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NHK【クローズアップ現代】韓国“非常戒厳”で選挙へ!イ・ジェミョンvsキム・ムンスの激戦|2025年6月3日放送

クローズアップ現代

韓国大統領選に揺れる社会|2025年6月3日放送

2025年6月3日(火)にNHK総合で放送される『クローズアップ現代』では、韓国大統領選挙をめぐる深刻な社会の分断と、選挙情勢の複雑さに迫ります。番組では、最大野党イ・ジェミョン候補と与党キム・ムンス候補を軸に、韓国社会の揺れ動く現状と、今後の政治の行方が丁寧に読み解かれます。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。

非常戒厳が浮かび上がらせた“分断”の現実

2024年12月に韓国で発令された非常戒厳は、国民に強い衝撃を与え、日常生活や民主的な制度に大きな影響を及ぼしました。この措置は、尹錫悦(ユン・ソギョル)前大統領によって「国家の安全を守るため」として出されたものでしたが、実際には自らの政治的立場の危機を乗り越えるためだったと指摘する声も少なくありません。

・発令の理由は「反国家勢力」や「北朝鮮の脅威」と説明された
・しかし、政権への支持率が急落していたタイミングでの発表であった
・軍の出動や国会周辺の封鎖など、緊迫した空気が市民を包んだ

その結果、韓国社会では進歩系と保守系の間の対立がさらに激しくなりました。非常戒厳下で予定されていた大統領選挙には、進歩系のイ・ジェミョン候補と、保守系のキム・ムンス候補が主要候補として登場し、両者の支持層が真っ向からぶつかり合う構図になっています。

・イ候補は格差是正や福祉強化を主張
・キム候補は経済と安全保障を重視し、前政権の方針を継承
・両者の論点がかみ合わず、対話が成立しない場面も

この対立は政治家だけでなく、一般の国民にも大きな分断をもたらしています。SNSでは「どちらが正しいか」を巡る激しい議論が続き、地域や世代ごとに考え方の違いが目立つようになりました。

・若い世代ほど進歩系を支持する傾向が強い
・60代以上では保守系への信頼が根強く残っている
・都市部と地方でも支持構造が大きく異なる

また、非常戒厳の発令に対し、韓国国会は緊急決議を行い、即時解除を要求しました。わずか数時間での対応でしたが、それでも市民の間には大きな不安と動揺が広がりました。深夜には議事堂前での抗議活動が発生し、機動隊との緊迫したにらみ合いが続きました。

・一時は議事堂への突入を警戒し、軍が実弾を所持して展開
・SNSでは市民の抗議の様子がライブ配信され、世界中に拡散
・「戒厳軍」と呼ばれた部隊の動きに、かつての軍政時代を思い出す人も

このような状況は、韓国が長い時間をかけて築いてきた民主主義への信頼を揺るがす事態となり、政治に対する無力感を持つ若者も増えているとされています。特に選挙のたびに社会が極端に割れていく様子を見て、「投票しても変わらない」という声が一部で出ているのが現実です。

・2024年の総選挙では、若年層の投票率が過去最低を記録
・一方で過激な政治運動に引き寄せられる若者も見られる
・政治に関心があっても、「どこも信じられない」と感じる層が拡大

今回の大統領選挙は、ただの政権交代ではなく、社会の断絶を乗り越える試練といえるかもしれません。候補者たちが示すビジョンだけでなく、国民一人ひとりがどのような社会を望むかを問われている選挙なのです。分断を深めるだけの政治ではなく、対話と信頼を再び築く政治が求められています。

イ・ジェミョン候補のリードと中間層の葛藤

韓国大統領選で注目を集めているイ・ジェミョン候補は、進歩系政党「共に民主党」を代表する存在として、支持率の面で他の候補を上回る優勢を保っています。最近の世論調査では、イ候補は45%前後の支持率を維持しており、与党・国民の力から出馬したキム・ムンス候補の約36%をリードしています。さらに、第三政党の候補者に対しても圧倒的な差をつけていることから、イ候補が選挙戦の中心人物となっているのは明らかです。

・支持率ではイ候補が首位を維持(約45%)
・キム候補は約36%で追う展開
・その他の候補は10%以下にとどまる

とくにイ候補が強さを見せているのが、保守でも進歩でもない中間層の支持です。中道的な立場を取る有権者の間では、57%がイ候補を支持しており、これはキム候補の26%を大きく上回る数字です。彼の政策には、生活密着型の改革や格差是正、若者支援といった現実的で直接的なものが多く、特に都市部や若年層を中心に共感が広がっています。

・中間層の支持率:イ候補 57%、キム候補 26%
・都市部や若者に強い訴求力を持つ政策が鍵
・「格差是正」「生活費の負担軽減」などが評価されている

しかし一方で、イ候補は複数の刑事事件で在宅起訴されており、こうした法的リスクが中間層の信頼を揺らがせています。京畿道知事時代の予算執行に関して、業務上背任や公文書偽造などの容疑がかけられています。これにより、政策に共感している有権者の中でも、「本当に任せて大丈夫か」という不安が拭いきれない状況が続いています。

・業務上背任、公文書偽造などで起訴された経歴
・「改革を進める人」と「トラブルを抱える人」という二面性
・信頼と不安がせめぎ合う中で、判断に迷う有権者が増加

このような背景から、中間層の有権者は「現状を変えたい」という希望と、「政治の安定を壊したくない」という現実の間で強い葛藤を抱えています。選挙が近づくにつれ、候補者の発言や態度、さらなる司法判断の行方によって、中間層の動きが大きく変わる可能性があります。選挙結果のカギを握るのは、まさにこの中間層の選択です。

・改革への期待と安定への願いの狭間で揺れる中間層
・決め手を欠く中で、候補者の言動が今後の支持に直結
・この層の動向が、選挙戦全体の流れを左右する可能性が高い

イ・ジェミョン候補がこの葛藤を乗り越えられるかどうかは、彼の政策提案だけでなく、今後の透明性ある説明責任と、有権者との信頼構築にかかっています。どんなに高い支持率があっても、中間層の心を最後までつかめなければ、選挙での勝利は決して確実ではありません。

キム・ムンス候補と与党の不安定さ

韓国大統領選をめぐって、与党「国民の力」から出馬したキム・ムンス候補は、かつて労働運動に携わっていた経歴を持ち、経験豊かな政治家として知られています。しかし、今回の選挙戦においては、党内外からの評価が分かれており、与党の足元の不安定さが目立っています。キム候補の政策や姿勢に共感を示す保守層も一定数存在する一方で、その強硬な発言や姿勢が党内の統一を難しくしているのが実情です。

・キム候補は保守系ながらも労働運動出身という異色の経歴
・演説では「国家の強さと秩序の回復」を繰り返し強調
・一部では「強すぎるメッセージが不安を招く」との声もある

与党内では、キム候補への一本化に対する不満や反対の動きが複数見られました。特に、彼の公認が決まる過程では、他の有力人物の名前も取り沙汰され、一時は前首相ハン・ドクス氏が代替候補として推される場面もありました。最終的には党員投票でキム候補が正式に決まりましたが、その過程で党内の対立や調整不足が表面化しました。

・公認候補の決定までに時間がかかり、党のイメージダウンに
・ハン・ドクス氏の擁立案が浮上するも、党員投票で否決
・党内の複数派閥の思惑が交錯し、結束力が弱まっている

加えて、保守系の別の野党「改革新党」との間で、候補者一本化の交渉も行われましたが、イ・ジュンソク候補側がこれを拒否。その結果、保守層の票が割れる可能性が一気に高まり、与党にとっては厳しい状況に追い込まれています。こうした分裂は、イ候補優勢という情勢に拍車をかけています。

・改革新党との一本化は不成立に終わる
・イ・ジュンソク氏が「独自路線」を堅持
・保守票の分裂がキム候補の追い風にならず逆風に

また、キム候補自身の主張や過去の発言には、極端とされる内容も含まれており、若年層や都市部ではその政治姿勢への不信感も見られます。保守層の支持を集めるための発信が、一方で無党派層や中道層を遠ざけているという側面もあります。さらに、選挙戦の中盤以降は与党の支持率がじわじわと低下しており、政権与党としての求心力が問われる局面を迎えています。

・「極右的」との批判を受ける発言も多く見られる
・地方では一定の支持があるが、都市部での支持拡大に苦戦
・中間層の動き次第では、支持率がさらに下がるリスクも

このように、与党「国民の力」は組織的にも世論的にも不安定な状態が続いており、選挙戦の終盤でどこまで巻き返せるかが注目されています。キム・ムンス候補が明確なビジョンを示し、党全体として一体感を取り戻すことができるかどうかが、今後の情勢を大きく左右することになります。選挙戦を通して、与党がどれだけ信頼を取り戻せるかが問われています。

広がる“極右”傾向と政治の過激化

韓国ではここ数年、政治の過激化が加速し、とくに極右的な主張や活動が目立つようになっています。こうした傾向は、保守的な政治家や一部の宗教団体だけでなく、若い世代の一部にも広がりを見せており、国全体の分断をさらに深める要因となっています。かつては一部に限られていた主張が、今では街頭演説やSNSを通じて多くの人の耳目を集め、社会の中で強い影響力を持ち始めています。

・保守系の政治家は「反共」「反中」「反フェミニズム」を強く掲げる
・宗教団体も政治運動と結びつき、影響力を強めている
・一部ユーチューバーやネット論壇が過激思想を拡散

たとえば、キム・ムンス候補は以前は労働運動家として知られていましたが、現在では極右的な思想を前面に出し、既存の社会運動や進歩的価値観への攻撃的な姿勢を示しています。「国の秩序を守る」「伝統を回復する」といったメッセージは、一部の保守層には響いていますが、同時に他者を排除する言動として批判も浴びています。ジェンダー平等やLGBTQの権利拡大にも強く反対しており、その点でも世代間の意見が大きく分かれています。

・キム候補は過去の立場から一転、強硬保守路線へ
・「韓国の伝統を守る」という主張が一定層に支持されている
・一方で、排除的な言動が多くの市民に警戒感を与えている

宗教界では、特に保守系プロテスタント教会の動きが目立ちます。彼らは反共主義・反中思想を強調しながら、若者や学生を対象にした集会を開いて政治的な発信を強めています。尹錫悦前大統領の非常戒厳を支持する声明を出した団体もあり、宗教と政治が重なり合う構造が懸念されています。

・教会主導の「愛国集会」が各地で頻発
・国家と信仰を結びつけるメッセージで若者に訴える
・反共・反中の言葉が愛国心と混ざり、過激化を助長

さらに、近年はネット空間を通じて若者の一部にも極右的思想が広がっており、既存の政党やメディアを信用せず、過激な発言に共鳴する姿勢が見られます。とくに反フェミニズム感情や不平等への怒りをきっかけに、ラジカルな考え方へ傾くケースが増えています。TikTokやYouTubeでは、「女性優遇は不公平」「外国人労働者が職を奪う」といった極端な主張が繰り返し拡散されています。

・政治不信や就職難が若者の不満を背景にある
・「本音を言う政治家」への支持が過激化につながっている
・情報の偏りが、分断と対立をより深刻にしている

こうした流れは、韓国の民主主義そのものを揺るがす要因ともなりつつあります。強い言葉、明確な敵を設定することで支持を集める政治スタイルが台頭し、穏健な議論や妥協が成立しにくい社会になりつつあるのです。今後、社会としてどのように冷静な対話の場を持ち、過激な主張との距離を取っていくかが、重要な課題になっています。極端な声が大きくなる中で、多くの人が「静かな声」を守り、分断ではなく共存を選べる社会を築く努力が求められています。

番組の視点と今後の注目ポイント

今回の『クローズアップ現代』では、同志社大学の浅羽祐樹教授が出演し、韓国政治の背景や社会構造を解説。日本にいる視聴者にとっても、隣国の動向を通して民主主義とは何か、分断とは何かを考えるきっかけとなる内容です。

・分断が深まると、対話が難しくなり、極端な選択肢が好まれる傾向になる
・韓国に限らず、世界各国で同様の分断が広がっている
・民主主義の基盤をどう守るかが、私たちにも問われている課題となっている

放送後には、さらに詳細な分析が加えられる予定です。


『クローズアップ現代』2025年6月3日放送回は、単なる韓国選挙の報道ではなく、社会の分断と民主主義の行方を問う番組です。視聴者一人ひとりが、今の時代に必要な「選ぶ力」について考える機会となるはずです。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。

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