奥田民生が背脂ラーメンと職人技を巡るさすらい旅
2025年5月12日（月）に放送された『鶴瓶の家族に乾杯』では、還暦を迎えた奥田民生さんが新潟県燕市を訪れました。番組では、ラーメンを食べたいという奥田さんの素直な気持ちから始まったさすらい旅が描かれました。テレビ出演が少ないことで知られる奥田さんですが、「出るならこの番組」と決めていたのがこの『家族に乾杯』。そんな特別な思いが込められた放送は、食、技術、人との出会いに満ちた心温まる内容でした。燕市は、金属加工で世界に知られる町ですが、実は背脂ラーメンの激戦区としても有名。今回はそんな燕市を、鶴瓶さんと共にゆったりと巡っていきます。
水道町で合流、奥田民生の特別な想いがスタート地点
旅は新潟県燕市の水道町から始まりました。ここで奥田さんと鶴瓶さんが合流。還暦を迎えた奥田さんにとって、今回の旅はとても意味のあるものでした。番組内では、音楽番組はどうしても苦手だという話が紹介され、「出るなら『鶴瓶の家族に乾杯』かなと思っていた」と明かしました。テレビへの出演が非常に少ない奥田さんがこの番組を選んだ理由が、視聴者の心にもじんわりと響く冒頭でした。
公民館でラーメン店を探す聞き込みから始まるグルメ探訪
燕市といえば金属加工や工芸の町として知られていますが、奥田さんが今回選んだ理由はシンプルに「ラーメンが食べたいから」。鶴瓶さんと一緒に向かったのは地元の公民館。ここでラーメンの美味しいお店の情報を集める聞き込みをしました。公民館では、ラーメン以外にもカレーや音楽、レコードに詳しい人々との出会いもあり、燕市の文化の広さを感じさせる場面でした。
町で出会ったのは、まさかの私物パトカーとその持ち主
町の中を歩いていた2人が出会ったのは、私物のパトカーに乗る男性。その男性は地元の役所に勤めており、阪神・淡路大震災をきっかけに災害ボランティアとして活動を始めた方でした。平時にも地域の安心を守りたいという思いから、民間パトロール車が認められたと同時に購入したという熱意ある人物です。そのパトカーに2人は乗せてもらい、目的のラーメン屋まで送ってもらうことになります。
しかし到着したラーメン屋は撮影NGという残念な展開。そこで、再びこの私物パトカーに乗って、別のラーメン店へ向かうことになりました。こうした人との偶然の出会いが生まれるのも、この番組の魅力です。
背脂たっぷりのラーメンに感激、チャーハンも人気
ようやくたどり着いたラーメン屋では、燕市名物の背脂ラーメンとチャーハンを堪能しました。このお店にはなんともユニークなエピソードが満載です。店主の奥さんはフィリピン出身で、元々はフィリピンパブの店長をしていた方。そこに働いていた女性の紹介で知り合い、現在に至るという背景が紹介されました。
さらに店主の娘さんとそのパートナーについても番組内で語られました。2人はインターネットで出会い、男性は横浜から燕市へ移住。ラーメン屋を継ぐために、彼女のお父さんのもとで弟子入りしたという熱意あるストーリーも紹介され、視聴者の心をつかみました。
老舗銅器工房・玉川堂で伝統工芸の現場を体験
食の旅だけでは終わらないのが今回の放送。続いて訪れたのは、創業200年以上の老舗銅器メーカー「玉川堂」です。ここでは、職人が一つひとつ手作業でつくる銅製のやかんや茶器が並び、なんと最高額85万円のやかんも紹介されていました。その美しい仕上がりと価格の高さに、2人は驚きの様子でした。
工房には現在21人の職人が在籍しており、訪問日はちょうど新年度のスタート日（4月1日）で、入社したばかりの新人職人の姿も。細かな作業の様子を見学し、奥田さんも真剣なまなざしで見入っていました。
燕市の魅力を地元のラジオパーソナリティーが紹介
番組の中盤では、地元で活躍するラジオパーソナリティー・さとちんさんが登場し、燕市の魅力を語ります。燕市では釜飯が祝いの席で食べられる文化があり、地域の伝統と風習にも光が当てられました。
さらに、信濃川の洪水被害を防ぐために造られた大河津分水の話題や、高さ50メートルの避難器具実験施設「オリロータワー」も紹介され、町の安全対策の一面も伝えられました。
鶴瓶と奥田、別々の道でさらなる出会いへ
旅の終盤では、鶴瓶さんと奥田さんが別行動に。鶴瓶さんは町を歩く中で、元理容師の女性たちが集まる場所に立ち寄ります。営業はしていないものの、その理容室は近所の人たちの憩いの場になっており、日常の交流が温かく描かれました。
一方の奥田さんは、玉川堂で紹介された山崎金属工業を訪問。ここは、なんとノーベル賞の晩餐会で使用されるカトラリーを製造していることで有名な会社です。特にナイフ・フォーク・スプーンは、スウェーデン製が原則である中で、唯一例外的に採用された日本製品として紹介されました。
この会社の初代は、なんと玉川堂の三代目に弟子入りしていた人物であり、燕市内での職人文化のつながりにも触れられました。奥田さんは開発に4年かかったカレースプーンにも興味津々で、その細部までじっくり観察する姿が印象的でした。
まとめ：奥田民生が感じた、ラーメンと職人技と人の温かさ
今回の『鶴瓶の家族に乾杯』は、奥田民生さんの還暦という節目にふさわしい、心豊かな出会いと発見に満ちた旅でした。ラーメンを食べるという素朴な目的から始まり、偶然の出会いが重なり、工芸、歴史、地元の人々との交流へと発展していく流れがとても自然で温かく、番組ならではの魅力が詰まっていました。
・奥田民生さんの素直な動機「ラーメンが食べたい」から始まる旅
・地域に根ざす人々との偶然のふれあい
・銅器やカトラリーなど世界に誇る燕市の工芸技術
・ラジオや釜飯、オリロータワーなど知られざる魅力の紹介
2025年5月12日（月）放送、NHK総合 19:57～20:42のこの回は、燕市の人の温もりと技術の誇りをじっくりと感じられる内容でした。今後の再放送や配信があれば、ぜひ見逃さずにチェックしてみてください。
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