クフ王の墓を追い続ける吉村作治さんの挑戦とは
『クフ王の墓はどこにあるのか』という長年の謎に挑む最新の動きをまとめます。この記事では、一般的に信じられてきた「ピラミッド=墓」という考え方を見直すきっかけを整理し、発掘を続ける吉村作治さんが何を目指しているのか、2025年時点でわかっている事実を軸に紹介します。放送前の段階でも、吉村さんの調査がどんな意義を持つのか理解できるように整理しています。
【NHKスペシャル】堺雅人が迫る!クフ王ピラミッド透視40m巨大空間とツタンカーメン王墓ネフェルティティ説 2025年8月19日放送
吉村作治さんとは何者なのか?日本エジプト考古学の先駆者としての歩み
1943年生まれの吉村作治さんは、日本のエジプト考古学を切り開いた第一人者です。
1966年、わずか20代で日本初となる古代エジプト発掘調査隊を結成し、砂漠の中での発掘生活をスタートさせました。当時、日本の考古学でエジプトを専門に掘る研究者はほとんどいませんでした。
その後、ギザ・サッカラ・ルクソール・ダハシュールなど多くの遺跡で発掘を重ね、ミイラの分析や王墓の構造調査など、数々の成果をあげてきました。
特に、ギザ台地の調査は長年のライフワークで、ピラミッド建設をめぐるさまざまな謎の解明にも貢献してきました。
最近では80代になっても現役で発掘を続け、エジプトへ実際に足を運びながら調査チームを率いています。足の大けがを負ってリハビリを続けるなかでも、現地へ向かう姿勢を崩さず、「人生の集大成」と語るほど強い熱意を持って取り組むプロジェクトが、クフ王の墓の探索なのです。
そもそもなぜ「ピラミッド=墓」なのか?そして何が問題なのか
一般的には「ピラミッドは王の墓」とされています。しかし、この定説を支える確実な証拠は実は多くありません。
ポイントは次のとおりです。
・クフ王の大ピラミッドには“棺らしき石槽”はあるが、ミイラは見つかっていない
・副葬品も残されていない
・盗掘痕すら明確ではない
・他の王の墓では必ず存在するはずの痕跡が欠けている
つまり、“墓としての決定的証拠がない”のです。
この疑問から、吉村さんは『クフ王はピラミッドとは別の場所に葬られている』という説に可能性を見出しました。
吉村作治さんの仮説:クフ王の墓はピラミッドの外にある
吉村さんの考えはこうです。
『ピラミッド=記念碑であり、墓は別の場所に造られた可能性がある』
その理由として挙げられるのが、西側墓地の存在です。
ピラミッドの周囲には王族・高官の墓である『マスタバ』が多数並んでいます。その構造と配置を詳しく調べていくと、王墓に通じる可能性のある地下構造が広がっていることが見えてきました。
地下探査を進めると通常の層と異なる反応が多数観測されており、「まだ地中に未知の空間があるのではないか」と注目されています。
調査のスタートは2016年。西側墓地で実施された本格的な地下探査とは?
2016年8月、第1次ギザ西部墓地調査が正式にスタートしました。
調査手法は次のように多岐にわたります。
・3次元写真測量(SfM)による地形・遺構の立体化
・電磁探査で地中の導電率の異常を測定
・地中レーダー(GPR)で地下の空洞や構造物を捉える
・既存の基準点の再確認や地表調査
・過去の文献との照合
これらを組み合わせることで、肉眼では見えない地下の広がりが浮き彫りになりました。
その結果、西側墓地の奥に「巨大な空白地帯」が確認され、この箇所が“核心部”の候補として急浮上したとされます。
特に、マスタバ群の並び方や地中の異常反応は、人工的に造られた可能性を示唆しており、王墓が隠されている候補として有力とされています。
“核心部”とされる理由をもっと詳しく
西側墓地が有力視される理由は、地中の反応だけではありません。
・マスタバ群は王族や高官の墓
・王墓はその近くに配置される傾向がある
・地中に大規模構造の痕跡
・まだ発掘されていない巨大エリアの存在
・ピラミッド本体にミイラがない矛盾
王族の墓が立ち並ぶ場所に、王の墓が隠されていたとしても不自然ではありません。
むしろ、クフ王のような偉大な王であれば、盗掘を避けるために“意図的に隠した構造”を造った可能性は十分考えられます。
吉村さんが現地で見せる表情が真剣そのものであるのは、こうした複合的な理由によるものです。
調査を進めるうえでの困難と葛藤
ギザ台地は世界遺産です。
発掘は慎重を極め、許可が下りるまでにも多くの手続きが必要です。
・観光への影響
・文化遺産保護
・地中構造の脆弱性
・機材搬入の制限
・解析に時間がかかる
また、地中レーダーなどの探査では、“異常=遺構”とは限りません。
複雑な地層や自然の空洞が反応を生むこともあるため、解析には専門的な判断が求められます。
そしてもうひとつの大きな課題が、吉村さん自身の身体的な状況です。
足の大けがで歩行が難しい時期もあり、リハビリを続けながらの調査は肉体的にも精神的にも大きな負担があります。それでも現地に通い続ける姿には、半世紀以上にわたってエジプトの謎に向き合ってきた人間の信念がにじみ出ています。
なぜここまで情熱を注ぎ続けるのか
吉村さんは、今回の調査を『人生の集大成』と語っています。
・エジプトと向き合い続けた60年
・数多くの発掘現場で得た経験
・学術的成果だけでなく文化交流にも尽力
・“最後の大発見”を夢見る純粋な探究心
もしクフ王の墓が見つかれば、教科書が書き換わるほどの大発見になります。
古代エジプト研究の常識が大きく動く可能性があるだけでなく、世界中の研究者の価値観を揺らすほどのインパクトを持つでしょう。
現段階でわかっていること、まだわからないこと
・調査許可は取得済み
・地下探査で異常反応がある
・西側墓地に未調査区域が残る
・クフ王のミイラ、副葬品は未発見
現時点で「クフ王の墓を発見した」という確定情報はありません。
今回の番組では、最新の探査状況、地下構造の解析、吉村さんの現地での動きが丁寧に映し出されると考えられます。
放送が終わり、具体的な調査の進展が語られたら、この記事をさらに詳細に書き直します。
まとめ
『クフ王の墓はどこにあるのか?』という疑問は、古代文明研究の中でも特に大きなテーマです。
長年ギザの地下構造や王墓の謎に向き合ってきた吉村作治さんが、82歳になった今も挑戦を続けていることは、学術を超えた強いメッセージを持っています。
ピラミッドに残された空白と、西側墓地に広がる未知のエリア。
最新技術と研究者の情熱が重なり合うことで、これまで語られてきた常識が大きく塗り替えられる可能性があります。
放送後、公開された内容を確認して、この記事をさらにアップデートします。
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