鹿児島・地獄坂から花見へ!上白石萌音の語りで届ける“再会と郷土のぬくもり”
2025年5月15日(木)放送の『ひむバス!』第23回では、鹿児島市の高台にある永吉団地が舞台になります。かつて地域の足として親しまれていた路線バスが、5年前に廃止されたことにより、高齢者を中心とした住民たちは外出が困難になり、坂道をのぼることにも苦労するようになっていました。特に「地獄坂」と呼ばれる急な坂道は、体力に自信がない方々にとって、買い物や通院、ちょっとした散歩さえも一苦労でした。
そんな中、春の訪れとともに、満開の桜が咲く花見会場へ住民たちを送迎する特別バスが登場します。かつての路線バスとは違い、この日だけの限定運行ではありますが、住民たちにとっては久しぶりに人と出会い、外の空気を感じる大切な機会です。そしてこの“おでかけ”には、さまざまな思い出や再会が詰まっているのです。番組では、そんな心温まる様子を、鹿児島出身の女優・上白石萌音さんのナレーションでやさしく包み込みながら伝えます。
地域を支えていたバスと、5年ぶりの再会
永吉団地では、かつて路線バスが日常の一部でした。バスの車内では、住民同士が自然と会話を交わし、日々の小さな交流が生まれていました。しかしバスの廃止により、そうしたふれあいの場も同時に失われてしまったのです。
この日、用意された花見送迎バスには、久しぶりに顔を合わせる住民たちの姿がありました。ふだんは家にこもりがちだった方々も、春の陽気と桜の誘いに背中を押されて出発します。バスの車内では、懐かしい景色や思い出話があふれ、自然と笑顔がこぼれます。
今回の見どころのひとつは、かつてこの路線を走っていたバス運転手と住民の5年ぶりの再会です。毎日のように顔を合わせ、時には日常の小さな悩みも打ち明けていた“あの人”との再会。まさかまた会えるとは思っていなかった住民たちにとって、その姿を見た瞬間に涙を流す人もいるといいます。この特別な時間は、単なる移動ではなく、人の心をつなぎ直す旅なのです。
桜の下で感じる春とふるさと
バスが向かうのは、地元で知られる桜の名所。番組ではその会場の様子も映し出される予定です。桜の花が咲き誇る中、ひとりひとりがふるさとの春を全身で感じるひとときとなります。団地の中では見られなかった広い景色や、風に揺れる桜の枝、どこかで聞こえる笑い声。そんな当たり前のような光景が、参加した人たちにとってはとても特別な思い出になります。
「家を出てよかった」「また誰かと話せてうれしかった」といった実感が、じんわりと胸に広がっていきます。そして、そのひとときを支えるのがバスであることを、改めて感じさせられるのです。
上白石萌音さんが語る「がね」と「茶わんむしのうた」
今回の放送では、鹿児島の郷土料理「がね」も紹介される予定です。これは、さつまいもやにんじんなどの野菜を細く切って混ぜ、天ぷらにした料理で、揚がった姿がカニに似ていることから鹿児島弁で「がね(カニ)」と呼ばれています。おかずにもおやつにもなる親しまれた味で、家庭ごとにレシピが少しずつ違うのも魅力のひとつです。ナレーションの上白石萌音さんも、子どものころから親しんできた味として大好きだと語ります。
また、鹿児島の童謡「茶わんむしのうた」も取り上げられる予定です。この歌は、子どもから大人まで口ずさめる地域に根づいた愛らしいメロディで、多くの鹿児島県民の心に残る歌です。上白石さんも小さいころによく歌っていたとのことで、その思い出とともに曲が流れる場面では、視聴者にも懐かしさが届くことでしょう。
バスが届ける“つながり”の大切さ
番組全体を通して伝わるのは、人と人とのつながりの温かさです。たとえバスがなくなっても、心の中にはあの日の風景や声が残り続けています。そんな記憶が、この一日だけの花見バスを通じて、再びよみがえるのです。バスの中で交わされる何気ない会話、坂の途中で見える景色、そして再会の涙――どれもが、地域に根づく物語です。
こうした企画は、単なる交通支援ではなく、暮らしの記憶をたどる時間でもあります。ナレーションの上白石萌音さんの落ち着いた語りが、映像と感情をやさしく結び、より深く心に残ることでしょう。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
再会と桜、そして地元の味と歌。“また会いたい人”に出会える一日を、どうぞお楽しみにご覧ください。
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