ヒロインたちが語る、BK朝ドラ大特集|時代を超えて愛される“朝の物語たち”
「子どもの頃、母と一緒に見た朝ドラ」「出勤前の15分が一日の元気のもとだった」――そんな記憶を持つ人も多いのではないでしょうか。
NHK大阪放送局(通称BK)が生み出してきた朝ドラには、世代を超えて愛される名作が数多くあります。
2025年10月13日放送の『ヒロインたちが語る BK朝ドラ大特集』では、時代ごとの名作や撮影の裏話、ヒロインたちの“本音”までが明かされました。
この記事では、すべてのエピソードを丁寧に振り返りながら、BKが作り上げてきた“人間ドラマの歴史”を深く掘り下げます。
BKとは何か?大阪が生んだ朝ドラの聖地
番組冒頭では、司会を務めた濱田マリと青木崇高がオープニングトークを展開。
BKという呼び名は、NHK大阪放送局のコールサイン「JOBK」に由来すると説明されました。
この放送局こそが、『カーネーション』や『まんぷく』『ちりとてちん』『カムカムエヴリバディ』といった数々の名作を生み出してきた、朝ドラのもう一つの“ふるさと”です。
大阪の人情とユーモア、そして“生きる力”を描き続けてきたBK朝ドラ。その原点が語られた今回の特集には、多くのファンが熱い視線を送りました。
スターの登竜門!第1作『うず潮』から始まった挑戦
BKの朝ドラ第1作は、1964年放送の『うず潮』。作家林芙美子の生涯を描いた物語で、当時新人の林美智子がヒロインに選ばれました。
脚本は田中澄江、構成に田辺聖子が参加。文学の香り漂う作品として注目を集め、これが後の“スター発掘ドラマ”の礎となりました。
以降、『ええにょぼ』『おはようさん』『てるてる家族』『虹を織る』など、多くの新人俳優がこのBKから巣立ち、全国区のスターへと成長していきます。
山口智子、布施博、秋野暢子、紺野美沙子――その系譜は今なお続き、BKはまさに“スターの登竜門”と呼ぶにふさわしい存在です。
若村麻由美が涙で語る『はっさい先生』の青春
1987年放送の『はっさい先生』でヒロインを務めた若村麻由美。江戸っ子気質の大工の娘が関西の学校で教師として奮闘する物語で、関西弁に苦労しながらも撮影を乗り越えました。
彼女は「毎日思うようにできず、泣きながら寝た夜もあった」と振り返りながら、「それでも現場で支えられたことが今の自分の原点になった」と語りました。
また、当時彼女が乗っていた自転車が、後に『カムカムエヴリバディ』で上白石萌音が使用したものと同じだったことが明かされ、世代を超えた“ヒロインのバトン”として話題になりました。
“笑いと涙”の原点をつくった『心はいつもラムネ色』と『ちりとてちん』
BKの朝ドラが特に得意とするのは、“笑い”と“情熱”を織り交ぜた人間ドラマ。
1984年の『心はいつもラムネ色』は、漫才作家の人生を通して“笑いの昭和史”を描いた名作です。脚本は冨川元文、主人公を支えたのは藤谷美和子と新藤栄作。軽快なテンポの中にも、人間の哀しさがにじむ物語でした。
そして2007年放送の『ちりとてちん』では、貫地谷しほりが落語家を目指すヒロインを熱演。師匠役の松尾諭や青木崇高との掛け合いが話題を呼びました。青木は「撮影中、落語の世界の深さを痛感した。映像で伝えるために、言葉の一つ一つに魂を込めた」と語りました。
この作品以降、BKは“笑いで人生を描くドラマ”という新しいジャンルを確立します。
杉咲花が語る『おちょやん』の魂
2020年放送の『おちょやん』は、戦前から昭和にかけて実在の女優をモデルにした物語。ヒロイン杉咲花は、関西弁のセリフに苦労しながらも「千代の生き方に励まされた」と語りました。
ドラマ内の喜劇シーンでは、実際の舞台台本を忠実に再現。脚本を手がけた谷津弘幸は「当時の大阪の笑いの力を、現代に伝えたかった」とコメント。杉咲は「作品全体が“人を笑顔にする力”を信じていた」と話し、涙ぐみながら思い出を語りました。
双子のヒロインが挑んだ『ふたりっ子』の革新
1996年の『ふたりっ子』では、三倉佳奈と三倉茉奈が双子のヒロインを演じ、当時の朝ドラでは異例の設定として注目を集めました。
脚本家の大石静は「“良い子が努力して報われる物語”ではなく、人の中にある光と影を描きたかった」と語り、天使と悪魔の心を持つ双子という設定を生み出しました。
この挑戦的なテーマは、多くの視聴者の共感を呼び、朝ドラに新たな風を吹き込むきっかけとなりました。
外国人ヒロインの誕生『マッサン』で変わった朝ドラの常識
2014年放送の『マッサン』は、初めて外国人ヒロインを迎えた作品として歴史に残る朝ドラ。
アメリカ・オハイオ出身のシャーロット・ケイト・フォックスは、「日本語の台本が覚えられず、泣きながらプロデューサーに電話した」と明かしました。
そのときプロデューサーが家に来て手料理をふるまい、励ましたというエピソードに、スタジオは感動の空気に包まれました。
共演した濱田マリは「彼女がセリフを忘れたことは一度もなかった。撮影が終わると、次の台本の発音練習を始めていた」と称賛。
フォックスは次回の朝ドラ『ばけばけ』(脚本:ふじきみつ彦、出演:高石あかり、トミー・バストウ)にも出演予定で、その再登場に期待が高まっています。
“食”を描く朝ドラの温もり
BKが描くもう一つの魅力は、“食”の力を通して人の絆を描くこと。
『ごちそうさん』(脚本:森下佳子、主演:杏)では、食でつながる夫婦と家族の物語を。
『てっぱん』(脚本:今井雅子・寺田敏雄、主演:瀧本美織)では、広島風お好み焼きを通して“人と人をつなぐ味”を描きました。
瀧本は「合格をサプライズで知らされたとき、涙が止まらなかった」と語り、「スタジオで過ごした時間は尊い青春だった」と笑顔で振り返りました。
さらに『まんぷく』では、安藤サクラが“インスタントラーメンを発明する夫婦”の妻を熱演。撮影半年前に出産していた彼女は、「母としても女優としても全力でいたい。朝ドラの時間を幸せに過ごすのが戦いだった」と話しました。
この作品の影響で、オーディションには“子どもがいる女性”も挑戦するようになり、朝ドラのヒロイン像を広げたといいます。
戦争の時代を生きたヒロインたち
BKの作品には、戦争を描いたドラマも多くあります。
『カムカムエヴリバディ』では、上白石萌音、川栄李奈、深津絵里の三世代がラジオ放送を通して戦中・戦後を生き抜く姿を描きました。
一方で『カーネーション』(主演:尾野真千子)では、洋服作りに命をかけた女性の半生を通じて、戦争が奪ったものと希望を描き出しました。
夫役の尾上寛之は「撮影中の記憶が曖昧なほど、感情が込み上げた」と語り、尾野は「命を懸けて生きる人たちがいたからこそ、いいドラマになった」と涙を浮かべました。
濱田マリも「命が尽きる瞬間までを描いた脚本に胸を打たれた」とコメント。リアルな戦争描写と人間ドラマの融合が、BK朝ドラの真髄を象徴しました。
“BKは家のような場所”――ヒロインたちが語る現場の絆
番組の終盤では、「あなたにとってBKとは?」という質問に対し、出演者たちがそれぞれの想いを語りました。
尾野真千子は「BKは家のような存在。帰ってくる場所がある」と語り、大石静は「ふたりっ子が終わったあと、大阪に住みたいと思った」と笑顔で振り返りました。
尾上寛之は「みんな楽屋があるのに、なぜかロビーで語り合っている」と現場の温かさを話し、松尾諭は「東京よりも作品について話し合う時間が多い」と語りました。
杉咲花は「120%を出し切る熱意があふれた現場」と語り、青木崇高は「大変でも温かい空気に何度も救われた」としみじみ語りました。
視聴者が選ぶ“忘れられない朝ドラ”は『カムカムエヴリバディ』
最後に紹介された視聴者アンケートでは、『カムカムエヴリバディ』が見事1位を獲得。
3世代にわたるヒロインの物語、ラジオを通じて時代を越えてつながるテーマが、多くの人の心に響きました。
“笑い”“食”“戦争”“挑戦”――さまざまな要素を通して、BK朝ドラは常に“生きることの意味”を描いてきたのです。
この記事のポイント
・BK(NHK大阪放送局)は1964年『うず潮』から続く“朝ドラのもう一つの故郷”
・若村麻由美、杉咲花、安藤サクラらが語るヒロインの素顔と努力
・『マッサン』や『ふたりっ子』など挑戦的な作品が時代を変えた
・“食”と“笑い”で描かれる人間ドラマがBKの真髄
・視聴者の心に残る朝ドラ1位は『カムカムエヴリバディ』
BK朝ドラの魅力は、ただのドラマではなく、“生き方そのもの”を描いていること。
一人ひとりのヒロインが、私たちに勇気と希望を届けてくれる――それがBKの物語が長く愛される理由です。
(ソース:NHK公式番組情報 https://www.nhk.jp/)
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