記事内には、広告が含まれています。

NHK【気になる家】同潤会住宅の記憶(東京・江古田)|取り壊し寸前から守られた“暮らしの記録”と文化財への再生物語(2025年7月21日放送)

未分類

同潤会住宅の記憶(東京・江古田)

東京・江古田の駅近くに、まるで時間が止まったような古い日本家屋が残っています。その家は、昭和初期に「同潤会」が建てた30戸の戸建て住宅のうち、唯一今も当時の姿をとどめている貴重な1軒です。取り壊される寸前で守られたその家には、家族の思い出と地域の歴史が詰まっています。この特集では、家を守り抜いた人々の努力と、そこに込められた“暮らしの記憶”に焦点を当てます。番組は7月21日(月・祝)18:05〜18:34、NHK総合にて放送予定。この記事では放送前に判明している情報を中心にご紹介し、放送後にはさらに詳しい内容を追記いたします。

江古田駅近くに残された時が止まった家

東京・練馬区の江古田駅から歩いてすぐの住宅街の中に、その家はひっそりとたたずんでいます。見た目は木造の日本家屋ですが、玄関を開けて中に入ると、まるで大正時代にタイムスリップしたような雰囲気が広がります。木製の流し台や釜戸、そして五右衛門風呂まで残されており、現代の暮らしとはまったく異なる世界が広がっています。

「同潤会」が建てた唯一の現存住宅

この家が注目されたのは、ある調査をきっかけに歴史的な背景が明らかになったからです。戦前の都市住宅問題の解決を目的に設立された「同潤会」が、昭和初期に分譲した木造住宅群30戸のうち、唯一残された一軒だという事実が判明しました。これまで同潤会といえば「同潤会アパート」が有名でしたが、戸建て住宅も手がけていたことが再発見された瞬間でもあります。

家の内装と設備もほぼ当時のまま

保存されているのは外観だけではありません。家の中には当時の台所や和室、障子戸、天井の梁、収納棚などが丁寧に残されており、生活の痕跡がそのままになっています。特に注目すべきは五右衛門風呂の構造や、屋根の瓦の積み方など、昭和初期の都市住宅に共通する設計の工夫が多く見られる点です。

取り壊し寸前に守られた理由とは

この家には長らく、東京帝国大学の教授だった初代当主の家族が暮らしていました。しかし、2005年ごろに長男夫婦が高齢となり施設に移ったことで、家は空き家に。その後、取り壊してマンションに建て替える計画が浮上していました。

保存のきっかけは専門家の評価

そんなときに行われた住宅調査で、建築史の専門家たちがこの家の価値に気づきました。「これは住宅遺産としての価値がある」と評価され、保存への道が動き出します。

姉妹と地域の人たちが立ち上がる

保存活動を中心となって進めたのは、当主の孫にあたる姉妹・能登路雅子さんと奥村園子さんです。この姉妹と近所の人々が協力し、保存活動を少しずつ進めていきました。その結果、2010年には国の登録有形文化財にも指定され、屋根の葺き替えや木製ガラス戸の復元、庭の手入れなどが行われました。

表:江古田の同潤会住宅の保存の経緯

時期 出来事
昭和初期 同潤会が江古田に木造戸建て30戸を建設
約20年前 最後の住人が施設へ移り、空き家に
保存前 マンション建設計画が浮上
住宅調査 建築史専門家が「住宅遺産」と評価
保存活動 孫世代の姉妹と近所の住民が保存へ
2010年 国の登録有形文化財に指定され保存完了

この家は「生きた文化財」

この家が残されたのは偶然ではなく、家族の思い出、専門家の評価、地域のつながりが重なった結果でした。番組では、「家を残すとはどういうことか」「記憶を未来へつなぐとは何か」といったテーマも丁寧に描かれる予定です。

再生された家の姿

復元された家は今、「生きた文化財」として活用されています。見学イベントや地域との交流の場としても使われており、単なる遺構ではなく暮らしと文化を感じることができる現役の住宅として、新しい命を吹き込まれています。

放送では何が描かれる?

語りは石丸謙二郎さんと森田茉里恵さん。番組では、保存活動に関わった姉妹の姿や、家を知る地域の方々の記録、そして当時の暮らしを感じさせる建物内部の様子も紹介される予定です。


この記事は、番組の放送前にわかっている情報をもとに作成しました。7月21日の放送後には、番組で明かされた具体的なエピソードや、家族・地域の人々の想いについてさらに詳しく追記いたします。ぜひ放送をご覧いただいたあと、もう一度この記事にお立ち寄りください。


出典・参考リンク:
美術展ナビ|同潤会住宅の歴史と価値
ナビコン|番組内容・保存の経緯
Gガイド.テレビ王国|放送情報
tip-str|建築保存の記録
satsuki-kai.net|佐々木邸紹介
J-Stage|住宅遺産研究

コメント

タイトルとURLをコピーしました