静岡・有東木のわさび漬けと発酵の知恵にふれる旅
2025年5月22日(木)放送予定のNHK Eテレ『小雪と発酵おばあちゃん』では、俳優の小雪さんが静岡県静岡市の山あいにある有東木(うとうぎ)集落を訪れます。今回のテーマは、刻んだわさびと酒粕で作る伝統の発酵食「わさび漬け」。江戸時代からこの地に伝わるシンプルながらも奥深い味わいの発酵食に、小雪さんが実際にふれ、自然の恵みと人の知恵が詰まった暮らしの魅力を探ります。
静岡・有東木はわさび栽培発祥の地
今回の舞台となるのは、静岡市北部に位置する標高600メートルの山間部、有東木集落。この地は、日本で最初にわさびの栽培が成功した場所として知られています。清らかな湧き水と冷涼な気候がわさび栽培に適しており、江戸時代から続く伝統的な農法が今も受け継がれています。
有東木では、わさびの葉や茎だけでなく、根茎そのものを使って漬物を作る文化があります。それが今回のテーマである「わさび漬け」です。わさびを刻んで酒粕と合わせるだけというシンプルな工程ながら、根茎の切り方、酒粕の種類、砂糖や塩の加減によって味わいが大きく変わります。
小雪さんが山のわさび田で収穫体験
小雪さんは、地元のおばあちゃんの案内で山奥のわさび田へと向かいます。このわさび田へは、特別な乗り物に乗って移動すると紹介されており、簡単には行けない秘境であることがうかがえます。そこでは、わさびの収穫作業にも挑戦し、自然とともに暮らす人々の知恵と労力にふれることになります。
このような収穫体験は、単に作業をするだけでなく、どれほど自然の条件が重要か、どれだけ手間がかかるかを学ぶ大切な時間でもあります。収穫したわさびの状態や、葉・茎・根の特徴なども丁寧に紹介されるでしょう。
わさび漬け|静岡の伝統を受け継ぐ家庭の味
静岡名物の「わさび漬け」は、香りと辛味が特徴の発酵保存食です。地元では、新鮮なわさびの茎と根茎を使い、酒粕に漬けて仕上げるのが定番。茎のシャキシャキ感と根茎のピリリとした風味、そして酒粕のまろやかさが絶妙に調和します。おうちでも、手に入る材料で手軽に再現できます。
材料(つくりやすい分量)
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わさびの茎…3kg
※茎がない場合は、根茎のみでも作れます -
わさびの根茎…1kg
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酒粕…1.5kg
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砂糖…550g
※砂糖の量を加減することで、辛味の強さを調整できます -
塩…30g
作り方
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わさびの茎の下ごしらえ
・わさびの茎を細かくみじん切りにする
・みじん切りにした茎を30分間塩漬けにする(塩は全量の中から使用)
・水気をしっかり切る。水分が多いと保存性が下がるため、丁寧に行います -
酒粕の準備
・酒粕に砂糖550gと塩30gを均一に混ぜる
・よく混ざるまで手やスプーンで練り込むようにすることで、味がなじみます -
わさびの根茎の下ごしらえ
・根茎は包丁やすり鉢で細かく砕く
・できるだけペースト状に近づけると、仕上がりが滑らかになります -
漬け込み
・準備した酒粕に、塩漬けして水気を切ったわさびの茎とペースト状の根茎を混ぜる
・密封容器に詰める。混ぜた時点ですぐに食べられますが、1〜3日置くことで味に深みが増します -
保存方法
・冷凍保存が可能。小分けにして保存すると、使いたい分だけ解凍できて便利です
しっかり混ぜて、空気を抜いてから保存するのが長持ちのコツです。地元静岡では、温かいごはんに乗せたり、酒の肴にしたりと家庭ごとにさまざまな楽しみ方があります。素朴だけど滋味深い、発酵の知恵が詰まった一品です。
葵漬け|静岡が誇る爽やかな香味漬け
静岡の郷土料理「葵漬け」は、わさびの葉・茎・太根を活かした風味豊かな浅漬けです。シャキッとした食感とピリッとした辛味、塩昆布の旨味が合わさって、ごはんが進む一品に仕上がります。簡単な下ごしらえで、おうちでも気軽に再現できます。
材料(つくりやすい分量)
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わさびの葉…適量
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わさびの茎…適量
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わさびの太根…適量
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人参…適量
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塩昆布…適量
作り方
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わさびの葉を千切りにする
・葉と茎の境目にある硬い筋の部分は切り落とすことで、口当たりがよくなります -
わさびの茎を細く切る
・繊維に沿って細切りにすると、シャキシャキした食感が際立ちます -
人参も細く千切りにする
・全体の彩りと甘みのバランスが良くなり、見た目も鮮やかになります -
わさびの葉・茎・人参・太根をすべてボウルに入れ、さっと湯通しする
・熱湯をさっとかけるだけでOK。茹ですぎないように注意
・すぐに冷水にとって冷ますと、色合いがきれいに残ります -
水気を切ったら、塩昆布を混ぜ合わせる
・塩昆布の旨味と塩気が全体になじむように、やさしく混ぜる
・すぐに食べても、数時間置いても美味しく仕上がります
お茶うけやお弁当の一品にもぴったり。わさびの香りと塩昆布の旨味が調和した、爽やかで滋味深い味わいをお楽しみください。保存容器に入れて冷蔵庫で2〜3日保存できます。
発酵食が育むおばあちゃんの健康と元気
87歳という年齢ながら畑仕事や山歩きをこなすおばあちゃんの元気の秘訣。それは、発酵食品を中心とした食生活と、自然に囲まれた暮らしにあるのかもしれません。
・毎日、発酵食品を取り入れた食事
・旬の素材を中心にした手づくりのごはん
・体をよく動かす生活リズム
・人とのつながりを大切にする日々
こうした生活スタイルが、心も体もいきいきと保つ秘訣であることが、番組を通して伝わってきます。
放送後には詳細を追記予定
本記事は、放送前に公開された番組情報をもとに構成しています。実際の放送では、これらの内容に加え、小雪さんのリアルな感想や、発酵おばあちゃんの具体的な調理工程なども紹介される可能性があります。
有東木の自然と発酵の力を感じる30分。ぜひお見逃しなくご覧ください。
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