食欲を抑える“トントン法”が注目される理由
「食べすぎを何とかしたい」「夜になると間食してしまう」と悩む人の間で、簡単にできる食欲コントロールとして話題になっているのが“トントン法”です。おでこを軽くたたくだけというシンプルな方法ですが、実は脳の働きやストレスとの関係が注目されています。
『かまいたちの瞬間回答!〜60秒でお悩み解決〜(2026年5月22日放送)』でも取り上げられ注目されています 。無理な我慢ではなく、「食べたい気持ち」と上手につき合う考え方として関心が高まっています。
この記事でわかること
・“トントン法”で食欲が変わる仕組み
・ダイエットとの関係と本当に効果があるのか
・ストレス食いや間食との意外なつながり
・自宅で簡単にできる食欲コントロール習慣
※放送後詳しい内容が分かり次第追記します。
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食欲を抑える“トントン法”とは何か
食欲を抑える“トントン法”とは、強い食欲や間食したい気持ちが出てきたときに、おでこや顔まわりを指で軽くトントンとたたく方法のことです。
特に話題になりやすいのは、おでこを30秒ほど軽くタッピングする方法です。海外の研究では、おでこ・耳・つま先・壁を見るといった行動を比べたところ、食べ物への欲求を弱める方法として、おでこのタッピングが注目されています。これは「お腹が空いているから食べる」というより、「なんとなく食べたい」「目の前のお菓子が気になる」「ストレスで食べたくなる」といった食欲の波をいったん落ち着かせる工夫として考えると分かりやすいです。
この方法は、いわゆるEFTタッピングと呼ばれる手法と近い考え方で語られることもあります。EFTは、感情やストレスに意識を向けながら、体の特定の場所を軽くたたく方法です。食欲そのものを直接消すというより、食べたい気持ちの背景にあるイライラ・不安・退屈・疲れなどを落ち着かせることで、結果的に食べすぎを防ぎやすくするという見方ができます。
ただし、ここで大事なのは、トントン法は魔法のダイエット法ではないということです。
本当の空腹を消すものではありません。体に必要な食事を抜くための方法でもありません。どちらかというと、次のような場面で使いやすい方法です。
・夕食後なのに甘いものが食べたくなる
・ストレスでスナック菓子に手が伸びそうになる
・コンビニで予定外のお菓子を買いそうになる
・寝る前に何か食べたくなる
・食べる前に一度落ち着きたい
つまり、トントン法の役割は、食欲をゼロにすることではなく、衝動にすぐ反応しない時間を作ることです。
食欲は、いきなり最大になるように感じても、実は波のように強くなったり弱くなったりします。そこで30秒から2分ほど別の刺激を入れると、「今すぐ食べたい」という勢いが少し弱まることがあります。
『かまいたちの瞬間回答!〜60秒でお悩み解決〜』でも触れられるような“すぐ試せる生活ワザ”として注目されやすいのは、道具がいらず、場所も選びにくく、短時間でできるからです。
なぜ“トントン”するだけで食欲が変わるのか
「トントンするだけで食欲が変わる」と聞くと、少し不思議に感じます。
でも、これは「おでこをたたいたから脂肪が燃える」という話ではありません。ポイントは、脳の注意を食べ物からそらすことにあります。
食べ物が欲しくなるとき、頭の中では「食べたい」「おいしそう」「口に入れたい」というイメージが強くなります。特に、甘いものや脂っこいものは、味や香りを想像するだけでも欲求が強くなりやすいです。
そこに、おでこを軽くトントンする刺激が入ると、脳はその感覚にも注意を向ける必要があります。すると、食べ物のイメージだけに集中しにくくなります。
たとえるなら、頭の中で「お菓子!お菓子!」と大きな音が鳴っているところに、別の小さなリズムを入れて、音量を少し下げるようなものです。
このとき大切なのが、食欲は意志の弱さだけで起こるものではないということです。
食欲には、体の空腹だけでなく、次のようなものが関係しています。
・ストレス
・睡眠不足
・疲れ
・退屈
・不安
・習慣
・目の前に食べ物がある環境
・「食べてはいけない」と思いすぎる反動
特にストレスがあると、甘いものや脂っこいものを求めやすくなることがあります。これは、心を落ち着かせたい、気分を変えたいという反応でもあります。EFTタッピングの研究では、食べ物への強い欲求や「食べ物に支配されている感じ」、心理的な不調の軽減が報告されており、食欲と感情のつながりを考えるうえで参考になります。
また、トントン法は一時停止ボタンとしても役立ちます。
食べすぎが起こるときは、「食べたい」と思ってから食べるまでがとても早いことがあります。気づいたら袋を開けている、気づいたら冷蔵庫の前にいる、という状態です。
そこでトントン法を入れると、
「今、本当にお腹が空いているのかな?」
「疲れているだけかな?」
「水を飲んだら落ち着くかな?」
「少しだけ食べるなら、何を選ぼうかな?」
と考える余裕が生まれます。
この“余裕”がとても大事です。
ダイエットで失敗しやすい人ほど、「食べたい自分」を責めてしまいがちです。しかし、責めるほどストレスが増えて、また食べたくなることがあります。トントン法の良いところは、我慢で押さえ込むのではなく、食欲の勢いをやわらげる方向に使えることです。
もうひとつ注目したいのは、食欲には視覚的なイメージが強く関係することです。
たとえば、チョコレートを想像すると、味や口どけまで思い浮かぶことがあります。ラーメンの写真を見ると、急に食べたくなることもあります。こうした「頭の中の食べ物映像」が強くなるほど、食欲も強くなりやすいです。
おでこをトントンする、指先の感覚に集中する、呼吸を整える。こうした行動は、食べ物のイメージから少し距離を取る助けになります。
つまり、トントン法の正体は、食欲を力ずくで消す方法ではなく、脳の注意と感情を切り替える方法です。
トントン法は本当にダイエット効果がある?
ここは冷静に見ておきたいところです。
トントン法には、食べ物への欲求を弱める可能性を示した研究があります。EFTを用いた研究でも、食べ物への強い欲求、食行動、心理面の変化について良い結果が報告されています。オンラインで行われたEFT介入でも、食物欲求や「食べ物の誘惑に負けやすい感覚」の低下が示されています。
一方で、「トントンすれば必ず痩せる」と言い切るのは危険です。
なぜなら、体重は食欲だけで決まるものではないからです。食事量、栄養バランス、運動量、睡眠、ホルモン、年齢、生活リズム、ストレス、病気や薬の影響など、いろいろな要素が関わります。
そのため、トントン法をダイエットに使うなら、位置づけは補助的な食欲コントロール法です。
たとえば、次のような使い方なら現実的です。
・間食の前に一度トントンする
・夜食を食べる前に30秒だけ試す
・買い物中に甘いものを買いたくなったら使う
・ストレス食いしそうなときに気持ちを整える
・食後の「まだ何か食べたい」を落ち着かせる
これだけで体重が大きく落ちるというより、余計な一口・余計な一袋・なんとなく食べる習慣を少しずつ減らすための道具と考えると使いやすいです。
ダイエットで大きいのは、1回の完璧な我慢ではなく、毎日の小さな選択です。
たとえば、毎晩なんとなく食べていたお菓子を、週に数回だけ減らせる。コンビニで買う菓子パンを、買わずに帰れる日が増える。食べるとしても、全部ではなく半分で止まれる。
こういう小さな変化が積み重なると、体重や体調に影響してきます。
ただし、注意点もあります。
本当にお腹が空いているときは、きちんと食べることが大切です。食事を抜きすぎると、あとで反動が来て食べすぎやすくなります。特に朝からほとんど食べていない、長時間働いている、運動した後、体調が悪いときなどは、トントンでごまかすより、必要な栄養を取るほうが大事です。
また、過食が何度も続く、食べた後に強い罪悪感がある、食べることを自分で止められず苦しい、極端な食事制限をしているという場合は、トントン法だけで何とかしようとしないほうが安全です。そうした場合は、心と体の両方からのサポートが必要になることがあります。
トントン法が向いているのは、あくまで「ちょっと食べたい気持ちを落ち着かせたい」「衝動買いを減らしたい」「ストレス食いの前に一呼吸置きたい」という場面です。
つまり、ダイエット効果を期待するなら、トントン法単体ではなく、
・食事の量を極端に減らさない
・たんぱく質を意識する
・水分を取る
・睡眠不足を減らす
・お菓子を見える場所に置かない
・食べる前に一度止まる習慣を作る
こうした基本と組み合わせることが大切です。
トントン法は、ダイエットの主役というより、食欲に振り回されそうな瞬間の助っ人です。
自宅で簡単にできる食欲コントロール習慣
自宅で試すなら、難しく考えなくて大丈夫です。
まずは、食べたくなった瞬間に、すぐ食べるのではなく30秒だけ待つことから始めます。その30秒の間に、おでこを指の腹でやさしくトントンします。
力は入れません。痛くする必要もありません。目の上やこめかみを強くたたくのも避けます。あくまで、軽くリズムを作るくらいで十分です。
おすすめの流れは、次の通りです。
・食べたいものを頭に浮かべる
・今の食べたい気持ちを10点満点で考える
・おでこを30秒ほど軽くトントンする
・ゆっくり息を吐く
・もう一度、食べたい気持ちを10点満点で考える
・少し下がっていたら、もう30秒続ける
たとえば、最初は「食べたい気持ちが8点」だったとします。30秒後に6点になれば、それだけでも成功です。ゼロにする必要はありません。
大切なのは、食べたい気持ちを敵にしないことです。
「食べたいと思ってしまった。自分はダメだ」と考えると、ストレスが増えます。そうではなく、「今、食欲の波が来ているな」「少し落ち着いてから決めよう」と考えるほうが続きやすいです。
トントン法と一緒に使いやすい習慣もあります。
まずは、水分を取ることです。のどの渇きや口さみしさを、空腹と感じることがあります。甘い飲み物ではなく、水やお茶を一口飲んでから、まだ食べたいか確認してみるとよいです。
次に、食べる場所を決めることです。スマホを見ながら、立ったまま、袋から直接食べると、食べた量が分かりにくくなります。食べるなら小皿に出すだけでも、食べすぎを防ぎやすくなります。
さらに、見える場所にお菓子を置かないことも大きいです。食欲は意志だけでなく環境にも左右されます。目に入るたびに「食べたいスイッチ」が入りやすくなるため、引き出しや棚にしまうだけでも変わります。
夜の食欲が強い人は、夕食の内容も見直したいところです。
夕食が軽すぎると、寝る前にお腹が空きやすくなります。逆に、糖質だけに偏っていると、満足感が続きにくいことがあります。たんぱく質・野菜・主食をバランスよく取ると、夜の間食が落ち着く場合があります。
また、トントン法は「食べないため」だけでなく、食べ方を整えるためにも使えます。
たとえば、どうしてもチョコレートが食べたいとき、トントンしてもまだ食べたいなら、少量をゆっくり味わう選択もあります。大事なのは、勢いで全部食べることを避けることです。
食欲コントロールで続きやすい考え方は、「禁止」ではなく「選び直し」です。
「絶対に食べない」ではなく、
「今食べるなら少しにする」
「食べる前に30秒だけ待つ」
「袋ごとではなく皿に出す」
「甘いものの前に温かい飲み物を飲む」
このくらいのやさしいルールのほうが、長く続きます。
トントン法を習慣にするなら、使うタイミングを決めておくと楽です。
おすすめはこの3つです。
・夕食後に甘いものが欲しくなったとき
・コンビニやスーパーで予定外のものを買いそうなとき
・ストレスで何か食べたくなったとき
この3つは、食欲というより衝動が出やすい場面です。だからこそ、トントン法のように一度気持ちを切り替える方法と相性がよいです。
最後に、いちばん大切なのは、食欲を悪者にしないことです。
食欲は体を守るために必要なものです。問題になるのは、空腹ではないのに食べ続けてしまうことや、ストレスのはけ口が食べ物だけになってしまうことです。
トントン法は、その間に小さなすき間を作ってくれます。
そのすき間で、食べるか、少し待つか、別のことをするかを選べるようになります。
だから、食欲を抑える“トントン法”の正体は、単なる裏ワザではなく、食欲と上手につき合うための小さな習慣です。完璧に我慢するためではなく、自分の体と気持ちを少し落ち着かせるために使うと、毎日の食べすぎ対策として取り入れやすくなります。
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