改訂版・耳のトリセツ「軽度難聴・突発性難聴」
2025年7月10日(木)19:30~NHK総合で放送される「あしたが変わるトリセツショー」は、耳の健康に焦点を当てた「耳のトリセツ・改訂版」。今回のテーマは軽度難聴と突発性難聴です。放送では、聴力の低下が私たちの生活にどう影響するのか、最新の研究や予防法が紹介されます。
自覚のない“軽度難聴”にどう気づく?
軽度難聴とは、日常生活ではあまり支障がないように見えて、実は聴力が少しずつ落ちている状態のことを指します。本人は「まだ聞こえている」と感じているのに、周囲からは「テレビの音が大きい」「よく聞き返すようになった」と指摘されることが増えていく。これが軽度難聴の特徴です。
20人中6人が自覚のないまま軽度難聴だったというデータもあり、知らないうちに進行していることが多いのがこの症状のこわいところです。特に静かな環境では気づきにくいため、「何となく聞こえづらい気がするけど、気のせいかも」と思い込み、受診のタイミングを逃してしまうこともあります。
さらに、WHO(世界保健機関)では、将来的に4人に1人が難聴になる時代が来ると予測しています。これは高齢者に限らず、働き盛りの世代や若年層にも広がっている問題です。聞こえづらさは、単に耳の問題にとどまらず、記憶力や集中力の低下、疲れやすさ、さらには認知症のリスク増加にもつながるとされています。
たとえ軽度であっても、放置しておくことで脳が余分なエネルギーを使い、日常生活の質が低下していきます。特に軽度難聴でも認知症リスクが約2倍になるという研究報告もあり、早めの気づきと対応がとても重要です。
若者にも広がる軽度難聴、その原因とは?
「難聴は年をとってからのもの」と考えている方も多いかもしれません。しかし、実際には若い世代の間でも軽度難聴が急増中です。原因の多くは、イヤホンやヘッドホンでの大音量リスニングや、動画・ゲームなどの長時間使用にあります。耳の中には「有毛細胞」という、音をキャッチする重要な細胞があり、この細胞が強い音の刺激を受け続けることでダメージを受けるのです。
この有毛細胞は、一度傷つくと元に戻ることはなく、失われたままになってしまいます。日常的に大きな音を聞く習慣がある人は、知らないうちに聴力を失っていっている可能性があります。今回の番組では、耳を守るための新しい考え方「ある細胞を休ませる」という視点が紹介されます。この“ある細胞”がどのように耳の働きを支えているのか、そしてそれをどう休ませるのかという具体的な方法が放送で明らかになる予定です。
耳の健康を守るチェックリスト
番組では、自分の耳の状態に早く気づくための特製セルフチェックリストも登場予定です。ここでは、それをもとに日常的に確認できるチェック項目をまとめました。下記の表に当てはまるものがあれば、耳の健康を見直すきっかけにしてください。
チェック項目 | 内容の目安 |
---|---|
会話で聞き返すことが増えた | 普通の会話でも「え?」と聞き直すことが多くなった |
テレビや音楽の音が大きい | 家族から「音がうるさい」と言われたことがある |
騒がしい場所で聞き取りにくい | 外食中や駅などで人の声が聞こえにくい |
後ろからの呼びかけに気づきにくい | 背後からの声が聞こえない、もしくは遅れて気づく |
会話に疲れを感じる | 人と話すときに、集中しないと内容が理解できない |
ひとつでも当てはまる場合は要注意です。耳鼻科での相談や、スマートフォンの聴力測定アプリなどを使って、今の自分の耳の状態をチェックしてみることをおすすめします。
軽度難聴と補聴器の上手な付き合い方
軽度難聴と診断されたとしても、すぐに補聴器が必要というわけではありません。ただ、会話の聞き取りに不安を感じるようになったときには、補聴器の検討をはじめるサインです。補聴器は、ただ音を大きくするだけの道具ではなく、聞こえやすい周波数を補うように調整できる高性能な機器です。
今回のトリセツショーでは、「自分に合った補聴器と出会う方法」も紹介される予定です。補聴器は使う人の生活スタイルに合っていなければ、かえって不便に感じてしまうこともあります。どんなタイプがあるのか、どう試すのか、購入前に確認すべきことは何かなど、実践的な情報が紹介されるようです。
突然やってくる「突発性難聴」の正体とは?
番組では、今回の「改訂版」として突発性難聴についての情報も新たに追加されています。突発性難聴は、突然片耳の聞こえが悪くなる病気で、朝起きたら耳が詰まった感じがする、会話が片耳だけ聞き取りにくいといった症状で気づくことが多いです。
原因ははっきりとは分かっていませんが、ストレス・ウイルス感染・内耳の血流障害などが関与しているとされます。とにかく大切なのは、発症してから48時間以内に治療を始めることが回復率を高める最大のカギ。そのため、少しでも違和感を覚えたらすぐに耳鼻科を受診することが求められます。
番組放送概要
項目 | 内容 |
---|---|
番組名 | あしたが変わるトリセツショー「改訂版・耳のトリセツ」 |
放送日 | 2025年7月10日(木)19:30〜20:15 |
放送局 | NHK総合 |
出演者 | 石原さとみ、おいでやす小田、大島美幸(森三中) |
内容 | 軽度難聴の実態と自覚の仕方、予防法、有毛細胞の休ませ方、補聴器の選び方、突発性難聴の対策 |
今回のトリセツショーでは、誰にでも起こり得る「聞こえの変化」にいち早く気づく方法や、耳を守るための生活習慣が紹介されます。この記事は放送終了後に最新の情報を追記して、さらに詳しくまとめていきます。耳の健康に不安を感じている方や、家族の聞こえが気になるという方は、ぜひ番組を視聴して、自分と向き合うきっかけにしてみてください。
ソース一覧(外部リンク付き)
・NHK番組ページ
・Dimora 番組情報
・Resound Japan|認知症と難聴
・厚生労働省|高齢者の聞こえと生活
・博多道クリニック|難聴と認知機能の関係
・寄居町|聞こえセルフチェック
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