永久欠番・BBQが美味しい理由・寝癖の仕組み
2025年5月9日放送のNHK総合『チコちゃんに叱られる!』では、「永久欠番の謎」「バーベキューの料理が美味しい理由」「寝ぐせの正体」といった、誰もが一度は疑問に思うテーマが取り上げられました。ゲストには丸山礼さんと向井慧さん(パンサー)が登場し、岡村隆史さんやチコちゃんとのやりとりを通して、楽しく学べる内容が満載でした。この記事では、放送された全エピソードの内容を詳しくご紹介します。
永久欠番はなぜ生まれた?

今回の放送で最初に取り上げられたテーマは「永久欠番がなぜ生まれたのか」というものでした。向井慧さんは、「嫌な奴が自分の番号を誰にも渡したくなかったから」と回答しましたが、それは間違いで、チコちゃんに叱られることになりました。
正しい答えは「ルー・ゲーリックを励ますため」でした。名城大学の鈴村教授が説明したところによると、ルー・ゲーリックは今から約100年前にアメリカ・メジャーリーグで活躍していた有名な野球選手です。彼はチームで中心的な存在として活躍していましたが、突然「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」という難病にかかります。この病気は、筋肉を動かすための神経細胞が徐々に壊れていき、手足、のど、舌、呼吸などの動きができなくなる進行性の病気です。
・ゲーリックは診断からわずか2日で引退を表明
・1939年7月4日に「ルー・ゲーリック感謝デー」が開かれた
・彼は「私は世界一幸せな男です」というスピーチで観衆を感動させた
この日、彼の所属チームであるニューヨーク・ヤンキースは背番号「4」を永久欠番とすることを決めました。それは、ゲーリックが再び元気になって球場に戻ってくるまで、誰にもこの番号を渡さずに待ち続けるという、球団からの強い励ましの気持ちを込めたものだったのです。しかしながら、そのわずか2年後、ゲーリックは37歳の若さで亡くなってしまいました。
この出来事は多くの人々に強い印象を与え、以後、永久欠番はスポーツ界全体に広がっていくことになります。当初は病気の選手を励ます意味で使われた制度ですが、現在では「功績を讃える」ための象徴的な制度へと変わってきています。
・大谷翔平選手やイチロー選手などの背番号も注目されている
・日本では長嶋茂雄選手や王貞治選手などの偉業により、同様の永久欠番制度が導入されている
・プロ野球では各球団が、チームに多大な影響を与えた選手を対象に背番号を永久欠番として残している
永久欠番とは単なる「番号の保存」ではなく、その番号に込められた人々の思いや歴史を後世に伝える大切な文化となっています。この制度によって、ファンや若い世代が過去の偉大な選手に関心を持ち、野球の歴史を学ぶきっかけにもなっているのです。
バーベキューが美味しく感じる理由は?

今回の放送で紹介されたもう一つの興味深いテーマは、「バーベキューの料理がなぜ美味しく感じるのか?」という疑問でした。岡村隆史さんは「脳がバグってるから」と回答しましたが、それは間違いで、チコちゃんに叱られてしまいました。
正解は「脳のブレーキが外れるから」。武蔵野大学の阿部教授が、バーベキューと味覚の関係について詳しく解説しました。私たちの脳は、普段、ドーパミンという快楽や幸福感をもたらす物質の分泌を自動的にコントロールしています。このドーパミンは、美味しいものを食べたり、楽しい体験をしたときに分泌されるもので、脳が「幸せ」や「嬉しい」と感じるもとになっています。
・バーベキューは開放感あふれる屋外という非日常の環境
・自然の中ではリラックス効果が高まり、脳の緊張がゆるむ
・これにより、普段かかっているドーパミンの制御が外れやすくなる
つまり、屋外で気持ちよく過ごしていると、脳は「いつも通りのコントロールをやめてしまう」状態になり、その結果、ドーパミンがたくさん出るようになるのです。このドーパミンの大量分泌が、料理を普段以上に美味しく感じさせるというわけです。
また、教授は特に子どもに注目しました。子どもの脳は大人と違い、まだ発達途中でドーパミンのコントロールがうまくできません。そのため、バーベキューという環境ではドーパミンの作用がより強く表れやすくなり、普段は嫌いな野菜、たとえばピーマンなどでも、「おいしい!」と感じて食べられるようになることがあるのです。
・子どもは特に味覚が環境に左右されやすい
・「外で食べる」「みんなで食べる」といった体験そのものが味に影響を与える
・気をつかわず自由に食べることが脳にとって快楽になる
このように、バーベキューの美味しさの裏には、脳が感じる開放感と幸福感が大きく関わっていることがわかります。料理そのものの味だけでなく、「誰と」「どこで」「どんな気分で」食べるかという体験そのものが、味覚を変化させているのです。
だからこそ、バーベキューは特別な思い出として心に残りやすく、食べた料理の味もより深く印象に残るのかもしれません。家庭ではなかなか味わえない「屋外での楽しい時間」が、食べ物をより一層おいしく感じさせてくれる――そんな脳と心のつながりを教えてくれるエピソードでした。
寝ぐせはなぜできるの?

放送の最後に取り上げられたのは、「寝ぐせがなぜできるのか?」という日常的だけど気になる疑問でした。丸山礼さんは「寝相が悪いから」と答えましたが、これは不正解で、チコちゃんに叱られることになりました。
正解は、「髪の毛にズラーっと並んでいる分子のペアがずれるから」という科学的な理由です。山野美容芸術短期大学の富田教授が、この寝ぐせの仕組みについて詳しく説明しました。髪の毛は、いくつものタンパク質の分子がペアになって整列している構造をしており、これがきれいな髪の流れや形を保つ基盤になっています。
・髪が乾いているときは分子のペアがしっかりくっついている
・髪が濡れると水分が入り込み、ペアがバラバラに分かれる
・そのままの状態で寝ると、ずれた状態で再びくっついてしまう
つまり、濡れた髪で寝てしまうと、タンパク質の配列が乱れたまま固定されるため、髪がはねたり曲がったりしてしまうのです。これが「寝ぐせ」の正体であり、寝ている間に髪の形が変わってしまうのは、この分子の並びが原因なのです。
さらに、髪を乾かしてから寝ても、「寝汗」などによって髪が再び湿ってしまうことがあります。すると、同じように分子のペアがゆるみ、ずれた状態で固まることで寝ぐせが生まれるというわけです。
・髪は乾いた状態で寝るのが基本
・朝に寝ぐせを直すには、水分を与えてから整えると効果的
・寝汗などでも再び分子がゆるむことがあるため注意が必要
このように、寝ぐせは単なる「髪の乱れ」ではなく、髪の内部構造の変化によって生まれる現象です。髪の構造に水分がどう影響を与えるかを理解すると、日常のケア方法も変わってきます。
寝ぐせを予防したいときは、夜のドライヤーでしっかり乾かすことがとても大事です。そして朝は、寝ぐせがついてしまっていたら水やスプレーで一度湿らせてからブローするのが一番効果的です。こうしたちょっとした知識を知っておくことで、毎朝の支度もスムーズに進みそうですね。
視聴者コーナーと番組エンディング
番組の後半では、視聴者から寄せられた手紙やキョエちゃんへのプレゼントが紹介される「ひだまりの縁側で…」のコーナーが放送されました。この日は母の日が近いこともあり、カーネーションモチーフの衣装やおたよりが取り上げられ、温かい雰囲気で番組は締めくくられました。
また、ゲストの丸山礼さんからは、出演中のドラマ『ワタシってサバサバしてるから2』の告知もありました。
『チコちゃんに叱られる!』は、子どもから大人まで楽しめる「知識の宝箱」のような番組です。今回の放送でも、スポーツの文化や脳科学、美容の知識まで幅広い内容がわかりやすく解説され、誰でも楽しく学べる時間となりました。次回の放送も、どんな“叱られ”が飛び出すのか楽しみですね。
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