見逃すな!軽度難聴と突発性難聴の最新情報
2025年7月10日放送のNHK『あしたが変わるトリセツショー』では、「耳のトリセツ・改訂版」として軽度難聴と突発性難聴がテーマでした。耳の聞こえの変化に気づきにくい人に向けて、リスクや対策、最新研究をやさしく紹介してくれる内容で、誰にとっても身近で重要なテーマでした。出演は石原さとみさん、おいでやす小田さん、大島美幸さん。以下に番組内容を詳しくまとめました。
気づきにくい「軽度難聴」は誰にでも起こる
聞き返しや聞き間違いが増えた経験はありませんか?日常会話が聞き取れていても、実は音の一部がうまく脳に届いていないことがあります。番組では、耳に自信がある40〜60代の20人を対象に調査を実施。静かな環境では正確に聞き取れるのに、日常のようなざわついた環境になると聞き間違いが多くなり、6人に「潜み難聴(軽度難聴)」が見つかりました。
この軽度難聴の特徴は、生活に大きな不便がないため放置されやすいこと。ですが、音を正しく聞き取る力が落ちると、脳がその分を補おうとがんばるため、集中力や記憶力が下がるリスクもあるといいます。認知症やうつの引き金になることもあり、早く気づくことがとても大切です。
軽度難聴の定義とその怖さ
難聴には段階があり、軽度は25〜40デシベルの音が聞きづらい状態。これは葉っぱのこすれる音や、ひそひそ声くらいの音が聞き取りにくい状態です。日常会話は約60デシベルあるので、問題があることに気づきにくいのです。
番組では、10年前から聞こえにくさを感じながらも生活に支障がなかったという古泉さんの例が紹介されました。健康診断で異常を指摘されて初めて専門医を受診。右耳が軽度、左耳が中度の難聴と診断されました。聞こえづらさが認知機能にも影響を与えることを受けて、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では啓発を進めています。
原因は「か弱い細胞」?耳の中の有毛細胞とは
耳の奥には「蝸牛」という部分があり、その中に音を感知する「有毛細胞」があります。1つの耳に約1万2000個存在し、音の振動を感じ取って脳に伝える役割をしています。
ただしこの細胞はとてもデリケートで、大きな音を長時間聞き続けることで壊れてしまうことがあります。壊れた有毛細胞は元に戻らないため、一度傷んだら修復できません。
たとえば日常生活の音を見てみると…
音の種類 | 音の大きさ(デシベル) | 備考 |
---|---|---|
目覚まし時計 | 約97 | 耳元ではかなりの音圧 |
ドライヤー | 約80 | 長時間使用はリスクあり |
通勤電車(地上) | 約70 | 毎日の蓄積に注意 |
通勤電車(地下) | 約80 | イヤホンと合わせると危険 |
DJブースの音 | 約93 | イベント中の音量注意 |
鮮魚店の声 | 約110 | 一瞬でも耳に負担 |
さらに、番組では出演者・おいでやす小田さんの大声を測定したところ119.3デシベル。1日あたりの限界露出時間はたったの2秒という結果でした。
難聴を防ぐための毎日の工夫
有毛細胞を守るには、「音の量」だけでなく「時間」も重要です。大きな音を避けるほか、以下のような工夫が紹介されました。
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ノイズキャンセリング機能付きイヤホンを使う
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音量を50~60%に抑える
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1時間音を聞いたら10分の静寂を取る
これだけで耳に休む時間をつくることができます。現代は日常的にイヤホンを使う機会が多いため、若年層にも難聴のリスクが広がっているそうです。
放置しないで!突発性難聴のリスクと対策
番組後半では「突発性難聴」についても取り上げられました。これはある日突然、片耳が聞こえなくなる病気で、日本では年間約7万人が発症しているとのこと。芸人の椿鬼奴さんも経験者のひとり。朝起きたら右耳がほとんど聞こえなくなっていたそうです。
40〜60代に多いとされ、めまいや耳鳴りを伴うケースも。原因ははっきり分かっていないものの、ストレスや疲労、ウイルス感染、血流障害などが関係していると考えられています。治療は早ければ早いほど効果が出やすく、医師の神埼晶さんも「できるだけ早く治療することが大切」と強調していました。
聞こえにくさを感じたら…補聴器という選択
軽度〜中度の難聴であっても、補聴器をうまく使うことで生活の質は大きく変わります。番組では、聞こえづらさを感じていた古泉さんが補聴器を試したことで、「会話のストレスが減り、日常が快適になった」という体験を紹介。
また、番組内で実施された復唱テストでは、補聴器を使用することで正解数が増えた人もいました。補聴器に対する「高齢者用」のイメージを取り払い、自分に合うタイプを試してみることが推奨されています。
補聴器のタイプや価格、性能も年々進化しており、Bluetooth対応などスマホと連動できるものも増えています。聴力やライフスタイルに合ったものを選びましょう。
番組情報まとめ
項目 | 内容 |
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番組名 | あしたが変わるトリセツショー「耳のトリセツ 改訂版」 |
放送日 | 2025年7月10日(木) 19:30〜20:15 |
放送局 | NHK総合 |
出演者 | 石原さとみ/おいでやす小田/大島美幸(森三中) |
内容 | 軽度難聴の発見法/予防のポイント/補聴器の活用法/突発性難聴の最新知識 |
耳の聞こえは年齢に関係なく大切な感覚です。放送をきっかけに、少しでも気になる方は耳の状態をチェックしてみてください。
関連情報
・NHK番組ページ
・Dimora 番組情報
・Resound Japan|認知症と難聴
・厚生労働省|高齢者の聞こえと生活
・博多道クリニック|難聴と認知機能の関係
・寄居町|聞こえセルフチェック
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