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NHK【3か月でマスターする絵を描く】モネ流!桜の嵐山を印象派風に描くコツ|2025年5月28日放送

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春の色彩マジック!モネの技で描く嵐山の風景

NHK総合で放送された『3か月でマスターする絵を描く』第9回は、「春の色彩マジック!〜名画に学ぶ風景画〜」と題して、印象派の巨匠クロード・モネの作品から学びながら、春の京都・嵐山の風景を描く内容が紹介されました。出演は山之内すずさんと柴崎春通先生。今回は印象派ならではの「点描」や「色の重なり」に注目し、鮮やかな春の空気を絵に込める技術を楽しく学べる放送となりました。

印象派の技法で学ぶ「春の効果」とは

今回の放送では、印象派の巨匠クロード・モネによる「ジヴェルニー、春の効果」という作品が取り上げられ、その表現方法や技術がていねいに紹介されました。この絵は、春の自然が持つ光や色の変化を柔らかく描き出しており、見る人に春の風を感じさせるような雰囲気を持っています。

画面には、水辺に映る光のきらめきや、葉や花びらがやさしく揺れているような描写があり、まるでその場にいるかのような臨場感がありました。特にモネが用いた筆のタッチは、色と色を小さく重ねることで自然のにぎわいを表現しており、細かい描写ではなく印象的な雰囲気を重視した描き方が印象派の特徴として紹介されていました。

その表現技法を学びながら、柴崎先生が今回描いたのは、京都・嵐山の春の風景です。番組では以下のような点に注目しながら、嵐山の絵作りが進められました。

  • 桜の木や山々、川の流れといった要素を、実際の色ではなく印象的な色合いで描く

  • 明確な輪郭をつけずに、色と光の重なりで表現することで空気感を出す

  • 水のきらめきや空の青さも、光に反射する色で塗り重ねていく

とくに、モネの「ジヴェルニー、春の効果」との共通点として、実際には存在しないような色の使い方が紹介されていました。たとえば、水の中には淡いピンクや薄い緑が点描で加えられており、現実の色ではないけれど、春らしさが伝わる色づかいです。

柴崎先生は、絵を描くうえで「感じた春」を表現することが大切だと考えており、モネの作品のように記憶や感覚を色で表すことの面白さを実践していました。嵐山の風景も、単に見たままを再現するのではなく、その場所で感じた空気や風の動き、光の温かさを点描で描くことにより、より印象的な一枚に仕上げていました。

全体を通して、モネの作品を手本としながら、印象派が大切にする「光と空気の表現」をしっかり学び、実際に自分の作品に活かすという流れがとても分かりやすく構成されていました。桜が咲き誇る嵐山という題材も相まって、春の魅力があふれる内容でした。

柴崎先生が教える嵐山風景画の描き方

今回のテーマは、春の京都・嵐山の風景を印象派の技法で描くことでした。柴崎春通先生は、まず絵を描くうえで欠かせない基本として、目の高さ(アイレベル)を決めるところからスタートしました。これは画面の中でどこが視線の中心になるかを定める作業で、構図の安定感と奥行きを生み出す重要なポイントです。

その後、画面全体に下書きを描き、印象派風の彩色に移っていきます。ここで使うのが、モネに代表されるような点描タッチ。筆を細かく動かしながら色を乗せていくことで、光や空気の揺らぎを表現します。

柴崎先生は、印象派の技法について次のような姿勢で解説していました。

  • 実際の色にとらわれない

  • 心に浮かんだ“春の印象”をもとに色を選ぶ

  • 水面の光や草木の緑などを、現実よりも鮮やかに描くことで感覚的な春らしさを出す

とくに川の部分では、画面の奥にある消失点に向かって水の流れを表現。こうすることで、絵に奥行きが生まれ、視線が自然と引き込まれていく効果がありました。遠くにある山や橋、桜の木々が水面に映り込むような描き方も交えながら、全体を調和させる構成力も紹介されました。

また、番組内では「絵を描く旅」の魅力についても触れられていました。柴崎先生は、旅先でスケッチをすることがその場の空気や音、香りまでを記憶として残す方法になると話しており、写真にはない“感じたままの風景”を絵に込められる喜びを語っていました。

視聴者にとっても、「絵を描く」という行為が単なる技術練習ではなく、旅の記憶を刻む方法であり、自然と向き合う時間でもあるということが伝わる内容でした。柴崎先生の手によって、春の嵐山が生き生きとした色彩でキャンバスに広がっていく様子は、まるでその場にいるかのような美しさがありました。

桜を描くコツと色の使い方

番組の後半では、風景画の中でも最も注目されるメインの桜の表現に入っていきました。柴崎先生はまず、桜を描く際に大切なポイントとして、光と影の対比を意識することを挙げました。特に日陰の部分については、黒と紫を混ぜた色を使って影の深さを表現することで、桜全体に立体感と奥行きを持たせています。

この方法によって、画面に平面的な印象が出てしまうのを防ぎ、印象派らしい「光に包まれた景色」に仕上げることができます。また、影の描き方を意識することで、晴れた春の日差しの強さや、花びらの重なりが生む柔らかい影まで、繊細に描き出されていました。

さらに柴崎先生は、桜の色使いについても印象派の技法を用いていました。

  • 実際の桜の色にこだわらず、ピンクやオレンジ、時には青みがかった色も大胆に使用

  • 現実にはない華やかな色を重ねることで、春の空気感や感情を表現

  • 点描による重なりが、光に透ける花びらのような印象を生み出す

仕上げの段階では、細い丸筆を使って枝や花びらの細部を描き加えていく工程が紹介されました。この作業により、ぼんやりした色の広がりの中にくっきりとした形が浮かび上がり、絵全体のメリハリが生まれます。このように、印象と形のバランスを取ることが、作品の完成度を高める鍵だと解説されました。

全体を通して、春の京都・嵐山の風景は、モネのような自由で繊細な色彩と筆づかいで仕上げられていきました。現実の桜そのものではなく、“心に咲く桜”をキャンバスに映し出すような感覚が印象的でした。視聴者にも、技術以上に「感じること」が大切であることが伝わる内容となっていました。

まとめ

今回の『3か月でマスターする絵を描く』第9回では、印象派の巨匠モネの技術を学びながら、柴崎先生とともに春の嵐山を自分らしい色で描く方法が紹介されました。番組を通して、単に風景を模写するのではなく、心で感じた春の空気を表現する楽しさが伝わってきます。

絵を描くことが初めての人にもやさしく、また経験者にとっても学びのある内容でした。次回の放送も楽しみにしたくなる、まさに「3か月でマスターする」にふさわしい一回です。絵のある旅、そして旅のある絵を、ぜひこれからも楽しんでみてください。

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