クフ王の墓に挑む82歳の情熱 吉村作治さんの歩みと発掘最前線
2025年11月26日に放送された『クローズアップ現代』は、吉村作治さんが82歳になった今もなお『クフ王の墓』を求めて発掘に挑み続ける姿を深く掘り下げた内容でした。
4500年前の遺跡に眠る謎を追うその姿には、人生をかけた信念、歴史への尊敬、そして人間としての強い思いが込められています。
この記事では、番組で紹介されたすべてのエピソードを丁寧にまとめながら、発掘現場の緊張感、吉村さんを支える人々、そして80代で挑戦し続ける精神力の背景を紹介します。
【NHKスペシャル】堺雅人が迫る!クフ王ピラミッド透視40m巨大空間とツタンカーメン王墓ネフェルティティ説 2025年8月19日放送
現地カイロで続ける発掘 歩けなくなっても現場へ向かう理由
番組は、吉村作治さんが今月上旬にエジプト・カイロへ向かったところから始まりました。
10年ほど前、発掘中に大けがをし、自力で歩くことが難しくなった吉村さん。それでも発掘をやめることはなく、仲間に支えられながら現場に立ち続けています。
カイロの発掘地は砂漠の風が強く、気温も高く、移動だけでも大変です。ところが吉村さんは、疲れを見せずに遺跡の状態を自分の目で確かめ、作業がどう進んでいるかをひとつずつ確認していました。
今回の発掘テーマは『クフ王の墓』。
クフ王は古代エジプト第4王朝の王で、あの巨大なクフ王ピラミッドを築いた人物です。4500年前の偉大な王のミイラは未発見のままで、副葬品も見つかっていません。考古学の世界でも「最大の未解決問題」といわれるテーマで、世界中の研究者が注目しています。
草野仁さんが語る吉村作治さんの人物像
スタジオには、40年以上の親交を持つ草野仁さんが登場しました。
草野さんは、「エジプトの人たちにここまで愛されている日本人は吉村さん以外にいない」と語り、吉村さんの誠実な人柄、現地の人々との深い信頼関係を強調していました。
その理由のひとつが、吉村さんが「出土品のほとんどをエジプトに返してきた」という点です。
多くの国は発掘した品を自国に持ち帰る中、吉村さんは常に「エジプトの宝はエジプトにあるべき」という姿勢を貫いてきました。
その積み重ねによって、現地政府から深い信頼を得て、今回のような大規模な調査許可にもつながっています。
発掘現場で進む議論 掘り進めるか、方向を変えるか
今回の発掘地点は「大きな発見があるのでは」と期待されていましたが、開始から2か月間、決定的な手がかりは見つかりませんでした。
資金、時間、労力は限られており、現場では大きな判断が迫られていました。
「今以上掘り進めるのは難しい」という意見と、「岩盤まで掘るべきだ」という意見がぶつかり、空気が張り詰めます。
発掘は重機が使えない場所も多く、作業員が手作業で砂や石をどかしながら進めるため、判断ひとつで作業期間も体力も大きく変わります。
そんな中、静かに様子を見守っていた吉村作治さんが口を開きました。
「一度平らに掘りならして、地中レーダーで反応を見よう。そこからターゲットを絞ればいい。」
そして続けて、歴史の重さを感じさせる言葉を残しました。
「慌てなくていい。だって5000年近くほったらかされているんだから。たった1〜2年でうまくいくわけがない。」
この冷静さと経験からくる視点は、現場にいたスタッフの心を落ち着かせ、再び前を向かせる力がありました。
息子タツンドさんと進める25年のパートナーシップ
発掘を支えているのは、もう一人の重要人物である息子のタツンドさん。
幼少期は別々に暮らしていましたが、25年前から共に発掘に関わり、エジプト側との調整や交渉を担っています。
砂漠での調査は、暑さだけでなく、資金管理や人の手配などあらゆる問題がつきまといます。
タツンドさんは現地の言葉にも通じ、吉村さんが調査に集中できるよう陰で支え続けています。
番組では、父と息子が並んで発掘場所を見つめる姿が印象的でした。
長い年月を経て、考古学という大きな目標を共有する関係になったことが、その横顔から伝わってきます。
教壇にも立ち続ける82歳 後進に伝える情熱
発掘だけでなく、吉村作治さんは現在も東日本国際大学で週4コマの授業を担当しています。
番組には授業の様子も映り、学生たちが真剣に耳を傾ける姿がありました。
学生のひとりは、
「簡単なことじゃないけれど、見習って頑張りたい」
と話し、吉村さんの情熱が若い世代の心にも届いていることがわかりました。
発掘現場と大学の授業の両立は、80代の体には大きな負担です。
しかし吉村さんは「次の世代に伝えること」も使命とし、教壇に立ち続けています。
クフ王の墓に挑む意味 歴史の核心を探る旅は続く
『クフ王の墓』の場所は、未だ誰も解き明かしていない世界的テーマです。
その謎の核心に迫ろうとする挑戦は、歴史を紐解く以上の価値があります。
82歳になってもエジプトに通い続ける吉村さんの姿勢は、年齢を理由に夢をあきらめない強さを示しています。
調査が進めば、歴史書を書き換えるような大発見につながる可能性もあります。
発掘は急ぐ必要はありません。
吉村さんの言葉通り、4500年の時を経た歴史は、焦っても答えをくれないのです。
そのゆっくりとした歩みにこそ、人が歴史に向き合う尊さがあります。
まとめ
今回の特集は、吉村作治さんの挑戦が、ただの発掘ではなく「歴史への敬意」「人への信頼」「夢への情熱」で成り立っていることを伝えていました。
『クフ王の墓』という壮大な謎に挑む姿は、見る人の胸を熱くし、勇気づけるものでもあります。
この先の調査がどんな未来を見せてくれるのか――
ゆっくりと、しかし確かな歩みで続く挑戦に期待が高まります。
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