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【NHKスペシャル】マレーシア5万人が熱狂!宗教を越えた盆踊りとブラジル「マツリダンス」に見る世界のボンダンス革命|2025年11月3日

NHKスペシャル
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世界をつなぐ「盆踊り」ブームの裏側とは?文化と宗教の狭間で生まれる“輪”の力

夏の夜、提灯が灯り、太鼓の音に合わせて輪になって踊る——そんな日本の原風景「盆踊り」。けれど今、この光景が国境を越え、世界中で広がっているのを知っていますか?この記事では、2025年11月3日放送のNHKスペシャル『盆踊り 民族・宗教を越えて広がる情熱の輪!新ジャポニズム第5集』をもとに、世界で愛される盆踊りの現在地を追います。宗教との衝突や、多文化の共生、そして踊ることで生まれる一体感——その背景には、単なる“夏祭り”を超えた深い意味がありました。

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マレーシアの夜空を照らす提灯の海 5万人が踊る“国民的イベント”に成長

番組の冒頭で描かれたのは、東南アジアの多民族国家マレーシア。首都クアラルンプールのショッピングモールで行われた盆踊り会場には、マレー系、インド系、中国系など、宗教も文化も異なる人々が集まりました。提灯が吊るされた広場は、夜になると赤やオレンジの光に包まれ、花笠音頭のリズムに合わせて5万人が一斉に踊り出す圧巻の光景に。

この盆踊りは、もともと1971年にクアラルンプール日本人学校の校庭で行われた小さな行事から始まりました。最初は日本人コミュニティのためのお祭りでしたが、地元の人々がその太鼓の音に惹かれて自然に集まり、一緒に踊るようになったのです。その輪が少しずつ広がり、1980年代にはマハティール・ビン・モハマド元首相による「ルックイースト政策(日本を見習え運動)」をきっかけに、日本文化への関心が一気に高まりました。やがて会場は校庭を飛び出し、ホッケー場、そしてサッカースタジアムへと拡大。2019年には3万人以上が参加するまでになり、今では“夏の風物詩”として定着しています。

しかし2022年、状況が一変します。宗教問題担当大臣イドリス・アハマド氏が「イスラム教徒は盆踊りに参加しないように」と勧告を出したのです。理由は「盆踊りが祖先信仰に基づいた宗教行事だから」。イスラム教では唯一神アッラーへの信仰を重んじるため、他の宗教的要素を持つ行事への参加は避けるべきという見解でした。

この発言が報じられると、SNSでは賛否両論が飛び交いました。「盆踊りは宗教ではなく文化」「踊りに信仰は関係ない」など、さまざまな意見が交錯。国全体を巻き込む大論争となります。そんな中、開催地であるセランゴール州のスルタン・シャラフディン・イドリス・シャー氏が「盆踊りは文化祭典であり、宗教行事ではない」と声明を出したことで事態は沈静化。開催が決定すると、逆に例年以上の人々が集まり、5万人の観客が熱狂しました。

異文化コミュニケーションの専門家シュハイダ・マド・ノールさんは「盆踊りの強みは、誰もが一緒に楽しめること。民族や宗教を超えて人々を結びつける稀有なイベント」と語ります。マレーシアではこの盆踊り以外、全員が宗教の壁を越えて集まるイベントは独立記念日くらいしかないそうです。つまり盆踊りは、国民をつなぐ“第2の祝祭”としての役割を果たしているのです。

異なるルーツを超えて踊る 日本文化に魅せられた若者たち

番組では、盆踊りを通じて人生が変わった若者、イシャーニ・クリシュナサミーさんの姿も紹介されました。マレー系の父、インド系と中国系のルーツを持つ母のもとに生まれたイシャーニさんは、幼いころから多文化に囲まれて育ちました。10歳の時に日本のアイドルグループ『AKB48』に出会い、ファン活動を通じて日本語を独学。動画や歌詞を見て学ぶうちに、自然と日本語が話せるようになったといいます。

そんな彼女が初めて盆踊りに参加したのは大学時代。そこで感じたのは“文化の垣根を越えた一体感”。ステージで流れる太鼓のリズムに合わせて見知らぬ人と踊るうちに、「自分のルーツに関係なく、同じ空気を共有できる」喜びを実感したといいます。イベントで配られるうちわを今も大切に保管しており、「このうちわを見るたびに、あの夜の感動を思い出す」と語っていました。

盆踊りを通じて日本文化を好きになり、日本語を学び、日本に留学を志す若者も増えています。盆踊りは今や、国際交流の“入り口”としての役割を担っているのです。

日本の原点を訪ねて 岐阜・郡上おどりの魂に触れる

盆踊りのルーツを探るため、シュハイダさんは日本の岐阜県郡上市を訪れます。ここで行われる『郡上おどり』は、日本三大盆踊りの一つに数えられ、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。一夏で30夜以上続く“日本一ロングランの盆踊り”としても有名です。

この郡上おどりが広まった背景には、江戸時代の百姓一揆という悲しい歴史がありました。重税に苦しむ農民たちが蜂起しましたが、幕府の弾圧で地域は分断。新たに赴任した城主が人々の融和を願って踊りを奨励したことから、盆踊りが「和解の象徴」として受け入れられました。

今でも夜通し踊る人々の姿には、過去の悲しみを乗り越え、心をひとつにしようとする精神が息づいています。郡上の輪の中には、宗教や国籍ではなく、“共に生きる”という人間の原点がありました。

ブラジル発「マツリダンス」 J-POPが生み出す新しい踊りの形

物語の舞台は次にブラジルへ。サンバの国で、いま熱気を帯びているのが“盆踊りを進化させた新しいスタイル”——『マツリダンス』です。主催するのはグルーポ サンセイという日系人団体。創設者のミチコ・シロマさんと振付師のレベッカ・シルヴァさんは、「誰でも気軽に参加できる踊りを作りたい」という思いで始めたといいます。

会場では『ギザギザハートの子守唄』『気分上々↑↑』『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』など、日本のヒット曲が次々に流れます。太鼓の音に乗せて、子どもから高齢者までが笑顔で踊る光景はまさに圧巻。サンバのような激しさではなく、誰もが“間違えても楽しい”踊りが人気の理由です。今ではブラジル国内40以上の都市で開催され、国民的行事として定着しています。

このマツリダンスの原点は、1950年代に日本から移住した日系1世たちが伝えた盆踊りでした。ミチコさんの父も1958年に沖縄から移住した1人。戦後の混乱期を経て、新天地ブラジルで心の支えとなったのが、日本の祭り文化でした。彼女たちはその伝統を受け継ぎながらも、若者にも響くようにJ-POPを取り入れ、リズムと情熱を融合。今ではブラジルの若者文化の一部として根付いています。

日本でも進化する盆踊り 白鳥おどりの“スピード革命”

そして日本の岐阜県白鳥町では、400年の伝統を持つ『白鳥おどり』が新しい進化を遂げています。地元の若者たちが参加するようになり、テンポがどんどん速くなったのです。今では“世界最速の盆踊り”とも呼ばれる曲『世栄』が大人気。太鼓と笛が鳴り響く中、参加者たちは息を切らせながらも笑顔で踊り続けます。マレーシアのシュハイダさんやイシャーニさんもこの踊りに参加し、文化の違いを超えた一体感に感動していました。

盆踊りの原型には、400年前の風流踊りという仮装行列の文化があります。秋田や大分ではキツネに扮したり、パッチワークの着物を身にまとって踊るなど、各地に多様なスタイルが存在します。音楽や衣装を時代ごとに進化させること——それこそが、盆踊りのDNAなのです。

踊りが伝えるメッセージ 世界をつなぐ“輪”の意味

番組のラスト、朝焼けの中で踊りを終えた人々が笑顔で語り合う場面が印象的でした。そこにあったのは、宗教でも民族でもなく、“人間そのもののつながり”。

盆踊りは亡くなった人への祈りから生まれた行事ですが、今では“生きる人々を結ぶ祭り”へと進化しています。太鼓の音が鳴れば、誰もが手を取り合い、見知らぬ人とも自然に笑い合える。そこには国境も宗教も関係ありません。

踊りは言葉を超え、心を通わせる最もシンプルなコミュニケーション。マレーシアでも、ブラジルでも、日本でも、人々が同じリズムで踊るその瞬間、世界が一つの輪になるのです。

まとめ

この記事のポイントは3つです。
・マレーシアでは宗教論争を越えて、盆踊りが国民を結ぶ祭典に成長
・ブラジルでは日系人が生み出した『マツリダンス』がJ-POP文化として定着
・日本の郡上・白鳥では伝統を守りながらも、若者が新しい形に進化させている

「踊り」はただの動作ではなく、人々の心をつなぐ“共感の言語”。
国も文化も違う人たちが、太鼓のリズムひとつで笑顔になる——そんな奇跡が、今、世界中で起きています。

(情報出典:NHKスペシャル『盆踊り 民族・宗教を越えて広がる情熱の輪!新ジャポニズム第5集』2025年11月3日放送)

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