駅・地中に眠る明治の技術「神田下水」
神田駅では、マンホールの下に広がるレンガ造りの「神田下水」が登場しました。140年前に伝染病予防のために整備された地下インフラが、今も現役で稼働しているという事実に驚かされます。東京の足元には、こうした“目に見えない”歴史の積み重ねがあることを再確認させてくれるエピソードでした。
秋葉原駅・電子文化の聖地「ラジオセンター」
秋葉原では、戦後の闇市からスタートした秋葉原ラジオセンターが取り上げられました。電子部品やフィギュアなど、“アキバ文化”の原点ともいえる存在で、95歳になる無線店主・菊池さんが70年以上にわたり店を守ってきたという事実に、多くの人が胸を打たれます。秋葉原という街の変遷を体感できる“生きた博物館”のような場所です。
御徒町駅・アメ横とジーンズ復活の流れ
御徒町駅のいちオシは、東京を代表する商店街アメ横。近年は飲食店が増えていますが、注目されているのが国産ジーンズの人気再燃。取り扱いブランド数の多さ、品質の高さが支持され、現在は売上の4割が外国人観光客によるものといわれています。
上野駅・公園の誕生に込められた願い
上野駅では、広大な上野恩賜公園が紹介されました。春は花見、夏は動物園、そして年間を通じて訪れる人が絶えない公園ですが、これを整備したのは僧・天海。当時、庶民にも自然を楽しんでもらいたいと、不忍池を琵琶湖になぞらえて設計するなど、江戸時代からの都市計画が現在まで続いていることがわかります。
鶯谷駅・正岡子規が過ごした子規庵
鶯谷駅では、俳人・正岡子規の終の住処「子規庵」が紹介されました。ここで彼は雑誌「ホトトギス」を仲間と作り続け、死後には夏目漱石が「吾輩は猫である」を発表。明治の文学を支えた場所として、文学ファンには欠かせない名所です。
日暮里駅・谷根千の名を広めた女性たち
日暮里駅では、“谷根千”という言葉を定着させた地元女性たちの活動が紹介されました。手作りの地域雑誌を続け、地域の魅力を丁寧に発信し続けた結果、多くの人が訪れる人気観光エリアに育ったのです。派手さはなくても、情熱と継続が街を動かした実例として印象的です。
西日暮里駅・社交ダンスの街
西日暮里駅では、かつて選手会の事務局があったことから、社交ダンスの文化が花開いた街として紹介。ドレスショップやダンス教室が立ち並び、80歳を超えるダンサーが今も踊る姿に、踊りの魅力と街の深さが伝わります。
田端駅・鉄道の絶景と文豪の街
田端駅では、鉄道ファン憧れの「トレインビューホテル」と、芥川龍之介などが暮らした「田端文士村記念館」が紹介されました。文豪たちがこの地で創作活動を行い、東京藝大や東大と関わりの深い芸術文化の中心地でもあったことが明かされました。
ゲストのそれぞれが語った思い出やゆかりの駅を通じて、山手線という環状線が、人の記憶や暮らし、文化と深く結びついている存在であることがあらためて浮かび上がりました。地元の人にとっても観光客にとっても、山手線はただの交通機関ではなく、“東京を知る旅の入り口”そのものなのです。
次回の【首都圏いちオシ!】駒込から大崎まで、東京の“今と昔”を乗せて走る山手線の記憶旅|ターミナル駅・再開発・静寂の庭園まで全15駅の魅力紹介|2025年7月13日放送
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