これってもしや…超能力!?テレパシー実験と不思議体験の真相に迫る
2025年5月12日(月)のNHK総合『あさイチ』では、「これってもしや…超能力!?」と題して、全国から寄せられた不思議体験とそのメカニズムに迫る特集が放送されました。
夢で見たことが現実になったり、相手が誰かを直感で感じ取れたりする「正夢」「テレパシー」「虫の知らせ」など、普段は説明のつかない体験を科学の視点で考察しながら紹介する内容となっていました。
出演は博多華丸・大吉さん、鈴木奈穂子アナウンサー、ゲストにはココリコの田中直樹さんとニッチェの江上敬子さんが登場。不思議な体験に対する関心が高まり、番組には400件を超える体験談が寄せられたことも明かされました。
全国一斉テレパシー実験に挑戦!
今回の目玉企画のひとつが「全国一斉テレパシー実験」。ココリコ田中直樹さんが今、食べたいものを紙に書いて隠し、視聴者がその料理名を予想するというものです。この試みに対して約1万9000通の予想メッセージが集まり、話題となりました。
正解は「お好み焼き」。鈴木アナは「カレー」、江上さんは「素うどん」と予想しましたが、正解者は全国で191人にのぼりました。解説に登場した石川幹人さんは、これは偶然の一致の範囲内であり、統計的な証拠にはならないと分析しました。
「虫の知らせ」で事故を回避した体験と直感の不思議
番組では、「虫の知らせ」と呼ばれるような直感によって、重大な出来事を回避したという体験も紹介されました。登場したのは、高校生のときに不思議な感覚で命を守られた経験を持つ澤畑明美さんです。
ある朝、澤畑さんは特に理由があるわけでもないのに、「今日は早く家を出ないといけない」と強く感じたそうです。いつもより15分も早くバスに乗った結果、何事もなく学校に到着。しかし後になって、普段乗っている時間のバス停に乗用車が突っ込む事故が発生していたことを知ったといいます。もしそのままいつもの時間に出発していたら、事故に巻き込まれていた可能性がある状況でした。
・直感的に早く家を出たことが結果的に危険を回避
・特別な情報や予兆があったわけではなく、“理由のない感覚”が行動のきっかけ
・このような「説明のつかない判断」が命を救ったという体験
こうした「虫の知らせ」は、科学的な根拠で説明するのは難しいですが、多くの人が一度は経験したことがあるかもしれません。
また、澤畑さんにはもうひとつ不思議な力があるといいます。それは、電話が鳴る前に相手が誰なのか予想できる感覚です。番組では実際にこの能力を確かめるため、電話を使った予知実験が行われました。
・電話の発信者を予想する実験を15回実施
・結果は3回的中(正解率20%)
・統計的に偶然の範囲内とも言えるが、完全に無意味とも言い切れない結果
この実験については、スタジオの出演者たちも興味深く受け止めており、「不思議な力」として単に否定することなく、可能性としての直感の存在を真剣に捉えていた様子が印象的でした。
番組内で紹介されたように、こうした直感的な行動や感覚は「超能力」と断定するには証拠が不十分なことが多いものの、人の無意識や脳の情報処理が何らかの形で働いている可能性も考えられます。五感で感じ取っていないように見える情報でも、無意識のうちに蓄積された経験や環境の変化に反応して、直感的な判断を下していることがあるのかもしれません。
澤畑さんの体験は、「虫の知らせ」や「テレパシー」といった言葉で片付けるにはもったいない、人の感覚や判断の奥深さを示す貴重な事例です。日常のなかで私たちがふと感じる「何かおかしい」「今はやめておこう」という感覚にも、案外大きな意味があるのかもしれません。
超能力を科学で検証する「超心理学」の世界
今回の特集では、私たちが“超能力”と呼ぶような現象を科学の手法で検証する学問「超心理学」についても詳しく取り上げられました。超心理学(Parapsychology)は、1920年代のアメリカで本格的に研究が始まり、今も世界中の研究者たちによって「テレパシー」「予知」「透視」などの現象が実験を通して調べられています。
なかでも注目されたのが、「ガンツフェルト実験」という形式の検証です。この実験は、離れた部屋にいる2人の人物が、視覚や聴覚などの通常の感覚を遮断した状態で、情報を共有できるかを試すものです。具体的には以下のような手順で行われます。
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送り手となる人物が1枚の絵を見て、そのイメージを相手に送るように意識する
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受け手は目隠しとヘッドホンを装着して刺激を遮断した状態で、頭に浮かぶイメージをメモする
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最終的に受け手が4枚の絵の中から「もっとも近いもの」を選ぶ
この方法は、人間の五感では説明のつかない「何か」をやり取りしている可能性を探る目的で設計されたといえます。
この実験は世界各地で繰り返されており、番組では合計88の論文で報告された計3145回の試行のうち、32%が正解だったという統計が紹介されました。
・通常であれば、4枚の中から1枚を選ぶ正解率は25%
・実際の正答率は32%で、7%の上昇
・この差が偶然に起きる確率は「1億分の1以下」とされている
この数字だけを見ると、「テレパシーは存在する」と考えたくなるような結果に見えます。しかし、番組でも言及されたように、これをもって「超能力が科学的に証明された」とは言い切れません。
・研究手法や再現性に対する疑問や批判が依然として多い
・結果が一定しない研究もあり、解釈には注意が必要
・現代科学の“常識”とは大きく異なる理論となるため、慎重な議論が求められている
こうしたことから、超能力に関する研究は“未解明”の領域として扱われているのが現状です。ですが、逆にいえば「まだ全てが分かっているわけではない」「未知の可能性がある」ということでもあります。
人間の心や脳には、現代科学では完全に説明できない働きがあるかもしれません。“あり得ない”を“あり得るかもしれない”に変える挑戦こそが、超心理学の本質と言えるのではないでしょうか。番組を通して、その奥深さや真剣な取り組みに触れることができました。
においで色や人を識別する小学生・YUUさんの驚きの嗅覚能力
番組では、常識では考えられない感覚を持つ小学生・YUUさんも紹介されました。彼が持つ能力は、「においで色の違いを嗅ぎ分ける」「誰が通ったかをにおいで判別する」という、まさに“超感覚”と呼べるものでした。
YUUさんは、自分の嗅覚について「スイッチをオン・オフできる」と語っており、必要なときにだけ集中して嗅覚を鋭敏に働かせることができるようです。この能力は生まれつきのものではなく、意識して調整することができると本人は説明しています。
番組では、彼の特技を実際に確かめるために折り紙の色当て実験が行われました。
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同じ素材・同じ形の折り紙を色だけ変えて用意
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ランダムに置かれた折り紙の中から、目隠しをした状態でにおいだけを頼りに色を判別
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実際に複数回にわたり色を正確に当てる場面があり、スタジオの出演者も驚き
さらにYUUさんは、「通った人のにおいが空間に残る」と感じており、廊下などで誰が通ったかも予測できると話していました。このような感覚は、犬などの嗅覚動物では知られていますが、人間がここまで繊細ににおいを感じ取れる例は非常に珍しいといえます。
・色の違いを“視覚ではなく嗅覚”で認識するという能力
・においの質感や強さを記憶としてとらえ、判別できる特異な感覚
・自らその感覚をコントロールできるという自己調整力の高さ
スタジオでは、YUUさんのこの特技に対して大きな関心が寄せられ、これまでの“五感”に対する常識が揺らぐような瞬間となっていました。科学的な裏づけや医学的な検証は今後の課題ですが、人間の感覚にはまだ未知の可能性が残されていることを実感させる場面でもありました。
YUUさんのような事例は、単なる“特技”として片づけるのではなく、人の感覚の多様性や柔軟性を見つめ直すきっかけになるものです。番組を通じて、「人間の持つ潜在的な力」への興味と驚きが広がる貴重なひとときとなりました。
不思議な感覚は記憶の仕組みに関係?
菊池聡さんは番組内で、不思議な感覚や体験について、「偶然の一致は強く記憶に残るが、外れた時の記憶は薄れる」と解説。たとえば「ゴキブリがいそうだと思ったら本当にいた」という体験も、外れたときのことは覚えていないため、的中だけが印象に残り「能力」として誤認してしまうケースもあるといいます。
また、超能力について「楽しむ範囲であれば問題ないが、肯定しすぎると悪用される恐れもある」と冷静な注意も促しました。
いまオシ!LIVEは香川県の「平賀源内記念館」から中継
放送時間短縮により、放送されない可能性あり。
毎回人気の中継コーナー「いまオシ!LIVE」では、香川県さぬき市にある「平賀源内記念館」が紹介されます。
平賀源内といえば、江戸時代の発明家・学者・蘭学者として知られ、「エレキテル(静電発電装置)」の復元で有名な人物です。
記念館では、源内の多彩な才能を紹介する展示があり、医学・電気・文学・美術など幅広い分野に通じていたマルチな活躍ぶりが学べます。今回の「不思議体験」というテーマにぴったりの、想像力と探求心をかきたてる中継が期待されます。
・エレキテルの復元モデルの紹介
・江戸時代の科学や技術の背景解説
・源内が残した功績や発明の数々
科学と直感が交差するような興味深い内容になるのではないでしょうか。
みんな!ゴハンだよ「厚揚げの親子丼」も登場
放送時間短縮により、放送されない可能性あり。
料理コーナー「みんな!ゴハンだよ」では、日本料理研究家の斉藤辰夫さんによるレシピ「厚揚げの親子丼」が紹介される予定です。
通常の親子丼といえば鶏肉を使いますが、今回のレシピでは鶏肉の代わりに厚揚げを使用。ふんわり卵と出汁のやさしい味わいで、胃にもやさしくヘルシーな一品になると予想されます。
・厚揚げを使うことで植物性たんぱく質をプラス
・卵と合わせてまろやかな味に
・肉を控えたい人にもおすすめのレシピ
忙しい朝や軽めの昼ごはんにもぴったりの一品です。レシピの材料や手順は、放送後に詳しくご紹介予定です。
まとめ
今回の『あさイチ』では、日常にある不思議な体験や現象を、心理学や科学の視点から丁寧に紐解きながら紹介する内容でした。「偶然」「記憶の仕組み」「検証の難しさ」などを通して、“超能力”という言葉の奥にある人の感覚や思い込みの面白さを改めて感じられる構成となっていました。
ロマンと現実のはざまで揺れる“超能力”の世界に、科学の光をあてた一時間。とても興味深い放送でした。
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