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Eテレ【心おどる 花のある暮らし(2)器は自由】水さえあれば花器になる!日常を変える“花留め”アイデア集|2025年11月11日

心おどる 花のある暮らし

花をもっと自由に楽しもう!暮らしを変える“花留め”の世界

部屋に花を飾ってみたけれど、思ったように立たなかったり、傾いたりしてしまう。そんな経験はありませんか?せっかくの花も、バランスが取れないとちょっと残念に見えてしまいますよね。実は、そんな悩みを解決してくれるのが『花留め(はなどめ)』です。
この記事では、花を支える小さな名脇役・花留めの種類と使い方を分かりやすく紹介します。これを知れば、どんな器でも花を美しく飾れるようになります。

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花留めとは?日常の器を“花器”に変える魔法の仕掛け

花留め(はなどめ)とは、花や枝を安定させるための道具または技法です。水を張った器に花をそのまま入れても、茎が動いてバランスが崩れがちですが、花留めを使えば、意図した位置や角度で花を固定できます。
たとえば、のっぽの壺でも、平たい皿でも、水さえ入れば立派な花器に早変わり。花留めがあることで、器の個性と花の表情が引き立ち、空間に立体感や動きが生まれます。
華道家・池坊専宗も番組内で「器は自由。形にとらわれず、花と器が響き合うように」と語っていました。花留めは、その“響き”を生み出すための小さな工夫なのです。

剣山(けんざん)|伝統と現代をつなぐ王道の花留め

もっとも古くから使われてきたのが剣山(けんざん)。金属の台座に無数の針が立っており、そこに花の茎を刺して固定します。
剣山の魅力は、高さ・角度・方向を思い通りにコントロールできる点。しっかりした枝や大ぶりの花を生けるときに最適です。特に立花や生花のような、構成がはっきりした作品に向いています。
最近はガラスの器にも合うよう、透明アクリル製やカラフルな樹脂剣山も登場しています。モダンなインテリアとの相性も良く、キッチンや玄関にもなじみます。
ただし、茎が柔らかい花を刺すと傷むことがあるため、刺す前に茎をカットして強度を保つのがコツ。重めの花には、器の底に固定できる吸盤付き剣山を選ぶと安定感が増します。

吸水性スポンジ(オアシス)|初心者にも優しい万能タイプ

吸水性スポンジ、いわゆる『オアシス』は、近年もっとも身近な花留めのひとつです。スポンジに水を含ませて、そこに茎を差し込むだけ。力を入れずに簡単に固定できるので、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
特に、花材を斜めに挿したいときや、複数の花を密に配置したいときに重宝します。平たい皿やガラスボウルなど、浅い器でもしっかり固定できるのが魅力です。
オアシスを使うときのポイントは、「必ず自然に沈むまで水を吸わせる」こと。上から押すと内部に空気が残り、花が水を吸いにくくなります。使用後はカビが生えやすいので、毎回新しいものに交換しましょう。

自然素材の花留め|“こみわら”や“又木”で感じる和の趣

華道の世界では、金属製の道具が登場する以前から、自然素材が使われてきました。代表的なのが藁を束ねた「こみわら」や、枝の分かれ目を利用した「又木(またぎ)」、竹や木を組んで花を支える「配(くばり)」です。
これらの素材は、見た目にもやわらかく、花と器の一体感を生み出す効果があります。たとえば、土の器や信楽焼の花瓶に季節の枝を生けると、自然の中にあるような佇まいに。
扱いに少し慣れが必要ですが、枝ものを留める力は抜群。水に強く、繰り返し使えるのも魅力です。藁の香りや竹の節が持つ風情は、日本ならではの“暮らしの美”を感じさせてくれます。

金属板タイプ(亀甲・七宝)|構成美を楽しむ上級者向け

華道の流派によっては、『亀甲(きっこう)』や『七宝(しっぽう)』と呼ばれる穴あき金属板を使います。六角形や円形の穴に茎を通して固定することで、花と花の間隔を正確に保ち、美しいラインを描けるのが特徴です。
特に水盤などの平たい器に向いており、花の高さを揃えたり、リズム感のある配置を作るときに最適。金属板の輝きが水面に映り込み、上品な印象を演出します。
ただし、支える力は剣山ほど強くないため、軽めの花材や草花に使うのがおすすめ。

チキンワイヤー・樹脂花留め|現代の“自由な生け方”を支える

近年注目されているのが、チキンワイヤー(針金メッシュ)や樹脂球体花留めです。ワイヤーを丸めて器の中に入れるだけで、花の茎を絡ませて固定できます。
特に『フラワーフレンド』『ねっこねっと』などの球体花留めは、透明で目立たず、ガラスの器にぴったり。繰り返し使えるうえ、水の循環も妨げないのでエコな選択として人気です。
マグカップやボウル、グラスなど、日常の器にも合わせやすく、「器は自由」という今回のテーマにまさにぴったりの花留めです。

花留めを選ぶときのコツと実践アイデア

花留めを選ぶときは、器の形と花の性質を意識しましょう。

  • 高さのある花瓶 → 剣山やワイヤーで立体的に

  • 広口の皿 → オアシスや金属板で安定感を

  • 和陶器 → 藁や竹素材で温かみを

  • ガラス器 → 透明な剣山や樹脂球体で軽やかに

さらに、花の種類によっても選び方が変わります。枝ものは剣山や又木、細い茎の花はスポンジやワイヤーが適しています。
初めて使う器の場合は、水を張った状態で花留めを入れ、角度を確認しながら試してみましょう。器の深さや重心で、花の印象が大きく変わります。

“自由な器”で広がる花の楽しみ方

花留めを使えば、どんな器も花器になります。
・ワインボトル+透明剣山でモダンな一輪挿し
・平皿+オアシスでテーブルに小さな花畑
・土の壺+こみわらで季節の枝をのびやかに
・コーヒーカップ+ワイヤーで日常に小さな彩り

池坊専宗は番組で「花を飾ることは、空間に“間”を生み、人の心を整えること」と語っていました。決まりごとに縛られず、あなたの感性で“花と器の対話”を楽しんでみてください。

まとめ

この記事のポイントは次の3つです。

  1. 花留めは、花の形を美しく支えるための道具であり、花と器をつなぐ存在。

  2. 剣山・スポンジ・自然素材・金属板・ワイヤーなど、目的や雰囲気に合わせて選べる。

  3. 花留めを使えば、どんな器でも自由に花を楽しめるようになる。

花のある暮らしは、特別な日のためではなく、日々の小さな心のリセットになります。コップ一つでも構いません。そこに花と水と、少しの工夫を添えれば、あなたの部屋がやさしく変わっていくはずです。

番組の内容と異なる場合があります。

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