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NHK【歴史探偵】長谷川平蔵と火付盗賊改 密偵が動いた白洲の取調べ全貌と江戸の闇賭場摘発術|2025年11月26日★

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江戸をゆるがせた火付盗賊改と長谷川平蔵のほんとうの姿

江戸の町には、放火や大泥棒、賭場荒らしなど、町奉行所だけでは追いつかないほどの事件がありました。そんな危険な犯罪を専門に取り締まったのが火付盗賊改です。その中心人物として名を残したのが長谷川平蔵宣以でした。凶悪犯との攻防だけでなく、社会の底から犯罪を減らそうとした姿勢が大きな特徴です。放送では、この火付盗賊改の実態や平蔵の型破りな取り組みがどこまで明らかになるのか注目されます。

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火付盗賊改が背負った重すぎる任務とは

火付盗賊改は江戸幕府の中でも危険度が極めて高い役職でした。
取り扱うのは放火、大盗賊、賭博といった都市機能を揺るがす重大事件。もし放火が起きれば数千軒が焼け落ち、江戸の命とも言える商業地区が壊滅する可能性があります。盗賊団が暴れれば、農村や町は不安に包まれ、人々の生活すら立ち行かなくなるほどでした。

この役目は御先手頭など武芸に優れた旗本が95%以上を占めて任命され、まさに武の象徴とも言える存在でした。しかし、華やかな印象とは裏腹に、実態はかなり厳しいもの。
火付盗賊改は常設組織ではないため、十分な予算や設備が整っておらず、頭となる旗本が自ら屋敷に白洲(取り調べ場所)や牢を設け、職務を遂行することがよくありました。
部下には与力・同心のほか、江戸の裏事情を熟知した密偵も存在し、情報収集が日々の中心となる役目でした。

つまり火付盗賊改は「武力で押す組織」ではなく、裏社会の動きを見抜き、江戸の犯罪構造そのものを把握する緻密な情報機関でもあったのです。

長谷川平蔵宣以という人物の背景

長谷川平蔵宣以は1745年生まれ。父の長谷川宣雄も火付盗賊改を務めた経験があり、幼いころから町方の裏事情や犯罪捜査の厳しさを見て育った環境にありました。
若い頃から真面目な性格で、武芸にも優れ、役人としての実務も着実にこなして評価を受けていきました。

1786年に先手弓頭となり、翌1787年に火付盗賊改・加役に任命。すぐ翌年には本役に抜擢され、江戸の治安を守る最前線に立つことになります。
その抜擢の裏には、武芸だけでなく、粘り強さと観察力、そして人心掌握に優れた性格が高く評価されていたことがあったと考えられています。

庶民からは「本所の平蔵様」と慕われ、恐れられる役職でありながら不思議と信頼を集める存在でした。この背景には、平蔵の態度や眼差しに“人を人として見る”姿があったからです。

凶悪犯との攻防に隠れた徹底した捜査力

平蔵の働きを語る上で欠かせないのが、大盗賊神道徳次郎との攻防です。徳次郎は仲間の結束が固く、潜伏が巧みで、江戸から関東一帯を荒らしまわった危険な盗賊でした。

平蔵は、
・密偵を複数使って関係者の動きを追わせる
・盗賊が使う潜伏ルートを地図に落として分析する
・仲間割れを利用し情報を引き出す
といった、当時としては非常に高度な捜査を行いました。

また、闇賭場の摘発では、一晩ごとに賭場の場所を変える相手に対し、密偵が掴んだ「煙草の匂いが強い」「夜に馬が出入りする音がする」などの細かな手がかりまで拾い集め、場所を特定して摘発した例もあります。

捜査では徹底して冷静に判断し、無駄な衝突を避けながらも、確実に包囲して追い詰めていく姿勢が際立っていました。

「人として扱う」姿勢が支持を生んだ

平蔵の評価が高い理由は凶悪犯の逮捕だけではありません。
捕らえた者に対しても、ただ処罰するだけでなく、最低限の尊厳を保とうとする行動が多く記録に残っています。

その中のひとつが「連行前に着物を買い与えた」という話です。
逮捕された盗賊がぼろぼろの姿で白洲に出されるのは、同じ人の身としてあまりに惨めだと感じ、最低限の身なりを整えさせたと言われています。

このような姿勢により、庶民はもちろん、罪を犯した側からも「平蔵のお縄の方がまだ救いがある」と語られるほどだったのです。

江戸の治安を根本から立て直すための改革

平蔵は現場の仕事だけでなく、都市全体を見渡していた点が特筆されます。
犯罪者の多くが無職の無宿人であり、生活の基盤がなければ再犯を繰り返してしまうことを理解していました。

そのため1790年、無宿人を収容し、衣食住と仕事を与える『人足寄場』の設置を建議します。
これは江戸版の更生保護施設のような場で、再犯の連鎖を断ち、社会に戻れる仕組みを作ろうとした革新的な取り組みでした。

火付盗賊改の役目を超えて「社会の治安をどう改善するか」という視点で行動したのは、当時としても非常に先進的で、平蔵だけが成しえた仕事として知られています。

火付盗賊改に残された多くの謎

火付盗賊改は臨時的に始まった組織であり、町奉行所のように細かい記録が体系的に残っていません。
また、長谷川平蔵の活躍は時代小説やドラマによって後世に大きく脚色された部分も多く、史実と物語が混ざって伝わっている点も少なくありません。

しかし、文献や史料として確認できる部分だけを見ても、
・危険度の高い事件への迅速な対応
・情報戦を駆使した冷静な捜査
・人足寄場の建設による社会政策
といった、多岐にわたる功績は確かなもので、火付盗賊改の歴史の中でも突出した実力を持つ人物だったことは間違いありません。

まとめ

江戸の治安を大きく揺るがす事件に立ち向かった長谷川平蔵宣以は、火付盗賊改として凶悪犯を捕らえるだけでなく、社会の根っこにある問題を見抜き改善を試みた稀有な存在でした。
危険な盗賊団の摘発、放火犯の捜査、闇賭場の摘発といった現場の働きに留まらず、無宿人を救う『人足寄場』の設置など、都市の未来を見据えた改革まで行っています。

今回の番組が、どの事件をどのように掘り下げ、火付盗賊改の真実にどこまで迫るのか非常に楽しみです。
まだ放送前のため、放送後に内容を反映してさらに詳しく書き直します。


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