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NHK【ダーウィンが来た】密着40年!ロッキー山脈の断崖に生きるシロイワヤギの驚きの暮らしとは|2025年7月6日放送

ダーウィンが来た!

密着40年!断崖絶壁でシロイワヤギを追え|2025年7月6日放送

2025年7月6日放送の「ダーウィンが来た!」では、北アメリカのロッキー山脈に暮らすシロイワヤギの知られざる姿が紹介されました。今回の放送は、シロイワヤギを40年近く追い続けてきた動物写真家・原田さんの密着取材。過酷な自然の中で生きるシロイワヤギたちの驚きの行動や、気候変動の影響までもが映し出され、見ごたえたっぷりの内容でした。

次回の【ダーウィンが来た!】足も目も再生!?驚きのイモリパワーと幻の“イモリ玉”を追う|2025年7月13日放送

ロッキー山脈の断崖絶壁がシロイワヤギの理想の住まい

アメリカのロッキー山脈には、標高3000メートル級の険しい山々が果てしなく続いています。この地域は、冬になると気温がマイナス40℃まで下がり、辺り一面が雪と氷に覆われます。そんな過酷な環境の中でも、シロイワヤギは一年中この場所で暮らしています。

シロイワヤギは、全身を真っ白な毛で包まれていて、この毛はとても暖かく、冷たい風や氷点下の気温から体を守ってくれます。ふわふわに見えるこの毛は、実はとても優れた断熱効果があり、シロイワヤギの命を守る大切な役割を果たしています。

さらに、彼らの蹄(ひづめ)はV字型に大きく開く構造になっています。この特別な形のおかげで、シロイワヤギは岩だらけの崖や滑りやすい斜面でも、しっかりと足場をつかむことができます。そのため、人間ならとても近づけないような急な断崖絶壁でも平気で歩き回ることができるのです。

シロイワヤギが崖から離れずに暮らしているのは、そこが安全だからです。崖の下には広大な草原や深い森が広がっていますが、その場所には危険な天敵がたくさん潜んでいます。例えば

・オオカミ
・ヒグマ
・クズリ(どう猛な小型肉食動物)

これらの肉食動物たちが、シロイワヤギを狙っているのです。特に赤ちゃんが生まれる春の時期には、親ヤギたちは子どもを守るため、より高い崖のてっぺんへ移動します。崖の上は天敵が近づきにくい安全な場所だからです。

そんなシロイワヤギの暮らしを記録し続けているのが、動物写真家の原田さんです。原田さんは、ロッキー山脈の麓に住み、もう40年近くシロイワヤギを撮影しています。撮影地までは険しい山道を13キロも歩いて通っています。そして、冬の撮影シーズンには、あらかじめ大量の食料を運び込んで、山に3週間ほど泊まり込んで観察を続けるのです。

このような努力のおかげで、私たちは断崖絶壁で暮らすシロイワヤギの貴重な映像を見ることができています。シロイワヤギの知られざる生活は、こうした長年の観察の積み重ねから明らかになっているのです。

氷河が減少…シロイワヤギにも影響が

ロッキー山脈に広がる断崖絶壁は、もともと氷河が長い年月をかけて山肌を削り出したことで誕生しました。氷と雪が山を少しずつ削り、今のような険しい崖や谷を作り上げたのです。この険しい地形こそが、シロイワヤギたちが天敵から身を守り、安全に暮らすための場所となっています。

しかし、近年その氷河が急激に減少しています。番組によると、ここ100年でロッキー山脈の平均気温は約1.6度も上昇し、その影響で氷河の約6割が消えてしまったそうです。氷河が溶けてしまうことで、断崖の形や山の環境そのものが変わりつつあります。

氷河の減少は、シロイワヤギにも大きな影響を与えています。環境が変化すると、彼らが安全に暮らせる場所も減ってしまうからです。また、氷河が少なくなることで水源や植物の生育にも影響が出てきます。

実際に、ここ15年ほどの間にシロイワヤギの個体数が約30%も減少していることが確認されています。崖の上でのびのび暮らすシロイワヤギの姿は、一見すると変わらないように見えますが、その裏では気候変動の影響がじわじわと広がっているのです。

断崖に暮らすシロイワヤギの生態を守るためには、地球全体の環境を考え、気温の上昇や氷河の減少を食い止めることが重要です。シロイワヤギの姿は、自然と動物たちのつながり、そして私たち人間の生活とも深く関わっていることを教えてくれます。

謎の行動をスクープ!泳ぐシロイワヤギ

春になると、ロッキー山脈にも少しずつ暖かい空気が流れ込み、シロイワヤギたちの冬毛が少しずつ抜け落ちていきます。ふわふわとした白い毛は、冬の間、厳しい寒さから体を守ってくれていましたが、春には必要がなくなり、自然と抜けていくのです。

シロイワヤギたちはこの時期になると、ミネラルを求めて移動を始めます。ミネラルは草を消化するためにとても重要な栄養素で、特にロッキー山脈の川沿いにある岩場にはミネラルが豊富に含まれています。そのため、彼らは険しい崖を下り、川辺までやってくるのです。

そして、今回の放送で紹介されたのが、シロイワヤギが川を泳ぐ驚きの姿です。水深はなんと1.5メートルもあり、決して浅い川ではありません。断崖絶壁に住むことで知られるシロイワヤギが、自ら水の中に入り、泳いで対岸へ渡る様子は非常に珍しい光景です。

この場面を目の当たりにした原田さんも、「今までこんなシーンを見たことがない」と語っていました。40年もの間、シロイワヤギを追い続けてきたベテランの原田さんでさえも、驚くほど貴重な瞬間だったのです。

しかし、自然界はいつも穏やかとは限りません。この川を泳ぐ途中、逃げ遅れた子どものシロイワヤギがグリズリーに捕まってしまうという痛ましい場面にも遭遇しました。原田さんにとっても、シロイワヤギの子どもが目の前で襲われる場面に出くわしたのは今回が初めてのことでした。

シロイワヤギが崖を下り、危険を冒してまでミネラルを求める理由は、それだけこの栄養素が彼らの命にとって大切だからです。そして、その行動が時には命がけになることもあります。美しい自然の中には、こうした厳しい現実があることを、今回の放送は改めて私たちに教えてくれました。

夏の恵みとシロイワヤギの子育て

厳しい寒さに包まれたロッキー山脈にも、わずかながら短い夏が訪れます。この限られた季節は、シロイワヤギたちにとってとても大切な時間です。夏になると、標高の高い場所でも雪が溶け始め、山の斜面にはカラフルな高山植物の花々が咲き誇ります。

これらの花は、シロイワヤギにとって栄養価が非常に高く、特に育ち盛りの子どもたちには欠かせない大事な食べ物です。短い夏の間にたくさん食べて栄養を蓄えないと、再び訪れる厳しい冬を乗り越えることができません。

険しい崖の地形も、シロイワヤギにとってはありがたい存在です。崖があることで、オオカミやヒグマなどの天敵から身を守ることができるだけでなく、夏の恵みである花や植物にもいち早くアクセスすることができるのです。急な斜面や断崖を難なく移動できるシロイワヤギだからこそ、他の動物たちが近づけない場所でも、たっぷりと食事を楽しむことができるのです。

さらに、ロッキー山脈の一部には、夏が来ても**雪渓(雪が残る場所)**がところどころに残っています。シロイワヤギは寒さに強い反面、暑さはとても苦手です。そのため、真夏でも涼しい雪渓の近くに集まり、ひんやりとした雪の上で体を冷やしながら過ごします。

白い雪の上でのんびりとくつろぐシロイワヤギたちの姿は、自然の中でたくましく生きる彼らの素顔を感じられる、とても印象的な光景です。ロッキー山脈の短い夏は、子育てと成長、そして命をつなぐための貴重な時間となっています。

カメラが捉えた新しい発見

原田さんは「カメラを向けていると新しい発見がある」と話していました。今回の放送でも、泳ぐシロイワヤギやミネラルを求めて移動する姿、厳しい自然の中で懸命に生きるシーンが次々と映し出され、私たちもたくさんの驚きと感動をもらいました。

ロッキー山脈の断崖絶壁に暮らすシロイワヤギ。その姿は、自然の厳しさと美しさ、そして命のたくましさを教えてくれました。次回の「ダーウィンが来た!」も楽しみです。

次回の【ダーウィンが来た!】足も目も再生!?驚きのイモリパワーと幻の“イモリ玉”を追う|2025年7月13日放送

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