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Eテレ【先人たちの底力 知恵泉】家庭料理の革命家 小林カツ代『料理は科学』の真髄と“料理の鉄人”裏話に迫る|2025年11月25日

先人たちの底力 知恵泉

小林カツ代の時短料理はなぜ“革命”になったのか

料理研究家として1万点以上のレシピを生み出し、今も多くの家庭に影響を与え続けている小林カツ代
みそ汁すら作れないところから始まった彼女の挑戦は、ただの家庭料理の工夫ではなく、忙しい社会を生きる私たちの食卓を変える大きな革命でした。この記事では、放送前の段階で分かっているエピソードを整理しながら、なぜ彼女が“家庭料理の革命家”と呼ばれるのかをたどっていきます。

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料理の素人から“家庭料理のカリスマ”へ

小林カツ代は大阪府生まれ。幼い頃から料理に親しんでいたわけではなく、結婚したときでさえ「みそ汁の作り方も知らない」ほどの初心者でした。
そんな彼女が料理に向き合うようになったのは、結婚・出産・家事・仕事と、毎日息つく間もない生活が始まってからです。時間に追われるなかで、日々の料理にかけられる時間はどうしても限られました。

それでも家族にはおいしいものを食べてほしい。忙しい自分でも作れる方法はないか。
ここから彼女の“独学の研究”が始まります。

そして到達したのが、
「料理は科学だ」
という発想でした。

勘や雰囲気ではなく、火加減・手順・組み合わせを論理的に組み立てることで、味を安定させ、再現性を高め、負担を減らす――この考え方が、その後の小林カツ代の全レシピの核となりました。

手間を省いてもおいしい――合理性とやさしさが詰まった時短料理

小林カツ代のレシピが支持された理由は、単に“時間が短い”だけではありません。家庭料理の本質である「再現しやすさ」「負担の軽減」「おいしさ」を同時に成立させていたからです。

具体例は多岐にわたります。

・揚げ物は油を大胆に減らして、後片付けを軽くする
・煮物は鍋でなくフライパンで作り、火の通りを速くして味も決めやすくする
・調味料や食材はどの家庭でも手に入るものに限定
・手順を思い切って省略しながらも、味がぶれないように理論的に設計する

こうした工夫は、当時の料理本にあまりなかった視点です。“手間をかけるのが愛情”という価値観が一般的だった時代に、彼女は真っ直ぐに言いました。

「時間をかけなくても、おいしいものは作れる」

これは、共働き家庭が増え始めた1980〜90年代の日本にとって、まさに新しい料理観でした。
時間が足りない、料理が苦手、ひとり暮らし、料理をしない男性……そんな人たちを励まし、食卓を支えたのが小林カツ代のレシピでした。

家庭料理がプロ料理を超えた瞬間――「料理の鉄人」対決の衝撃

1994年、『料理の鉄人』での陳建一とのジャガイモ対決は、今も語り継がれる名エピソードです。

鉄人サイドは伊勢エビやキャビアを用いた豪華な創作料理を披露。
対する小林カツ代は、日常の食卓で親しまれている肉じゃがを含む家庭料理7品で勝負します。

結果は、小林カツ代の勝利。

この出来事が大きな話題となったのは、
「家庭料理の本質が、プロの料理人の腕や豪華食材に勝った」
というインパクトがあったからです。

家庭料理は“プロ以下”という固定観念を覆し、素材の扱い方や段取り、組み立て方といった“料理の構造”の正しさが味にダイレクトに結びつくことを証明しました。

さらに、挑戦の裏にはこんな背景があります。

・小林カツ代は料理学校で学んだわけではない
・家庭料理の延長線で勝負すること自体が異例
・限られた時間と設備の中、家庭料理の技術で挑んだ
・合理性・理論性を武器に、プロと真っ向勝負した

料理界だけでなく、家庭で料理をする多くの人にとっても勇気を与える出来事となり、彼女の名は一気に全国区となりました。

“時代を読む料理”という新しい視点

小林カツ代のすごさは、レシピだけにとどまりませんでした。

料理は生活であり、生活は時代と社会に影響される。
彼女はその変化を鋭く見つめ、料理のあり方を進化させていきました。

・共働き家庭の急増
・家事負担の偏り
・男性の料理参加
・ひとり暮らしの拡大
・個食・簡便食のニーズ

こうした社会的な変化を敏感に読み取り、ただ料理を伝えるのではなく、
「食卓を起点に、生活や家族のストレスを軽くする」
という視点でレシピをつくり続けました。

時短料理だからこそ救われた家庭が多くあり、
“料理で社会を支える”
と言っても過言ではないほどの影響力を持っていました。

今回の番組で描かれる“秘話”にも期待

『知恵泉』では、彼女がどのようにレシピを生み出し、人の暮らしと社会に向き合ってきたのか、深い視点から紹介されることが予想されます。
特に『料理の鉄人』出場の裏側にあった準備や葛藤、一念発起して独学で料理を学び、科学の視点で体系化していった過程など、これまで詳細に語られてこなかった話にも注目が集まります。

まとめ

小林カツ代は、料理を知らないところから「家庭料理の革命家」にまで上りつめた希有な存在です。
科学的な考え方を家庭料理に持ち込み、時間がない人でもおいしく作れるレシピを次々に開発し、共働き・男性の料理参加・ひとり暮らしなど、時代の変化に合わせて“暮らしの食”を軽くしてきました。

『料理の鉄人』での陳建一との対決・勝利は、家庭料理が持つ力を象徴する出来事でした。

2025年11月25日の『知恵泉』で、彼女の哲学がどのように紹介されるのか。

【DayDay.】塩を使わない滋賀の家庭料理と健康寿命トップの暮らし方 2025年8月13日放送


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