元祖女子会!英国のアフタヌーンティー
アフタヌーンティーと聞くと、可愛いケーキやサンドイッチを並べて優雅な時間を過ごすイメージがありますが、そのルーツをご存じでしょうか?今回放送された『グレーテルのかまど』では、アフタヌーンティーの誕生秘話から、実際に作られていたメニューまでを紹介していました。この記事では番組内容をもとに、アフタヌーンティーの魅力を詳しくまとめます。最後まで読むと、自分でもアフタヌーンティーを楽しめるヒントが見つかります。
アフタヌーンティーの誕生はイギリス・ウォバーン・アビー
19世紀、イギリスでは一日二食が一般的でした。朝食を食べた後、夕食までの長い時間、お腹が空いてしまうことがありました。そんな中、イギリス・ベッドフォードシャーにある貴族の館、ウォバーン・アビーでアフタヌーンティーが誕生します。この館の主だった第7代ベッドフォード侯爵夫人アンナマリアが、午後に小腹を満たすために紅茶と軽食を自室で楽しんだのが始まりとされています。
当時の貴族社会では、婦人たちが午後のひとときを過ごす方法が限られていました。アンナマリア夫人が始めたこの習慣は、たちまち上流階級の女性たちの間で流行し、やがて社交の場として定着していきました。まさに、アフタヌーンティーは元祖女子会だったのです。食事の間に挟まれた「軽食+おしゃべり」の時間が、現代のヌン活にもつながっているのはとても興味深いです。
ヘンゼルが挑戦!アフタヌーンティーの定番メニュー
番組の中では、瀬戸康史さん演じるヘンゼルが、アフタヌーンティーに欠かせない二つの定番メニュー作りに挑戦していました。作ったのは次の2品です。
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きゅうりのサンドイッチ
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バッテンバーグケーキ
きゅうりのサンドイッチは、シンプルながらアフタヌーンティーの象徴ともいえる存在です。バターを塗ったパンに薄くスライスしたきゅうりを挟み、塩で味付けしただけのシンプルなものですが、これがまた紅茶によく合うのです。
一方、バッテンバーグケーキは見た目にも美しい市松模様のケーキで、紅茶と一緒に楽しむのにぴったりです。マジパンでケーキ全体を包み、甘さと香ばしさが口いっぱいに広がります。小さなサイズにカットして、片手で食べやすいのも特徴です。
バッテンバーグケーキとは?見た目も味も華やかなイギリス伝統菓子
バッテンバーグケーキは、19世紀後半に誕生したイギリスの伝統菓子で、ピンクと白の市松模様がとても可愛らしいケーキです。誕生の由来は諸説ありますが、当時の王族の結婚を祝って作られたと言われています。見た目のインパクトはもちろん、しっとりとしたバターケーキと、外側を包むマジパンの甘さが絶妙なバランスを生み出しています。
このケーキは、家庭で作るには少し手間がかかりますが、作り方をマスターすれば、特別なティータイムにぴったりの一品になります。
バッテンバーグケーキの材料と詳しい作り方
バッテンバーグケーキは、イギリス伝統のアフタヌーンティーに欠かせない特別なスイーツです。可愛らしい市松模様と、甘く香ばしいマジパンに包まれたしっとりケーキが特徴です。ここでは、材料と作り方をさらに詳しくご紹介します。
【バターケーキに必要な材料】
・薄力粉300g(ふるっておく)
・ベーキングパウダー5g(薄力粉と合わせてふるう)
・無塩バター300g(室温に戻してやわらかく)
・粉砂糖300g(ふるっておく)
・卵300g(約6個分、室温に戻して溶きほぐす)
・バニラエッセンス2g(香りづけ用)
・赤の食用色粉(適量、ピンクに着色するため)
【バタークリームに必要な材料】
・無塩バター200g(室温でやわらかく)
・水30ml
・グラニュー糖80g(シロップ用)
・卵白50g(シロップと合わせるため)
・グラニュー糖20g(メレンゲ用)
【組み立てに必要な材料】
・マジパン750g(生地を包む用、3本分)
・アラザン36粒(飾り用)
【下準備のポイント】
・バターと卵を室温に戻しておくと分離しにくくなります。
・型にはバターをしっかり塗り、型紙を敷いておくことで、焼き上がりがきれいに外れます。
・粉類は必ずふるい、ダマを防ぐことでふわふわな仕上がりになります。
・オーブンはあらかじめ170℃に温めておき、焼く温度を一定に保ちます。
【バターケーキを作る手順】
・室温のバターを泡立て器でクリーム状に練り、白っぽくなるまでしっかり混ぜます。
・粉砂糖を数回に分けて加えながら、さらにふわっとした状態にします。
・溶き卵を大さじ1ずつ加え、その都度なじませるようにしっかり混ぜます。
・全体が均一なクリーム状になったら、バニラエッセンスを加えて風味を付けます。
・ふるった薄力粉とベーキングパウダーを加え、ヘラで粉けがなくなるまでさっくり混ぜます。
【色付けと焼成】
・生地のうち600gを型に流し込み、表面をスプーンで平らにならします。
・残りの生地に赤の食用色素を加えてピンク色に着色し、もう一つの型に入れてならします。
・170℃のオーブンで55~60分じっくり焼き、竹串を刺して何もつかなければ焼き上がりです。
・焼き上がったらすぐ型から外し、ケーキクーラーの上でしっかり冷まします。
【バタークリームを作る手順】
・鍋に水30mlとグラニュー糖80gを入れて加熱し、118~120℃まで煮詰めてシロップを作ります。
・その間に、別のボウルで卵白50gとグラニュー糖20gを泡立て、メレンゲを作り始めます。
・シロップができたら、ハンドミキサーを中速にしながら少しずつメレンゲに加えます。
・全量加えたら高速で冷めるまで泡立て、ツヤがあり角が立つ状態に仕上げます。
・室温に戻したバターに、メレンゲを加えてなめらかなクリームになるまで混ぜます。
・硬すぎる場合は、ボウルの底を湯せんで軽く温めながら調整します。
【組み立ての手順】
・冷めたケーキを長さ20cm、幅2cm角の棒状に切り出します。ピンクと白をそれぞれ2本ずつ用意します。
・バタークリームを塗りながら、ピンクと白を交互に組み合わせ、市松模様になるように接着します。
・マジパンを250gずつ薄く伸ばし、ケーキ全体を包みます。
・包み終わったら、余分なマジパンをナイフでカットして整えます。
・表面に斜めの筋を軽くつけ、アラザンをバランスよく飾ります。
・最後に、食べやすいサイズにカットして完成です。
【保存と食べごろ】
・当日中に食べると、しっとり感とマジパンの香りが一番引き立ちます。
・保存する場合はラップでしっかり包み、冷蔵庫へ。乾燥を防ぐため密閉を意識します。
・食べる30分前に常温に戻すと、より美味しくなります。
バッテンバーグケーキは、見た目の華やかさだけでなく、バターケーキのしっとり感とマジパンの甘さが絶妙なバランスを作り出す特別なお菓子です。手間はかかりますが、その分、完成したときの達成感と満足感は格別です。アフタヌーンティーに彩りを添える一品として、ぜひ挑戦してみてください。
アフタヌーンティーの楽しみ方
アフタヌーンティーをもっと楽しむためには、料理だけでなく、雰囲気作りも大切です。
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紅茶はポットでたっぷりと用意し、好みのティーカップでいただきます。
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スイーツやサンドイッチは、できるだけ小さめに作ると、たくさんの種類を少しずつ楽しめます。
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ケーキスタンドに3段に盛り付けると、本格的な雰囲気になります。
アフタヌーンティーは、日常に小さな特別感をもたらしてくれる素敵な文化です。アンナマリア夫人が生み出したこのひとときの贅沢は、時代を超えて現代にもしっかりと受け継がれています。
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