6人に1人が該当!就職氷河期世代の苦悩と支援策を深掘り
2025年5月21日(水)放送予定のNHK『あさイチ』では、現代の日本社会が抱える大きな課題のひとつ、就職氷河期世代の不遇とその背景が特集されます。新卒で社会に出た時期に景気が悪く、就職が難しかった世代。いま、社会の中核になっているこの世代が抱える「格差」や「貧困」といった現実に対し、どう向き合うべきか。雨宮処凛さん・青木さやかさん・壇蜜さんの3人が、それぞれの視点でこのテーマについて語ります。放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
なぜ今、就職氷河期世代に注目するのか?
「就職氷河期世代」とは、1993年頃から2004年頃までに新卒として社会に出た人たちのことを指します。この時代はバブル経済が崩壊し、企業の採用活動が極端に縮小されていたため、新卒でも就職先がまったく見つからない状況でした。この世代は現在40代後半から50代前半に差しかかっており、働き盛りの年代でありながら安定した生活を築けていない人が多く存在します。
番組では、以下のような現実に直面している人々が取り上げられる予定です。
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長年派遣社員として働き続ける、孤独な一人暮らしの女性
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介護施設で必死に働きながら子育てもしているシングルマザー
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正社員として働くものの、部下と上司の板挟みに悩む中間管理職
彼らに共通するのは、どの人生も「やる気がなかったわけではない」のに、社会の壁が高く立ちはだかっているという点です。
「努力不足」ではない。社会構造がつくり出した不遇
就職氷河期世代は、新卒採用での門が極端に狭かっただけでなく、正社員と非正規社員との間にある待遇の差、転職市場の未整備、年功序列制度などの影響も受けました。結果として、最初の一歩でつまずいた多くの人たちが、その後の人生全体において不利な立場を強いられてきたのです。
中でも注目したいのは、次のような構造的な問題です。
・企業の採用数が極端に少なかった
・一度非正規に就くと、次に正社員になれる機会が少なかった
・年齢が上がると転職も難しくなった
・制度的に中高年の就職支援が遅れていた
これらは、個人の努力や性格によって解決できるものではなく、制度や社会全体の流れの中で置き去りにされた結果とも言えます。
「自己責任論」では救えない現実にどう向き合うか
番組では、「この状況は本人のせいか?」「それとも社会が原因か?」という視点で議論が深められる予定です。よくある「もっと頑張れば良かった」という言葉では、この世代の苦しみは説明できません。なぜなら、彼らはすでに十分努力してきたにも関わらず、報われにくい時代を生きてきたからです。
番組に登場する雨宮処凛さんは、長年にわたり貧困問題や社会の不平等に注目し続けてきた活動家。青木さやかさんや壇蜜さんも、世代を代表する立場から、等身大の声を通じてこの問題を掘り下げていくとみられます。「支える社会」の必要性や、「本人を責める前に、社会ができること」をどう考えるかが大きなテーマになるでしょう。
政府の支援策は届いているのか?
政府は近年、「就職氷河期世代支援プログラム」として、職業訓練や企業とのマッチング支援、年齢制限のある正社員登用制度などを打ち出してきました。ハローワークでは専門相談員を配置したり、自治体ごとに専用の支援窓口を設置する動きも広がっています。
しかし、番組ではこうした支援の「届きにくさ」や「周知不足」といった課題にも触れられる可能性があります。たとえば、支援を利用したくても条件に合わない、利用方法がわからない、利用できる時期が過ぎてしまったなど、実際の現場とのずれが障壁になっているケースが少なくありません。
どこまで支援の仕組みが機能しているのか、当事者の声を交えながら検証していく内容が期待されます。
番組後半には地域の魅力や料理コーナーも登場
この日の『あさイチ』では、就職氷河期特集だけでなく、番組後半にも見どころが用意されています。
●いまオシ!LIVE「トンネルでサラミ」(佐賀県唐津市より中継)
トンネルの中で作られるという珍しいサラミに注目。温度や湿度が一定に保たれることで深い味わいが生まれる製法を紹介予定です。
●みんな!ゴハンだよ(料理講師:吉田愛さん)
家庭で役立つ簡単で美味しいレシピを紹介する人気コーナー。今回はどんなアイデア料理が飛び出すのか、毎日の献立のヒントにもなりそうです。
【出演者】
ゲスト:青木さやかさん、壇蜜さん
料理講師:吉田愛さん
キャスター:博多華丸さん、博多大吉さん、鈴木奈穂子さん
「自己責任」に片づけてはならない課題を、どれだけ多くの人が自分ごととして考えられるか。今回の放送は、その第一歩となる重要な機会です。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
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