管理職は“罰ゲーム”!?令和の最先端人事|2024年5月7日放送回
5月7日放送のNHK『クローズアップ現代』では、令和の時代における「管理職」という役割にスポットを当て、今の職場で起きている構造的な課題と、それにどう向き合っていくべきかが取り上げられます。管理職になりたくない人が増えている現実と、それを乗り越えるためのAIや外部人材を使った新しい人事制度の取り組みが紹介される予定です。
管理職という言葉は、かつては「成功」や「出世」の象徴でした。しかし、今では「昇進したくない」「管理職は罰ゲーム」といった声も多く聞かれるようになりました。なぜこのような意識が広がっているのか、そして企業はどう対応しているのか、今回の放送ではその答えが探られることになりそうです。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を追記します。
管理職を敬遠する人が増えている理由とは
最近の調査では、社員の77%が「昇進を望まない」と答えているという驚くべき結果が出ています。管理職になると、責任が増えるだけでなく、プライベートの時間が減る、ストレスが増す、部下との対応が難しくなるなど、さまざまな負担が重なります。こうした不安が、「出世したくない」という気持ちにつながっているのです。
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管理職になると残業が増え、自由な時間が減る
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上司と部下の板挟みによる精神的ストレス
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指導の仕方に気を遣い、部下との距離感が難しい
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評価や目標管理など、業務以外の負担も多い
このように、責任の割に報われないという現実が、若手社員を中心に管理職を避ける動きを強めています。
とはいえ、すべての若手が出世に否定的なわけではありません。「専門的なスキルを身につけたい」「自分の経験を積み重ねていきたい」といった意欲を持っている人も多くいます。ただ、そうした意欲が「管理職になること」とは直結しないという点が、今の世代ならではの特徴です。
管理職の“罰ゲーム化”が進む現場の実態
現代の企業では、構造的な変化が進んでおり、その中で管理職の役割も大きく変化しています。とくに次のような変化が、管理職の負担を一層重くしている原因となっています。
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組織のフラット化による管理範囲の拡大
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プレイングマネジャーとして、自分の業務とマネジメントの両立
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多様化した人材の管理、文化・価値観の違いを考慮した対応
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働き方改革やハラスメント対策による指導方法の制限
特に、ハラスメント防止の観点から厳しい言い方がしにくくなったため、管理職が自分で仕事を抱え込んでしまうケースが増えており、「やるだけ損」と感じる人も少なくありません。
こうした現実は、会社にとっても大きな課題です。管理職が疲弊すれば、部下の育成やチームの成果にも悪影響が出ます。そこで一部の企業では、新たなマネジメント支援策の導入が始まっています。
注目される人事改革「AI上司」と「上司代行」
今注目されているのが、テクノロジーや外部人材を活用した新しい人事制度です。中でも、「AI上司」と「上司代行」という2つの仕組みが話題を集めています。
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AI上司
会議の内容やチャットのやりとりをAIが自動で分析し、部下の働きぶりや貢献度を可視化します。これにより、上司がすべてを把握していなくても、公平な評価やアドバイスが可能になります。また、感情に左右されない冷静な判断が期待でき、上司の負担も軽くなります。 -
上司代行
外部の専門家が、育成やメンタルサポートなど、上司が担っていた役割の一部を担います。これにより、現場の上司は本来の業務に集中でき、部下に対するサポートも質の高いものになります。中立的な立場からの助言は、部下にとっても安心感につながります。
こうした制度は、業務効率の向上だけでなく、管理職の「孤独」や「ストレス」を軽減する目的でも導入が進められています。
理想の管理職像とは?これから求められる資質
番組では、これからの管理職に必要とされる資質にも注目が集まりそうです。単に「指示を出す人」ではなく、チームの成長と安心感を支える存在としての役割が期待されています。
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公平で一貫した対応ができる
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感情的にならず、冷静な判断ができる
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部下の変化に気づき、声をかける力がある
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自分もプレイヤーとして成果を出せる
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上からではなく、伴走型で支える姿勢
また、デジタルツールの活用や、社内外との連携といった広い視野と柔軟性も重要になってきています。
こうした理想の管理職像は、ひと昔前の「厳しく引っ張るリーダー」とは異なり、支える力や寄り添う姿勢が重視されている点が特徴的です。
多様な働き方を尊重する人事のあり方
管理職を目指さない選択も尊重しながら、働き方の選択肢を広げていくことが、これからの企業には求められます。
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「管理職に向いていない」人が活躍できるキャリアの道
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管理職業務をチームやツールで分担する仕組み
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部下との関係性をAIや外部のサポートで支える体制
つまり、管理職の理想像を変えるだけでなく、「管理職という立場に過度に依存しない職場作り」も重要です。
放送では、こうした課題に向き合う企業の現場や、実際に新しい制度を導入した人々の声も紹介される見込みです。働き方改革が進む中、私たち一人ひとりにとっても、これからの働き方を考えるきっかけになる内容となるでしょう。
放送後、内容が分かり次第、改めて詳細を追記します。
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