はじめに
2025年1月1日放送のNHK総合「超体感!新春開運 伊勢 お参り旅」では、新春にふさわしい伊勢神宮へのお参り旅が特集されました。江戸時代から続く伝統的な参拝ルートや歴史ある神社の数々が紹介され、伊勢参りの文化や見どころが深く掘り下げられました。この記事では番組内容と共に、伊勢神宮を目指す旅の詳細をお伝えします。
温泉地に長期間逗留する〈湯治〉は病気やケガを癒すための治療行為として、また伊勢神宮を詣でる〈伊勢参り〉は総祖先である天照大御神を祀る神宮として五穀豊穣を願う誰もが参拝する権利があると許可されていたのである。 これが、江戸時代の庶民の旅の〈ぬけ道〉だった。2019/11/22
玉造稲荷神社:伊勢参りの旅の始まり
玉造稲荷神社は、江戸時代の伊勢参りの「西の玄関口」として知られています。旅の出発前に参拝者が安全祈願をする場所であり、現在の旅行代理店のような役割も果たしていました。当時、参拝者は神社で事前登録を行い「手形」を受け取ると、その手形を持って旅を進めることができました。これにより道中の安全な宿泊先が保証され、安心して旅ができる仕組みが整えられていました。江戸時代の参拝者はここから伊勢神宮まで約170kmを4泊5日かけて歩いたと言われており、信仰心の深さと旅の厳しさを感じさせます。
枚岡神社と天児屋根命:神話と結びつく神社
生駒山の麓にある枚岡神社は、天児屋根命(あめのこやねのみこと)を祀る古社です。天児屋根命は、日本神話「天岩戸(あまのいわと)」のエピソードで、岩戸に隠れた天照大御神を外に導くために活躍した神様として知られています。そのため、天照大御神との深い繋がりがある神社とされています。さらに、毎年12月に開催される「お笑い神事」は特に有名で、全国から1000人以上の参拝者が訪れ、新年の幸運を願います。この神事では神前で大声で笑うことで厄払いとされ、神聖でありながらユニークな伝統行事です。
暗越奈良街道(暗峠):伊勢参りの最初の難所
生駒山を越えるための最初の難関として知られる暗峠(くらがりとうげ)は、高低差約400m、距離2.5kmの急勾配を持つ難所です。江戸時代には1日に7万人もの参拝者がこの峠を越えたとされ、その人気と信仰の厚さが伺えます。峠の頂上には小さな集落があり、当時は宿屋や茶店で賑わっていました。特に茶店では旅の疲れを癒やす甘酒や団子などが提供されていたと言われ、参拝者同士の交流の場でもありました。
奈良公園:歴史と自然が調和する癒しのスポット
暗峠を下り東へ進むと奈良公園に到着します。奈良公園は、世界的にも珍しい野生の鹿が自由に歩く公園として知られています。特に「鹿せんべい」は江戸時代から存在しており、参拝者が鹿に与える伝統的な風景が現代まで続いています。奈良の鹿は神の使いとされ、特別な存在として大切に扱われてきました。
山の辺の道:古代から続く歴史の道
奈良公園からさらに南下し、日本最古の道とされる「山の辺の道」を進みます。この道は古代から続く街道で、沿道には数多くの古墳が点在しています。歴史を感じさせる風景の中を歩くことで、参拝者は過去と現在のつながりを感じ取ることができます。特に栗塚古墳や見瀬丸山古墳などはその代表例であり、文化財としても貴重です。
檜原神社:伊勢神宮の起源とされる神社
桜井市三輪にある檜原神社(ひばらじんじゃ)は、伊勢神宮で祀られる天照大御神を最初に祀ったと伝わる神社です。大神神社の末社であり、「元伊勢」とも呼ばれる由緒正しい神社です。周囲は自然に囲まれ、厳かな雰囲気の中での参拝ができます。
三輪そうめん:1200年の伝統食品
檜原神社のある三輪地域は、日本最古のそうめん「三輪そうめん」の発祥地でもあります。その歴史は1200年以上前に遡り、江戸時代には「日本一のそうめん」として称賛されました。特に伊勢参りの参拝者が持ち帰ったことで全国に広まり、今でも日本を代表する伝統食品として愛されています。
長谷寺:四季折々の花が美しい寺院
長谷寺(はせでら)は「花の寺」として知られ、特に春の桜や牡丹の花が見事です。古くから多くの参拝者を魅了し、江戸時代の浮世絵にも描かれた名所です。
札の辻:運命の分かれ道
札の辻(ふだのつじ)は、伊勢神宮までの道が「伊勢表街道」と「伊勢本街道」の二手に分かれる場所です。表街道は道がなだらかで距離が長く、本街道は険しい道ですが距離が短いという特徴があります。
石割峠:神話と歴史の難所
奈良から三重への山道を進むと「石割峠」という3つの急な峠が連続する難所に差し掛かります。ここはヤマトヒメが天照大御神の鎮座地を探すために歩いたとされる神聖な道です。
松阪市:稲わらの鳳凰モニュメント
三重県松阪市に入ると、高さ6mもの稲わらで作られた鳳凰のモニュメントが目を引きます。地元住民の手作りで、2016年から続く伝統的な展示です。
伊勢神宮:日本の心のふるさと
旅の最終目的地である伊勢神宮は、内宮・外宮を中心に125の宮社から成る日本最高の聖地です。古来より多くの参拝者が訪れ、「お伊勢参り」として知られてきました。
旧御師丸岡宗大夫邸:御師の歴史を伝える場所
伊勢神宮の参拝者が立ち寄る「御師の家」は、かつて参拝者の宿泊や祈祷を行っていた施設です。現在残るのは旧御師丸岡宗大夫邸のみで、18代目の丸岡正之さんが定期的に公開し、御師文化の継承に努めています。
まとめ
「超体感!新春開運 伊勢 お参り旅」は、歴史と自然、そして人々の文化が交錯する旅を体験できる番組です。江戸時代の旅人気分を味わいながら、新年を迎えるにふさわしい開運の旅路をぜひお楽しみください。
コメント
「超体感!新春開運・伊勢お参り旅」の再放送は有りますか?
今の所再放送の予定はないようです。
しかし、以下のテレビ番組で、伊勢神宮関連の放送があるようです。
地域によっては、放送されないところもあると思いますが、参考までに。
朝メシまで。お正月SP[字]
1月1日(水) 23:15〜00:15
なぜ早朝から並ぶ?伊勢神宮に290人の大行列!伊勢の伝統(秘)朝メシとは!?
伊勢神宮舞楽
1月2日(木) 05:40〜05:55
番組内容
伊勢神宮・正月初神楽。令和7年の演目は「納曽利(なそり)」。
別名「双龍舞」と呼ばれ、雌雄の龍が舞い遊ぶさまをあらわした舞。
平安時代には左方蘭陵王の番舞として、勝利を祝う際に舞われた。
「破」と「急」の二部から構成されており、頗る調子が良く活気に満ちた曲となっており、二匹の龍が楽しげに遊ぶように舞うさまは、活発な中にもどこか荘重な趣の感じられる舞である。