“孤独パンデミック”が広がる時代
「最近、友達と会っていない」「本音を話せる相手が少ない」と感じる人が増えています。特に40代〜60代では、仕事や家庭環境の変化から人間関係が狭くなり、孤独感を抱えるケースが目立つようになりました。
『上田晋也のサンデーQ(2026年5月10日)』でも取り上げられ注目されています 。
一方で今は、恋愛ではなく“安心できるつながり”を求める友活も広がっています。SNS時代なのに孤独を感じる理由とは何なのか。なぜ今、「居場所」がこれほど大切になっているのかを詳しく整理します。
この記事でわかること
・40代〜60代で友達が減りやすい理由
・SNS時代なのに孤独感が強まる背景
・婚活ではなく「友活」が人気を集める理由
・今の時代に“安心できる居場所”が求められる意味
「群馬パスポート」「男性更年期」「孤独パンデミック」【上田晋也のサンデーQで注目】
40代〜60代で“友達がいない人”が増えている理由
40代〜60代で「友達がいない」と感じる人が増えている背景には、単に性格が内向的だから、という話だけではありません。大きいのは、人間関係の作り方が年齢とともに変わることです。
若いころは、学校、部活、アルバイト、職場の同期など、自然に人と出会う場所がたくさんあります。けれど40代以降になると、新しい友達を作る場所が急に少なくなります。仕事では責任が重くなり、家庭では子育て、親の介護、自分の体調の変化なども重なります。
つまり、友達がいないというより、友達を作り直す時間と場所が減っているのです。
2024年の孤独・孤立に関する全国調査では、孤独感が「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた人が全体で約4割にのぼり、年代別では男女とも50代の孤独感が高い傾向とされています。
40代〜60代は、人生の中でも変化が多い時期です。たとえば、子どもが成長して家を離れる、職場で立場が変わる、転職や早期退職を考える、親の介護が始まる、体力の低下を感じるなど、生活の形が大きく揺れます。
そのとき、昔の友達とは生活リズムが合わなくなりやすくなります。
「また今度会おう」と言いながら、数年会っていない。
「連絡したいけれど、今さら何を話せばいいかわからない」。
「相手も忙しそうだから、こちらから誘いにくい」。
こうした小さな遠慮が積み重なり、人間関係が少しずつ細くなっていきます。
また、中高年世代は「弱音を吐くのが苦手」な人も少なくありません。特に仕事中心で生きてきた人ほど、悩みを相談することを恥ずかしいと感じたり、「自分でなんとかしないと」と抱え込んだりしがちです。
ここで大切なのは、友達の数ではありません。
本当に必要なのは、たくさんの知り合いではなく、気軽に話せる相手です。1人でも「ちょっと聞いて」と言える人がいるだけで、孤独感は大きく変わります。
だからこそ、40代〜60代の孤独は「本人の努力不足」ではなく、社会の仕組みや生活の変化によって起きやすい問題として見ることが大切です。
SNS時代なのに孤独を感じる人が多い背景
SNSがある今は、昔より人とつながりやすい時代です。スマホを開けば、知り合いの近況が見られます。コメントもできます。メッセージも送れます。
それなのに、なぜ孤独を感じる人が多いのでしょうか。
理由は、SNSのつながりが必ずしも心のつながりとは同じではないからです。
SNSでは、楽しい旅行、きれいな食事、家族との幸せそうな写真、仕事の成功などが目に入りやすくなります。もちろん、それ自体は悪いことではありません。でも、疲れているときや落ち込んでいるときに見ると、「自分だけうまくいっていない」と感じてしまうことがあります。
また、SNSでは「いいね」やコメントがあると、つながっている気持ちになります。けれど、それが本音で話せる関係とは限りません。
たとえば、SNS上では明るくふるまっていても、本当は不安を抱えている人もいます。
たくさんフォロワーがいても、深い悩みを話せる相手がいない人もいます。
近年の調査分析では、SNSは趣味の合う人とつながれるなど良い面がある一方で、リアルな会話の減少、他人との比較、不安や焦りにつながる面も指摘されています。
ここで分けて考えたいのが、つながりの量とつながりの質です。
つながりの量とは、知り合いの数、フォロワー数、連絡先の数のようなものです。
つながりの質とは、安心して話せるか、会うと元気になれるか、困ったときに相談できるか、ということです。
SNS時代の孤独は、「誰ともつながっていない孤独」だけではありません。むしろ、たくさんつながっているのに満たされない孤独が増えているとも言えます。
たとえば、グループLINEには入っている。
SNSでは人の投稿を毎日見ている。
昔の同級生ともつながっている。
でも、自分が本当に困ったときに「今ちょっとつらい」と言える相手がいない。
これが、今の孤独の難しさです。
だから、孤独を減らすためには、ただSNSを増やすだけでは足りません。大切なのは、短い時間でもいいので、声を聞く、会って話す、同じ体験をすることです。
一緒に歩く。
同じ趣味を楽しむ。
お茶を飲みながら話す。
無理に深い話をしなくても、同じ場所で過ごす。
こうした小さな時間が、人の心をゆるめてくれます。
『上田晋也のサンデーQ』で触れられた“孤独パンデミック”という言葉が注目されるのは、SNSでつながる時代なのに、心の置き場所を探している人が多いからです。
婚活より“友活”が広がる令和の人間関係
最近は「婚活」だけでなく、友活という言葉も広がっています。
友活とは、恋人や結婚相手を探すのではなく、友達や話し相手、趣味を一緒に楽しむ仲間を見つける活動のことです。
これが注目されている理由は、今の人間関係が昔より自由になった一方で、自然に友達を作る機会が減っているからです。
昔は、近所付き合い、職場の飲み会、地域行事、親戚付き合いなど、人間関係が半ば強制的にできる場が多くありました。そこには面倒くささもありましたが、同時に「なんとなく人とつながっている安心感」もありました。
今は、無理な付き合いをしなくてよくなりました。これは良い変化です。
ただ、その分、自分から動かないと人間関係が生まれにくくなりました。
そこで出てきたのが、友活イベントです。
友活イベントには、いろいろな形があります。
・同世代で集まる交流会
・趣味をきっかけにしたイベント
・散歩やハイキングなどの体験型イベント
・食事会やお茶会
・1人参加しやすい少人数の集まり
・オンラインで話せる交流会
イベント情報サイトなどでも、地域別・年代別・趣味別の友達作りイベントが掲載されており、40代中心、60代・70代向け、趣味や散策を組み合わせた企画なども見られます。
友活が婚活と違うのは、「結果」を急がなくていいところです。
婚活はどうしても、相手の年齢、職業、収入、結婚観などを意識しやすくなります。もちろん、それも大切です。ただ、最初から条件で見られることに疲れる人もいます。
一方、友活はもっとゆるやかです。
「同じ趣味の人と話したい」
「休日に一緒に出かけられる人がほしい」
「たまにお茶できる人がいたらいい」
「恋愛ではなく、気楽なつながりがほしい」
こうした思いに合いやすいのが友活です。
特に中高年世代にとって、友活は新しい人間関係の入口になります。若いころのように、毎日会って親友になる必要はありません。月に1回会うだけでも、十分な支えになることがあります。
また、友活は「孤独だから参加するもの」と考えすぎないほうがよいです。
むしろ、人生を少し広げるための活動です。
新しい趣味を見つける。
知らない場所へ行く。
同じ話題で笑える人と出会う。
家と職場だけだった生活に、別の居場所を作る。
そう考えると、友活はかなり前向きな選択です。
令和の人間関係では、家族、職場、恋人だけに頼らないゆるいつながりが大切になっています。深すぎず、でも冷たくない。無理に合わせなくてもよく、会うと少し心が軽くなる。
友活が広がっているのは、そうした「ちょうどいい距離感」を求める人が増えているからです。
なぜ今「安心できる居場所」が求められているのか
孤独の問題を考えるとき、よく「友達を作ればいい」と言われます。
でも、本当に必要なのは、ただ友達を増やすことではありません。大切なのは、安心できる居場所です。
居場所とは、家や建物だけのことではありません。
「ここでは無理しなくていい」と思える場所。
「自分の話を否定されずに聞いてもらえる」と感じられる関係。
「完璧でなくても受け入れてもらえる」と思える空間。
それが居場所です。
今、安心できる居場所が求められている背景には、社会全体の変化があります。
仕事では成果や効率が求められます。
家庭では役割や責任があります。
SNSでは人からどう見られるかを気にしがちです。
どこにいても、少し緊張している人が多いのです。
さらに、家族や身近な人だからこそ話しにくいこともあります。国の広報でも、悩みは家族や友人など身近な人に相談する人が多い一方で、身近だからこそ「心配させたくない」「叱られたくない」と話せない人がいることが指摘されています。
つまり、孤独は「人がいない」だけでなく、話せる空気がないことでも起きます。
たとえば、家族はいる。職場にも人はいる。近所にも知り合いはいる。
でも、自分の本音を話せない。弱いところを見せられない。
そうなると、人に囲まれていても孤独になります。
安心できる居場所には、いくつかの特徴があります。
・無理に明るくしなくていい
・話したくない日は黙っていてもいい
・年齢や立場で決めつけられない
・失敗しても責められない
・会うたびに緊張しすぎない
・共通の趣味や目的がある
特に友活イベントや趣味の集まりが人気なのは、いきなり深い話をしなくてもいいからです。
「同じ映画が好き」
「同じ料理に興味がある」
「散歩が好き」
「旅行の話ができる」
こうした共通点があると、会話の入り口ができます。最初から人生相談をする必要はありません。何気ない話を重ねるうちに、少しずつ安心感が育ちます。
また、安心できる居場所は、1つだけでなくていいです。
家族の居場所。
趣味の居場所。
地域の居場所。
オンラインの居場所。
たまに会う友人との居場所。
いくつかの小さな居場所があると、1つの関係に頼りすぎなくてすみます。
これはとても大事です。人間関係は、近すぎると苦しくなることもあります。だからこそ、令和のつながりは「濃い関係を1つ作る」よりも、ゆるく安心できる関係をいくつか持つほうが合っている人も多いのです。
孤独パンデミックという言葉は少し大きく聞こえますが、根っこにあるのはとても身近な問題です。
誰かと話したい。
でも、重いと思われたくない。
友達はほしい。
でも、無理な付き合いはしたくない。
ひとりの時間も大切。
でも、ずっとひとりはさびしい。
この気持ちは、決して特別なものではありません。
だからこそ、友活や安心できる居場所づくりは、これからますます大切になっていきます。大げさなことをしなくても、まずは「少し話せる人」「たまに会える人」「同じことを楽しめる人」を見つけるだけで、毎日の景色は変わります。
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