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NHK【運転席からの風景 東武東上線】池袋から秩父の玄関・寄居へ75km!全39駅の沿線風景と歴史をたどる旅|2025年3月29日放送

池袋から寄居へ75キロ、39駅をたどる絶景鉄道旅|2025年3月29日放送

2025年3月29日(土)の深夜、NHK総合で放送された「運転席からの風景 東武東上線」は、東京都心・池袋から埼玉県の寄居まで、全長およそ75キロの東武東上線を運転士の目線で追いかけたドキュメンタリー番組でした。全39駅、踏切148か所、他社路線との接続や沿線の名所もたっぷり紹介され、鉄道ファンはもちろん、普段利用している人にとっても新しい発見がある内容でした。開業から100年以上の歴史を持つ東武東上線の魅力を、映像とともにたどる1時間。放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。

東上線のルーツと出発点・池袋から下板橋

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旅の始まりは池袋駅。この駅は、東武東上線の始発駅であると同時に、JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、さらに東京メトロ丸ノ内線・有楽町線・副都心線など、多くの路線が集まる巨大ターミナル駅です。ホームや改札には多くの人が行き交い、まさに東京の交通の中心地という雰囲気です。高層ビルが立ち並び、都市の風景を背にして列車は出発します。

列車が動き出してすぐ、最初の駅・北池袋駅に到着します。このあたりでは、列車の右側に埼京線、左側に山手線が見えることがあり、三つの路線が並行して走る迫力のある光景が楽しめます。鉄道好きの人にとっては、たくさんの列車が行き交う様子が見られる貴重な場所です。

北池袋を出て少し走ると、次の駅・下板橋駅に到着します。この駅は、東上線の開業当時の起点駅でした。現在のように池袋が始発ではなかったのです。この歴史を記念して、駅前には「東上鉄道開業記念碑」が建てられており、今も大切に保存されています。

当時の「東上鉄道」は、東京から埼玉、さらに群馬県・上州までをつなぐ予定で構想されていた鉄道路線でした。実際にはそこまでのびることはなかったものの、今の東上線の一部にその夢が受け継がれています。

下板橋駅の近くには、車両を留めておく留置線もあり、池袋方面から折り返す車両が停まっている様子が見られます。このエリアでは鉄道の運行を支える設備が集まっていて、日々多くの列車の運用が調整されています。

  • 池袋〜下板橋間は、他路線との交差が多い区間

  • 下板橋駅には、開業当時の名残を示す記念碑がある

  • 昔の起点は下板橋で、池袋ではなかった

  • 留置線には折り返し列車が待機する様子も見られる

  • 埼京線・山手線との並走で鉄道ファンにも人気

このように、池袋から下板橋のわずかな区間にも東武東上線の始まりの歴史や現在の鉄道の姿がたっぷり詰まっています。列車に乗りながら外の景色を見るだけでなく、その背景にある歴史を知ると、いつもの風景がぐっと面白く感じられます。

駅ごとの特色があふれる東京区間の旅

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東武東上線の東京区間は、都市の真ん中を走りながらも、地域の暮らしに密着した風景が広がるのが大きな特徴です。下板橋から大山駅のあたりは、特に踏切の多さが目立ちます。都内にある東武東上線の踏切はなんと43か所、路線全体では148か所もあります。これは都内の私鉄の中でももっとも踏切が多い路線のひとつで、道路と鉄道が交差する場面が頻繁に見られる区間です。

下板橋駅のすぐそばには留置線があり、池袋駅からの車両がいったんここに入って待機する様子が紹介されました。実際の運行では、この場所を使って折り返しや車両の整理が行われており、目立たないけれど大切な鉄道の裏側を知ることができます。

次に列車が向かうのは大山駅。ここでは駅のすぐ近くにある「ハッピーロード大山商店街」が映し出されました。この商店街は約560メートルにもおよぶ長いアーケードが続き、八百屋さんやお惣菜屋さん、昔ながらの雑貨店など、地元に根ざしたお店が軒を連ねています。商店街のすぐそばには踏切があり、買い物帰りの人と列車がすぐそばを行き交う風景がとても印象的でした。

このように、踏切を渡るたびに「電車が来るかも」と注意を払う生活の一部として、東武東上線が地域に溶け込んでいることがよく分かります。

列車はその後、中板橋駅へ。ここからときわ台、上板橋、東武練馬と駅を進むにつれて、車窓には住宅街の風景が広がっていきます。マンションや一戸建てが並ぶ静かな街並みを、列車がすり抜けるように走る様子は、都心とはまた違った「暮らしの中の鉄道」という印象を受けます。

  • 下板橋〜大山間では踏切の多さが際立つ

  • 留置線では折り返し列車が入庫し、運行を支える拠点に

  • 大山駅周辺には地元で親しまれるハッピーロード商店街

  • 商店街と踏切が隣接し、電車と生活が密接に共存

  • 中板橋〜東武練馬間では、静かな住宅地を縫うように列車が走る

この東京区間では、鉄道がただの移動手段ではなく、まちの一部として息づいていることがよく伝わってきます。電車の通過音や踏切の音が日常のBGMとなっている風景。そんな身近な存在として、東武東上線は東京のまちと人々の暮らしを今もつなぎ続けています。

成増から副都心へ広がる鉄道ネットワーク

下赤塚から成増、そして和光市にかけての区間は、鉄道の乗り入れや接続がとても充実しているエリアです。列車に乗っていると、すれ違う車両の数が増え、線路の数も多くなり、にぎやかな印象が強まっていきます。特にこの区間は、東京メトロと東武線が並んで走るエリアであり、複数の鉄道会社が連携しながら列車を走らせている様子が間近に見られます。

成増駅の手前では、車両基地に向かう東京メトロの車両や、池袋から直通運転してくる列車が複雑に行き交い、鉄道ファンにとっては撮影や観察のポイントが多い区間です。映像でも、いろいろな種類の車両が通過していく様子がテンポよく映し出され、普段の乗車では気づきにくい運行の工夫が紹介されていました。

成増駅周辺では、沿線にある学校や住宅地のほか、成増ダイエー前の高架橋や商業施設が見え、街の中を鉄道がしっかりと支えている様子が伝わってきます。列車が走るたびに、日常の風景にリズムが生まれます。

和光市駅に到着すると、雰囲気が大きく変わります。この駅は、東武東上線と東京メトロ有楽町線・副都心線が接続するターミナル駅であり、都心部と埼玉南部をつなぐ交通の要所です。さらにここからは、メトロの車両が東武東上線を通って直通運転するため、車両のバリエーションが非常に豊かで、視覚的にも飽きない区間になっています。

  • 成増〜和光市間は多くの路線と車両が集中

  • 成増駅では東京メトロの車両が頻繁に通過

  • 和光市駅は東武とメトロをつなぐ重要拠点

  • 路線ごとの乗り入れと行き交いが複雑に重なる

さらに列車が進むと、朝霞駅、朝霞台駅に到着します。朝霞台駅はとても特徴的で、ホームのすぐ上をJR武蔵野線の列車や貨物列車が通過する構造になっています。このように複数の路線が立体的に重なり合う構造は全国でも珍しく、映像で見てもその迫力が伝わってきました。

朝霞〜朝霞台エリアは、住宅街の中にありながらも鉄道の動きが活発で、まちと鉄道が共に生きている場所です。運行の工夫、路線の重なり、車両の多様性。すべてがぎゅっと詰まった鉄道交差点のような区間です。普段の通勤通学でも利用されるこのエリアが、実は鉄道ファンにも注目されているエリアであることが番組からよく伝わってきました。

富士山の絶景と川の風景に出会う中盤の旅

東武東上線の中盤にさしかかると、列車の車窓から見える景色が一変します。志木駅を過ぎたあたりから、高層ビルが減り、自然の緑や川の流れが広がる風景が顔を出し始めます。日々の暮らしに根ざした住宅街の風景のなかに、木々や水辺の風景がやさしく溶け込んでいく様子が、沿線の変化を感じさせます。

なかでも特に印象的なのが柳瀬川駅周辺です。この駅のすぐ近くを流れる柳瀬川は、川沿いに遊歩道も整備され、季節の花々や鳥の声が楽しめるのどかな場所です。番組では、ここから見える富士山と川と電車が一度に収まる景色が紹介され、鉄道写真の名所としての魅力が語られていました。晴れた日には雪をかぶった富士山が遠くにくっきりと見え、手前には柳瀬川を渡る東上線の列車。自然と鉄道と日本の象徴が一枚の風景に重なる、貴重なスポットです。

柳瀬川駅から先、みずほ台、鶴瀬、ふじみ野と駅を進むにつれて、住宅街の中にもゆったりとした空気が流れ始めます。ふじみ野駅周辺には大きなショッピングモールもあり、生活と自然のバランスが取れたエリアとして人気があります。続く上福岡、新河岸では、さらに穏やかな住宅地が広がり、乗客も日常生活の一部としてこの風景を楽しんでいる様子が伝わってきました。

そして列車は、埼玉県内でも有名な観光地・川越駅に到着します。ここではJR川越線と東武東上線が並走するシーンが登場し、異なる鉄道路線が同じ方向に協力して走る様子が映されました。まるで2つの路線が肩を並べて地域を支えているような、そんな連携の姿が印象的です。

川越駅の次、川越市駅では、まさに観光の拠点としての風景が広がります。駅から歩いてすぐの場所にある「蔵造りの町並み」や「時の鐘」は、江戸時代の面影を残す川越の象徴的なスポットです。番組では、蔵の重厚な建築や、石畳を歩く人々の様子が映され、鉄道と歴史あるまちの結びつきが丁寧に描かれていました

  • 柳瀬川駅付近では、川と富士山と列車が一望できる撮影名所

  • 志木〜新河岸間は自然と住宅地が共存する穏やかな区間

  • ふじみ野駅周辺には大型商業施設もあり、生活の便利さも充実

  • 川越駅ではJR川越線と並走し、路線間の協力関係を実感

  • 川越市駅は観光地「小江戸川越」への玄関口

この区間では、都市と自然、現代と歴史がやわらかく混ざり合いながら、東武東上線という路線がそれらすべてをやさしくつなぎ続けているという印象を受けます。日常の中にある美しさを再発見できる、そんな旅が続いていきます。

入間川を越えて坂戸・東松山へ

川越市駅を出発した列車は、霞ヶ関、鶴ヶ島、若葉、そして坂戸へと進みます。この区間には、大正5年(1916年)に入間川を越えて延伸されたという重要な歴史がありました。開業からわずか2年後、入間川を渡る橋を建設し、この地域への鉄道の延伸が実現したのです。映像では、当時の延伸工事の記録や、川の流れとともに走る現在の列車の姿が映され、大正時代から続く鉄道の歩みが感じられました。

特に坂戸駅は、東上線の中でも重要な分岐点です。ここからは、東武越生線が分岐しており、列車を乗り換えることで梅の名所として有名な越生(おごせ)方面へ向かうことができます。番組でも、春になると多くの人が訪れる越生梅林や、越生線のローカルな風景が紹介され、観光と地域のつながりが鉄道によって支えられていることがわかりました。

坂戸を過ぎると、列車は北坂戸、高坂、東松山と続きます。この区間は、沿線の風景がさらに広がりを見せ、のどかな田園地帯と河川、そして遠くに山並みが見える美しい景色が特徴です。なかでも、越辺川(おっぺがわ)や都幾川(ときがわ)といった清流を渡る場面は印象的で、川の水音や風にそよぐ木々の様子まで伝わってくるような映像でした。

  • 坂戸駅では越生線が分岐し、観光地・越生へのアクセス拠点

  • 入間川を越えた延伸区間には大正時代の努力が詰まっている

  • 北坂戸〜東松山間では、川と山と鉄道が共演する絶景が広がる

  • 天気が良ければ富士山が見える撮影ポイントも点在

特に高坂駅から東松山駅までの区間は、富士山が見えるスポットとしても番組内で取り上げられました。線路沿いには桜の木が植えられている場所もあり、春には桜・川・富士山・列車という贅沢な組み合わせが楽しめる場所として、鉄道ファンやカメラマンたちに親しまれています。

この区間は、都会の喧騒から離れ、自然に包まれた空間のなかを走る東上線の魅力が色濃く現れる部分です。川のせせらぎや、空の広がり、遠くに見える山の稜線。鉄道が風景の一部として溶け込んでいる、そんなやさしい景色が続きます。旅はさらに秩父方面へと向かい、自然との一体感が深まっていきます。

終盤は山と川の絶景、そして歴史のまち・寄居へ

東武東上線の旅もいよいよ終盤。森林公園、つきのわ、武蔵嵐山、小川町と続くこの区間では、車窓に映る景色がさらに豊かに、そして穏やかになっていきます。線路は徐々に山間に入り、緑が深まり、周囲を山に囲まれたのどかな風景が広がります。春には新緑、秋には紅葉と、四季の変化がとてもよくわかるエリアで、列車に乗っているだけで季節を感じられるのが魅力です。

小川町駅に近づくと、鉄道に詳しい人なら注目するポイントが登場します。それがJR八高線との並走区間です。2つの路線がすぐ隣を走るシーンは、鉄道ファンにとって貴重な見どころで、異なる会社の列車が共に走る光景は見ていてわくわくします。また、小川町駅は八高線と東武東上線の接続駅でもあり、埼玉県西部から群馬・八王子方面へと広がる鉄道網の要所にもなっています。

小川町駅を出てすぐの東武竹沢駅周辺では、ちょっとしたハイキング情報も紹介されました。駅から徒歩約25分で登れる山道を進むと、町を一望できる展望スポットがあり、小川の景色を広く見渡すことができると紹介されました。鉄道の旅に少し足をのばして、自然の中に身を置く楽しみ方もできる、そんな提案も心地よい内容です。

続くみなみ寄居駅は、2020年に開業したばかりの新しい駅です。この駅の特徴は、自動車工場と駅が連絡通路で直結している点です。このように、駅が単なる通過点ではなく、地域の産業と直結し、働く人のためのインフラとして機能している現代的な姿が描かれていました。駅を利用する人の目的も、通勤、観光、買い物とさまざまで、鉄道が地域と深く関わっていることが実感できます。

列車はさらに進み、男衾(おぶすま)、鉢形、玉淀と、終点へ向けて最後の駅を通過します。このあたりでは、荒川沿いの景色が一気に開け、川と山の織りなす大パノラマが広がります。特に玉淀駅付近では、作家・田山花袋がその美しさを絶賛したというエピソードも紹介され、文学と風景が重なる情緒ある時間が流れます。カメラは、川面に映る光や鳥の羽ばたきをとらえ、自然と人が共にある風景を丁寧に描き出していました。

そしてついに終点、寄居駅に到着します。ここは秩父鉄道と接続する交通の要衝であり、埼玉県北西部・秩父方面への玄関口です。寄居の町には、鉢形城跡や歴史ある街並みが残されており、鉄道旅の終わりにふさわしい落ち着いた風景が広がっていました。

  • 森林公園〜小川町:山に囲まれた四季の風景が魅力

  • 小川町〜東武竹沢:JR八高線と並走する貴重な区間

  • 東武竹沢駅近くには展望ハイキングコースあり

  • みなみ寄居駅:工場と直結した新しい駅のかたち

  • 男衾〜玉淀:荒川沿いに広がる絶景、文学の舞台にも

  • 寄居駅:秩父鉄道と接続する歴史ある終着駅

この終盤の区間は、自然の美しさと地域の歴史、そして鉄道の機能が一体となって現れる見どころ満載のルートです。都市から始まった旅が、山と川に囲まれた穏やかなまちへとたどり着く流れのなかで、東武東上線が果たしている大切な役割が、映像を通してしっかりと伝えられていました。鉄道は人の移動を支えるだけでなく、まちの営みそのものに深く関わっている存在だということを改めて感じさせられる、心に残るラストシーンでした。

まとめ

「運転席からの風景 東武東上線」は、東京から埼玉へ、都市から自然へと移り変わる景色を運転士の視点でじっくりと紹介した番組でした。単なる移動手段ではなく、東武東上線には歴史、文化、地域の暮らし、自然の美しさがぎゅっと詰まっていることが映像から伝わりました。

通勤や通学で毎日使っている人も、あらためてこの番組を見ることで、沿線の町や駅にもっと興味を持てるようになります。次に東武東上線に乗るときは、窓の外をゆっくり見てみるのもおすすめです。

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