手軽に試せる驚きのフルーツ活用法
2025年5月19日(月)放送の『明日から使える プロの食材術』第8回では、「フルーツ使いの新常識」がテーマとなり、料理人と食物学の専門家による目からウロコの技が紹介されました。フルーツはそのまま食べるだけでなく、調理や保存方法を工夫することで新しいおいしさが生まれることが、実際のレシピや実演を通して明らかにされました。
今回は、家庭で簡単にできる「ひと手間で味が変わる」「余った食材を活用する」プロの技と、フルーツを活かした2つの料理人レシピが公開されました。以下に放送内容を詳しく紹介します。
かたいグレープフルーツの皮が手でむける新技と、鯛との意外なアレンジ
グレープフルーツの皮が固くてむきづらいというのは、多くの人が感じる悩みです。今回の放送では、その常識をくつがえす簡単で画期的なむき方が紹介されました。方法はとてもシンプルで、果実を先に取り出してから、皮の内側を外にひっくり返すというもの。内側から外に向かって押し出すようにすると、驚くほどつるんと気持ちよくむけるのが特徴です。ナイフやスプーンを使わずに、手で楽に処理できる点が魅力です。むき終わった皮は廃棄するだけでなく、ピールやジャムにも活用できそうです。
さらに、この技を使って取り出したグレープフルーツの果肉は、ある料理と合わせることでシンプルなのに奥深い一品になります。それが、「たいとグレープフルーツの一皿」です。生の鯛と柑橘の組み合わせは、料理人の世界では定番でもあり、家庭ではなかなか挑戦されない新鮮な提案でした。
この料理は、火を使わずに手軽にできるため、時間がないときでもおしゃれで上質な前菜やおつまみとして出すことができます。フルーツの酸味が鯛の甘みとよく合い、塩で味を引き締めることで全体のバランスが整います。目でも楽しめる美しい一皿になります。
材料(2人分)
-
グレープフルーツ(ルビーまたはホワイト):1個
-
鯛(刺身用のサク):100g
-
塩:適量
作り方
-
グレープフルーツの上下を切り落とし、皮を十字に切れ目を入れる
-
果実を中から取り出し、薄皮ごと取り外す
-
残った皮を内側からひっくり返すようにすると、手でつるんとむける
-
鯛は薄くそぎ切りにし、軽く塩をふる
-
皿にグレープフルーツの果肉を並べ、その上に鯛をのせて完成
グレープフルーツの酸味が鯛の淡白な味わいを引き立てることで、調味料をほとんど使わなくてもおいしく仕上がるのが特徴です。爽やかさと旨みの重なりが感じられ、暑い季節にもぴったりなひと皿です。彩りも美しく、ちょっとしたもてなしにもぴったりなレシピとなっています。
トマトよりおいしい!? キウイのカプレーゼ風アレンジ
トマトの代わりにキウイを使ったカプレーゼが紹介され、見た目の華やかさと新しい味の発見が話題となりました。キウイの鮮やかな緑色とモッツァレラチーズの白が交互に並ぶことで、視覚的にも美しく、まるでフルーツサラダのような雰囲気を演出します。
従来のカプレーゼではトマトの甘酸っぱさとチーズのミルキーさが基本の組み合わせでしたが、キウイに変えることでより爽やかでジューシーな酸味が際立ちます。チーズのまろやかさと合わさることで、全体の味わいが柔らかく、口当たりもなめらかです。
食感のコントラストもポイントで、キウイのやわらかくジューシーな果肉と、モッツァレラの弾力のある食感が絶妙に調和します。シンプルな調味で素材本来の味を引き出せるのも、このレシピの魅力です。
材料(2人分)
-
キウイ:1個
-
モッツァレラチーズ(生タイプ):1個(100g程度)
-
塩:適量
-
エキストラバージンオリーブオイル:大さじ1
作り方
-
キウイは皮をむいて輪切りにする(厚さ5mm程度)
-
モッツァレラチーズもキウイと同じ厚さにスライスする
-
お皿にキウイとモッツァレラを交互に並べる
-
全体に塩をふり、オリーブオイルをかける
仕上げにバジルの葉を添えても見た目にアクセントがつき、香りも引き立ちます。冷たく冷やしてから食べるとより一層おいしさが増します。トマトが苦手な人でも食べやすく、食卓に新鮮さをもたらすひと皿です。
ドライフルーツを自家製セミドライにするテクニック
りんごやキウイ、マンゴーなどのフルーツを使って、家庭の電子レンジで手軽にセミドライフルーツを作る方法も紹介されました。
-
セミドライフルーツの作り方
・5mm弱にスライスしたフルーツをラップを敷いた皿に並べる
・電子レンジ(600W)で1分半加熱
・その後、様子を見ながら1分ずつ追加加熱(最大5回まで)
・加熱しすぎると発火のおそれがあるので注意
このセミドライフルーツは、プレーンヨーグルトに一晩漬けることで、フルーツはぷりぷり食感に、ヨーグルトは自然な甘みと濃厚さが増して一石二鳥です。
鶏もも肉とりんごの蒸し焼き ヨーグルトソース添え
りんごの甘みとシナモンの香り、そしてヨーグルトの爽やかなソースが特徴の、フルーツを使ったおしゃれな肉料理です。
材料(2人分)
-
鶏もも肉:1枚(300g)
-
たまねぎ:1/2個(100g)
-
りんご(紅玉):1/2個
-
塩・こしょう:各適量
-
オリーブ油:大さじ2
-
シナモンパウダー・粉砂糖:各適量
《ヨーグルトソース》
-
プレーンヨーグルトにドライフルーツを混ぜ、一晩冷蔵庫で寝かせたもの
作り方
-
フライパンにオリーブ油を熱し、一口大に切って塩・こしょうした鶏肉を皮を下にして中火で約2分焼く。裏返して30秒ほど焼いたら一度取り出す
-
火を止めて、粗みじんにしたたまねぎをフライパンに入れ、鶏肉を皮を上にして並べる
-
薄切りにしたりんごを鶏肉の上に並べ、シナモンパウダーと粉砂糖をふる。蓋をして弱火で10分蒸し焼きにする
-
ヨーグルトソースを添えて盛り付ける
フルーツの冷製パスタ
夏にぴったりの爽やかな一品として、フルーツをふんだんに使った冷製パスタも登場しました。カラフルで見た目も華やかです。
材料(1人分)
<パスタ>
-
スパゲッティ(1.4mm):80g
-
エキストラバージンオリーブ油:大さじ1
-
塩・こしょう:各適量
<ソース>
-
キウイ、グレープフルーツ、りんご(紅玉)、ミニトマト:各大さじ2
-
エキストラバージンオリーブ油:大さじ3
-
塩:適量
-
バジルの葉:2〜3枚
-
生ハム:50g
-
エキストラバージンオリーブ油(仕上げ用):適量
作り方
-
フルーツをすべて8〜10mm角に切り、ボウルで塩とオリーブ油と混ぜる
-
ゆでて冷ましたスパゲッティに塩・こしょう・オリーブ油を加えて和える
-
パスタを皿に盛り、フルーツのソースをのせ、生ハムとバジルを飾り、仕上げにオリーブ油をかける
まとめ
どのレシピも家庭にある材料で作れるものばかりで、すぐにでも取り入れたくなる内容でした。特にフルーツをおかずに活用するアイデアは、これまでの固定観念を覆すもので、料理の幅が広がります。
放送では講師の佐藤秀美さん、料理人の今野登茂彦さん、そして出演者の渡辺裕太さんとくわばたりえさんが、実演や実食を交えて紹介してくれました。知っているようで知らなかった食材の扱い方、フルーツの可能性に改めて気づかされる30分となりました。
コメント