ロバート秋山が信濃町の魅力を発掘!PR動画「まちブイ」誕生
2025年4月28日(月)にNHK総合で放送された『緊急!町民オーディション』では、長野県信濃町が舞台となりました。人口およそ7500人のこの小さな町で、町民自らが出演し、自分たちの魅力をPRする動画「まちブイ」の制作に挑戦。プロデュースを手がけたのは、おなじみロバートの秋山竜次さんです。豪雪地帯としても知られる信濃町で繰り広げられた、町民と秋山さんの本気の挑戦を番組の流れに沿ってご紹介します。
信濃町の自然と歴史を巡る導入パート
番組の始まりは、まだ雪が多く残る信濃町の国道沿いの映像からでした。白く染まった道を歩く秋山さんの姿が映し出され、その背後には雪をかぶった木々や家々が静かに広がっていました。この信濃町を案内するのが、公民館の副館長である飯田さんと、野尻湖ナウマンゾウ博物館の館長である近藤さんです。二人の案内により、町の文化と歴史の探訪が始まります。
まず向かったのは野尻湖ナウマンゾウ博物館。ここは、氷河時代のナウマンゾウの化石が出土することで有名な場所です。特にこの日は、2年に1度行われるという貴重な発掘調査の初日。実際にスコップを手にした調査隊が湖畔の雪をかき分けながら発掘に取り組んでいる様子が映されました。
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野尻湖周辺は、日本で最も早くからナウマンゾウの化石が発掘された場所の一つ
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発掘調査は町民や研究者が参加し、地域の誇りとして長年続いている
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博物館では、実物大の復元模型や出土した化石を展示し、町の子どもたちにも親しまれている
続いて訪れたのは、江戸時代後期を代表する俳人小林一茶のふるさと。町の中心部にある一茶記念館では、彼の残した俳句や日記、自筆の作品が約150点展示されています。展示室には、一茶の座っていたとされる机や筆もそのまま残され、来場者は当時の暮らしや感性を肌で感じることができます。
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一茶記念館は、町民の俳句文化の核として機能しており、町全体に俳句が浸透している
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地元の小学校では、俳句が授業として教えられており、児童が毎年全国の大会にも出場している
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記念館の庭には一茶の句碑もあり、春夏秋冬で異なる表情を見せる
その後、秋山さんは道の駅しなのへ。ここでは、地元農家が栽培した新鮮な「雪中野菜」が人気商品として紹介されました。これらの野菜は、雪の中で育てることで余分なえぐみが抜け、自然の甘みが引き立つのが特徴です。
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雪の下で冬を越した野菜は、糖度が増し、甘みと旨味が強くなる
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中でもキャベツや大根、にんじんが人気で、入荷するとすぐに完売する
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道の駅では、野菜だけでなく地元の味噌や漬物などの加工品も豊富に並び、観光客にも評判
最後に案内されたのが、信濃町にあるフィンランド風のサウナ施設。運営するのは、町内でカフェや宿泊施設も手がける松田さんの家族です。施設内には本格的なサウナがあり、白樺やユーカリの葉をアロマ水に浸して蒸気を楽しむロウリュ体験が可能となっています。
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サウナは地元木材を使った手作りの本格仕様
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薪ストーブでじんわりと温め、香り豊かな蒸気が心身を癒してくれる
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外気浴スペースからは、黒姫山や妙高山が一望でき、自然と一体になる贅沢な時間が流れる
このように番組冒頭では、信濃町の自然・歴史・暮らしが多角的に紹介され、町の人々がどれほど自然と共に生きているかが丁寧に描かれていました。秋山さんの歩く先々には、雪深い土地ならではの風景と、そこに息づく温かい人の営みがありました。番組のこの部分だけでも、信濃町の魅力がしっかり伝わってくる構成になっていました。
オーディションで町民の個性が爆発!
番組後半では、信濃町のPR動画「まちブイ」への出演者を選ぶため、町民によるオーディションが開催されました。秋山さんのユニークな進行のもと、登場した参加者たちは、地元ならではの魅力とそれぞれの個性を存分に発揮しました。
最初に登場した第1グループは伊坂さん。アーティストとして活動している彼は、自作のオリジナルソングに合わせて椅子を使った「チェアダンス」を披露しました。落ち着いたリズムに合わせたダンスは、どこか力が抜けていながらも個性的で、視線を引きつけました。
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伊坂さんのダンスは表情と動きに味があり、インパクトの強いスタイル
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音楽と動作のタイミングが絶妙で、緊張しつつも堂々とした立ち姿
次に現れたのは、信濃町を拠点に活動する音楽グループ「メタボリックボーイズ」のボーカル・服部さんです。彼は得意の歌に加えて、タレントのモノマネを披露。勢いあるパフォーマンスで笑いを誘い、その場で伊坂さんとの即興コラボが始まりました。
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服部さんは声量と表現力に優れ、モノマネの完成度も高い
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即興の中でも二人の息が自然に合い、緊張感と楽しさが混ざったパフォーマンスになっていた
続いての第2グループは、小学生の姉妹と松田さん。姉妹は、毎年町内で開かれる「一茶かるた大会」の優勝経験者。今回は、スタジオの前でその腕前を堂々と披露しました。正確な読みと素早い取り札の動きから、普段から真剣に俳句に親しんでいる様子がうかがえました。
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姉妹の動きは無駄がなく、手の動きも非常にスムーズ
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俳句に込められた意味もしっかりと理解している様子
一方の松田さんは、普段はアート作品を手掛けており、今回は「ハンドパワーでドリップコーヒーを入れる作品」というユニークなインスタレーションを披露しました。手をかざすような動きとともに、ポタポタとコーヒーが落ちていく様子は、見た目にも楽しく、観客の視線を集めていました。
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見えない力をテーマにしたパフォーマンスで、アートとユーモアが融合
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雪国の静けさの中にある“じわじわ来る面白さ”を体現していた
第3グループは澤田夫妻。14年前に信濃町へ移住し、今では町にしっかりと根づいて暮らしています。夫の元久さんは元自衛官で教官、妻の由紀子さんはその元生徒。21歳の年の差を超えて結ばれた2人のストーリーが紹介されました。
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出会いから結婚に至る経緯には、信頼関係と強い意志が感じられる
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厳しい訓練と雪国での生活を支え合ってきた夫婦の絆
このペアに対して、秋山さん考案の謎企画「チェアダンス防衛ほふく前進競争」が実施されました。澤田夫妻がゴールを目指し、伊坂さんがチェアダンスで進路を防ぐというゲーム形式で、結果は澤田夫妻の敗北。会場には笑いが広がり、和やかなムードが生まれました。
最後の第4グループには金子さんと大下さんが登場。金子さんは、神戸から30年以上にわたって信濃町を訪れ続けている方で、町の森を舞台にオカリナ演奏を趣味にしています。最近では、町の森林ガイド認定資格も取得したとのことです。
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穏やかな音色のオカリナが、スタジオに柔らかな空気を生み出す
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信濃町の自然を愛する心が、音に表れていた
大下さんはイラストレーターであり、町内の子どもたちに向けた人形劇をボランティアで行っている方。今回は持参した人形と一緒に、金子さんとの即興コラボを披露しました。オカリナの音色に合わせた、静かであたたかい人形劇の演出は、見ている人たちをほっとさせる内容でした。
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自作の人形と共に動く表情豊かな演出
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コミカルさと優しさが共存する劇で、信濃町らしさがにじんでいた
こうして全4グループがそれぞれの表現で信濃町の魅力を届け、会場には多様な表現があふれる特別な時間となりました。どの出演者からも、町に根ざしながらも個性をのびのびと発揮する姿勢が伝わってきました。秋山さんの柔らかい進行も相まって、全体を通じて温かく笑いの絶えないオーディションとなっていました。
まさかの全員合格!感動の「まちブイ」完成
審査終了後、秋山さんが選んだのは「全員合格」という結果でした。参加した子どもたちは「ドキドキしたけど楽しかった」と感想を述べ、ユニークな伊坂さんには秋山さんから「メガネぼけ多すぎ」とツッコミが入る一幕もありました。
番組の最後には、完成した信濃町PR動画「まちブイ」が披露され、町の美しい風景や個性的な町民たちの魅力がギュッと詰まった内容に仕上がっていました。「Around The World」や「DA PUMP」の楽曲とともに映し出される信濃町の冬景色と人々の笑顔が印象的でした。
まとめ
今回の『緊急!町民オーディション』は、信濃町の本当の魅力が詰まった30分間でした。自然、文化、個性豊かな町民たちが一体となり、PR動画「まちブイ」を作り上げていく姿は、多くの視聴者にとって心に残るものとなったはずです。豪雪地帯に根ざした暮らしと、そこに生きる人々の力強さやユーモアが、しっかりと伝わってきました。
今後の放送も楽しみになるシリーズです。気になった方は、ぜひ信濃町に足を運び、リアルな「まちブイ体験」をしてみてください。
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