福岡の伝統野菜「かつお菜」と「大葉春菊」に迫る|2月4日放送
2月4日(火) 11:05〜11:30に放送される「趣味の園芸 やさいの時間 ベジガーデン探訪編」では、九州北部の伝統野菜にスポットを当てる地域応援企画の第2回として、福岡県の伝統野菜「かつお菜」と「大葉春菊」が特集されます。
この放送では、江戸時代から受け継がれてきた「かつお菜」と、地元で門外不出のタネを守り続ける「大葉春菊」に焦点を当て、地元農家の挑戦や思いを深く掘り下げます。
かつお菜とは?福岡の伝統野菜の歴史と特徴
かつお菜は、福岡県を中心に栽培されているアブラナ科の葉物野菜で、江戸時代中期から受け継がれてきた伝統野菜です。北九州市小倉南区を含む福岡の各地で栽培され、特に福岡のお雑煮「博多雑煮」には欠かせない食材として知られています。
- 名前の由来:「かつお菜」という名前は、「かつお出汁がなくても美味しい」ほど旨味が強いことに由来しています。また、「勝男菜」とも書かれ、「勝つ」という言葉に通じることから、特にお正月料理に用いられるようになりました。福岡の家庭では、おせち料理や雑煮に使われ、縁起の良い野菜として親しまれています。
- 味と食感の特徴:見た目は高菜に似ていますが、辛味がなく、しっかりとした旨味を感じられるのが特徴です。噛むほどに甘みとコクが広がり、加熱するとさらにその風味が引き立ちます。特に煮込み料理に適しており、時間をかけて煮ると葉が柔らかくなり、スープに旨味が溶け出します。炒めてもシャキシャキとした食感が楽しめ、幅広い料理に活用できます。
- 栽培環境と生産地:主に福岡県内で生産され、北九州市小倉南区が主要産地のひとつです。かつお菜は比較的寒さに強い野菜で、11月から3月の冬の時期に旬を迎えます。そのため、お正月の料理に使われるのに最適なタイミングで収穫されます。
しかし、全国的な知名度はまだ低く、県外ではほとんど流通していません。そのため、地元農家は認知度を上げるための努力を続けています。
- 福岡県内の直売所や道の駅では、新鮮なかつお菜が販売されている。しかし、県外のスーパーではあまり見かけることがなく、消費者が手に入れる機会が限られている。
- 県外でも知名度を上げるために、かつお菜を使った加工食品やレシピの提案が進められている。福岡の飲食店では、かつお菜を使ったおひたし、パスタ、漬物などの新しいメニューが登場しており、少しずつ認知度が高まっている。
- 農家の取り組みとして、かつお菜を広めるためのイベントや直売会も開催。福岡県内のマルシェでは、かつお菜を使った試食イベントや、収穫体験が行われることもある。
かつお菜は、その旨味の強さと栄養価の高さから、もっと全国に広がる可能性を秘めた野菜です。今後、福岡の特産品としてどのように広まっていくのか注目が集まっています。
かつお菜の食べ方と活用法
かつお菜は博多雑煮の定番食材として知られていますが、それ以外にもさまざまな料理に活用できる万能野菜です。煮ても炒めても美味しく、和食だけでなく洋食や中華料理にもアレンジしやすいのが魅力です。
- 定番の「博多雑煮」
かつお菜は、福岡のお正月に欠かせない博多雑煮の主役のひとつです。焼いたブリや鶏肉、かつお菜、丸餅を組み合わせたシンプルながら奥深い味わいが特徴です。かつお菜の出汁のような風味がスープに溶け込み、雑煮全体の旨味を引き立てます。特に、お餅と一緒に食べることで、かつお菜のほんのりした甘さとお餅の柔らかさが絶妙に絡み合い、優しい味わいが楽しめます。 - 炒め物・煮物に
かつお菜は炒め物にも最適です。油との相性が良く、ベーコンや豚肉と炒めると、よりコクが増して美味しくなります。また、ごま油やニンニクと炒めると、風味豊かな一品になり、ご飯のおかずとしてもぴったりです。
また、かつお菜は煮物にも適しており、味噌汁や煮浸しにすると、かつお菜の持つ出汁のような旨味が引き立ち、深い味わいが楽しめます。特に、シンプルにだし醤油で煮るだけでも美味しく、常備菜としても活用できます。 - 漬物として
かつお菜は漬物にも適しており、軽く塩もみするだけで、シャキシャキした食感とほのかな甘みが楽しめます。また、ごま油や醤油で和えると、シンプルながら風味豊かな一品になります。 - スープや鍋の具材に
かつお菜は、スープや鍋料理にも使えます。中華風スープに加えると、ほのかな甘みと旨味がスープ全体に広がり、深みのある味わいになります。鍋料理では、豚しゃぶや鶏だし鍋との相性が抜群で、火を通しても葉がくたくたになりすぎず、シャキシャキした食感が残るのが特徴です。 - パスタや洋風料理にも
かつお菜は和食だけでなく、パスタや洋風料理にも応用可能です。オリーブオイルとニンニクで炒めてペペロンチーノ風に仕上げたり、クリームパスタに加えると、かつお菜のほのかな苦味と甘みがバランス良く合わさります。グラタンやキッシュに加えるのもおすすめです。
かつお菜は炒め物、煮物、スープ、漬物、洋風料理など、幅広い料理に活用できる万能野菜です。地元福岡では定番の食材ですが、全国的にはまだ知られていないため、今後さらに広まることが期待されています。ぜひ、普段の食卓に取り入れて、かつお菜の魅力を楽しんでみてください。
大葉春菊とは?苦味が少なく食べやすい春菊の特徴
大葉春菊は、福岡県北九州市小倉南区で栽培されている特産野菜で、一般的な春菊とは異なる特徴を持っています。春菊といえば独特の苦味があり、大人向けの食材というイメージがありますが、大葉春菊はその印象を覆すほど食べやすく、子どもや春菊が苦手な人でも楽しめる品種です。
- 見た目の特徴
一般的な春菊にはギザギザの切れ込みがありますが、大葉春菊は切れ込みのない丸葉を持ち、しゃもじのような形をしています。そのため、見た目からも「一般的な春菊とは違う」とすぐに分かります。この独特な形状は、柔らかく食べやすい葉質を持つことにも関係しており、鍋料理やサラダなど、さまざまな用途で活用されています。 - 味わい
大葉春菊の最大の特徴は、春菊特有の苦味やえぐみが少なく、やさしい風味を持っていることです。一般的な春菊は火を通さないと苦味が気になりますが、大葉春菊は生のままでも美味しく食べられます。そのため、サラダに使うことができる貴重な品種です。加熱するとさらに甘みが増し、春菊の香りを楽しみながらもクセがなく食べやすいのが魅力です。 - 栽培環境と生産地
大葉春菊は、北九州市小倉南区の限られた農家のみが生産しており、門外不出のタネが守られている伝統野菜です。地元で長年受け継がれてきた在来品種から、品質の良いものを選抜し、独自の栽培技術で育てられてきました。 - 大葉春菊の栽培の特徴
- 寒さに強く、秋から春にかけてが旬
- 一般的な春菊よりも葉が大きく肉厚で、葉の柔らかさが特徴
- 香りはしっかりあるが、苦味が少ないため、幅広い料理に使いやすい
- 流通と知名度
現在、大葉春菊は地元北九州市内のスーパーや直売所でしかほとんど流通しておらず、全国的な知名度は低いです。しかし、近年では「うまかろーま®」というブランド名で販売され、徐々に注目を集めています。また、地元の放置竹林を活用した竹パウダーを土壌改良剤として利用するなど、環境に配慮した農業にも力を入れています。
大葉春菊は、苦味が少なく食べやすい春菊として、今後さらに広まる可能性を秘めた野菜です。特にサラダや鍋物、スープなど、さまざまな料理に活用できる万能食材として、地元の農家がその魅力を発信し続けています。
大葉春菊のおすすめの食べ方
大葉春菊は苦味が少なく、食べやすい春菊なので、さまざまな料理に活用できます。一般的な春菊のように火を通すだけでなく、生で食べても美味しいのが魅力です。香りが穏やかでクセが少ないため、幅広いレシピで楽しめます。
- サラダとして生で
- 苦味が少なく食べやすいため、サラダとしてそのまま食べても美味しいです。一般的な春菊は生で食べると独特の風味が強すぎることがありますが、大葉春菊はほんのりした甘みがあり、サラダ向きの葉物野菜として使いやすいです。
- オリーブオイルやドレッシングと合わせると、爽やかな風味が引き立ち、洋風サラダにもぴったり。特にレモンや柑橘系のドレッシングとの相性が良く、シンプルに塩とオリーブオイルだけでも美味しく食べられます。
- ナッツやチーズ、ベーコンをトッピングすると、より食べ応えのあるサラダになります。
- 鍋料理に
- 一般的な春菊と同じように鍋に加えると、やさしい味わいのスープによくなじみます。火を通しても葉がくたくたになりすぎず、適度な食感が残るのが特徴です。
- 火を通すと甘みが増し、より食べやすくなるため、しゃぶしゃぶや寄せ鍋に加えるのもおすすめです。特に鶏だしや豚しゃぶとの相性が良く、スープに旨味が溶け出します。
- シンプルな鶏ガラスープや和風出汁に加えると、やさしい風味が楽しめるので、春菊が苦手な人でも食べやすいです。
- お浸しや和え物
- 軽く茹でて、ポン酢やごま和えにすると、春菊の香りを楽しみながらシンプルに味わえます。一般的な春菊よりもクセが少ないため、だし醤油やおろしポン酢などのシンプルな味付けでも美味しくいただけます。
- 胡麻和えや白和えにすると、まろやかな味わいになり、ご飯のおかずにもぴったり。特にすりごまやピーナッツペーストと和えると、コクのある味わいになります。
- 梅肉や柚子胡椒と和えると、さっぱりとした味付けになり、箸休めにも最適です。
- 炒め物にも活用
- 大葉春菊は、油との相性が良いため、炒め物にもおすすめです。オリーブオイルやごま油でサッと炒めるだけで、簡単に美味しく仕上がります。
- ベーコンやウインナーと一緒に炒めると、旨味がプラスされて食べやすくなるので、お弁当のおかずにも使いやすいです。
- ニンニクと一緒に炒めると、シンプルながら風味豊かな一品になり、洋風の料理にもアレンジ可能です。
- スープや味噌汁に
- 大葉春菊は、スープや味噌汁にもぴったりです。火を通しても香りが穏やかなので、春菊が苦手な人でも美味しく食べられます。
- 鶏ガラスープやコンソメスープに加えると、ほんのりした甘みと爽やかな香りが広がるので、シンプルながら味わい深いスープが楽しめます。
- 味噌汁に加えると、春菊の青々しい香りが和の味付けにマッチし、食欲をそそる一品になります。
大葉春菊は、生でも火を通しても美味しく、さまざまな料理に使える万能野菜です。一般的な春菊よりも食べやすく、クセが少ないため、サラダや鍋物、お浸し、スープなど幅広く活用できます。ぜひ、食卓に取り入れて、大葉春菊の美味しさを楽しんでみてください。
地元農家の挑戦!かつお菜と大葉春菊を守る取り組み
今回の放送では、かつお菜と大葉春菊を栽培する農家にスポットを当て、それぞれの野菜を守り育てる努力や思いが紹介されます。
- かつお菜の生産者・川上浩平さん:就農5年目の若手農家として、かつお菜の魅力を全国に広めるため奮闘中。伝統野菜の知名度向上と流通拡大を目指しています。
- 大葉春菊の生産者・塚本颯人さん:小倉南区で営農し、地域に伝わる門外不出のタネを守りながら生産を続けています。地元に根付いた伝統野菜を絶やさぬよう、環境に優しい農業にも取り組んでいます。
- 環境に優しい農業:大葉春菊は「うまかろーま®」というブランド名で販売され、地元の放置竹林から作られた「竹パウダー」を活用し、土壌改良を行うなど、環境に配慮した農業が推進されています。
まとめ
「趣味の園芸 やさいの時間 ベジガーデン探訪編」では、福岡県の伝統野菜「かつお菜」と「大葉春菊」にフォーカスし、地元農家の挑戦と伝統野菜の魅力を深掘りします。
普段なかなか目にすることのない伝統野菜ですが、その味わいや栽培の背景を知ることで、より身近に感じられるはずです。
福岡ならではの野菜の魅力を、ぜひ番組でチェックしてみてください!
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