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【NHKスペシャル】盆踊り 民族・宗教を越えて広がる情熱の輪!新ジャポニズム5集 マレーシアBon Odori2025と郡上おどりに見る“文化と宗教の境界線”|2025年11月3日★

NHKスペシャル

世界をつなぐ踊りの輪へようこそ!盆踊りが国境を越える日

日本の夏と聞くと、多くの人が思い浮かべるのが「盆踊り」です。夜風の中で響く太鼓の音、浴衣姿の人々が作る大きな輪、そして笑顔にあふれた光景。もともとは先祖の霊を迎え、感謝を込めて踊る行事でしたが、今その盆踊りが海を渡り、世界のあちこちで新しい文化として花開いています。マレーシアでは5万人が参加する巨大フェスが行われ、ブラジルでは若者がJ-POPのリズムで踊り明かす。なぜこんなにも多くの人が、国や宗教の違いを超えて踊りに惹かれるのでしょうか。この記事では、その“世界の盆踊りブーム”の背景と魅力を深掘りしていきます。

マレーシアで広がる「Bon Odori Festival」―5万人が熱狂する夜

東南アジアのマレーシアでは、Bon Odori Festival(ボンオドリ・フェスティバル)が年々盛り上がりを見せています。開催地は港町シャー・アラム。日本の夏祭りを再現するイベントとして1977年にスタートし、今では2日間で延べ5万人が集まるほどの人気です。太鼓や浴衣、屋台、提灯など、日本らしい風景が夜空に広がり、まるで現地に“小さな日本”が出現したかのよう。

この祭りを支えるのは、マレーシア日本人会ペナン日本人会、地元自治体、そして多くのボランティアたち。現地の人々にとっても「日本文化を体験する貴重な場」として定着し、家族連れや学生、観光客までが思い思いに輪に加わります。浴衣を着たマレーシア人、太鼓を叩く地元の高校生、そして日本語の歌に合わせて踊る外国人留学生。宗教や民族の違いを越え、まさに「多文化共生の象徴」となっています。

一時期は「盆踊りは宗教行事ではないか」という議論も巻き起こりました。イスラム教徒の多いマレーシアでは、宗教的な儀式とみなされることを懸念する声があったのです。しかし、現地の日本大使館や主催者は「宗教行事ではなく、文化イベントである」と明言。結果、今では政府関係者や教育機関も積極的に支援し、安心して楽しめる国際的なイベントとして根づいています。

ブラジルに誕生した「進化系盆踊り」―J-POPで踊るマツリダンス

南米のブラジルでも、盆踊りはすでに長い歴史を持っています。日系移民が100年以上前に日本の文化を持ち込み、いまでは各地で毎年恒例の「盆踊り大会」や「日本祭(フェス・ド・ジャポン)」が開催されています。特にサンパウロ州のリベルダーデ地区やパラナ州マリンガでは、数千人規模の踊りの輪が広がり、ブラジルの夏の風物詩にもなっているのです。

最近注目されているのが、『マツリダンス』と呼ばれる進化系盆踊り。伝統的な音頭に代わって、J-POPやアニメソング、さらにはクラブミュージックまでが使用され、若者たちが自由にリズムを刻みます。照明が彩るステージ、DJが流す音楽、ダンサーのパフォーマンス。もはや“踊りの祭典”としての側面が強く、ブラジル人と日系人が一緒に盛り上がる新たなカルチャーとなっています。

あるダンサーは「日本の文化を踊りで表現できるのが楽しい」と語り、地元メディアも「マツリダンスは友情と調和の象徴」と評価。こうして、日本の盆踊りが“ブラジル流”に進化し、言葉や国境を超えて若者文化の中心に溶け込んでいるのです。

郡上八幡の「徹夜踊り」―マレーシア研究者が見た“つながりの原点”

海外の研究者たちも、日本の原点に興味を持ち始めています。マレーシアの大学研究チームは、盆踊りがなぜ世界で受け入れられるのかを探るため、岐阜県の郡上八幡を訪れました。ここで毎年行われる郡上おどりは、江戸時代から続く伝統行事で、日本三大盆踊りの一つとして知られています。

特に有名なのが、8月中旬に4日間行われる「徹夜踊り」。夜通し踊り続けるこの行事には、地元住民だけでなく全国から観光客が訪れます。研究者たちは、踊り手が見知らぬ人とも笑顔で輪を作る様子に驚きを隠せませんでした。宗教的儀式というより、共同体の一体感を生む社会的行事――そこにこそ、盆踊りが世界へ広がるヒントがあると感じたのです。

郡上おどりの魅力は、誰でもすぐに参加できること。振り付けを間違えても笑って続けられるおおらかさがあり、音楽と太鼓のリズムに身を任せるうちに自然と一体感が生まれます。その光景を目の当たりにした研究者は「宗教や文化を超え、人間の根本的な“共感”の力を感じた」と語りました。

盆踊りが世界をつなぐ理由―踊りの中にある4つの秘密

では、なぜ盆踊りが国境や信仰の壁を越えて広がっているのでしょうか。その理由には、踊りそのものが持つ4つの“秘密”があります。

  1. 誰でも参加できるシンプルな動き
    複雑なステップがなく、手を動かして回るだけ。年齢も国籍も関係なく、誰でも「輪」に加わることができます。

  2. 太鼓と歌のリズムが心を一つにする
    太鼓や音頭の繰り返しは、言葉が通じなくても心が通じる“共通のリズム”。マレーシアのフェスでも、太鼓隊の演奏が参加者のボルテージを高める中心的役割を担っています。

  3. 文化を“体験する”場としての魅力
    観るだけでなく、踊る・食べる・感じる。盆踊りは五感で日本文化を楽しむイベントになっています。特に海外では、寿司屋台や和太鼓体験コーナーなどもあり、日本の“夏”を丸ごと体験できるのが人気の理由です。

  4. 輪が生み出す平等と調和の象徴
    輪の中心も外側も関係なく、誰もが同じリズムで踊る。それが「平等で温かい空間」を作り出します。まさに多様性の時代にふさわしい文化です。

世界に広がる「盆踊り」は新しいジャポニズム

かつて日本文化は「アニメ」「寿司」「折り紙」などの形で世界へ広がりました。そこにいま、新たに加わろうとしているのが“踊り”です。NHKスペシャル『新ジャポニズム』の第5集では、まさにこのテーマ――「民族・宗教を越えて広がる情熱の輪」が描かれます。マレーシアの研究者たちが郡上八幡で見つけた“情熱の秘密”とは何か。ブラジルの若者がJ-POPで踊る理由とは何か。放送後には、さらに詳しいエピソードを追記し、世界の盆踊り最前線を紹介していく予定です。

まとめ

この記事のポイントは以下の3つです。

  1. マレーシアのBon Odori Festivalは、宗教ではなく文化イベントとして定着し、5万人規模の国際フェスに成長。

  2. ブラジルのマツリダンスは、J-POPや現代音楽を取り入れた進化系盆踊りで若者文化の中心に。

  3. 郡上おどりが示すように、踊りには人々を自然につなぐ“共感の力”がある。

盆踊りは、もはや日本の伝統を超えた「世界共通の文化」になりつつあります。太鼓の音が響くたびに生まれる笑顔とつながり――それこそが、2025年の今、人々が求めている“本当の平和の形”なのかもしれません。
(※本記事は放送前の情報をもとに構成しています。番組放送後、実際の放送内容や登場人物のコメントを反映して追記予定です)


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