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NHK 【健康迷子のあなたへ】カリ活カード・壁トレ・キオスク血圧!“正しい血圧ケア”の新常識|2025年10月12日

健康

“健康迷子”から抜け出す!あなたの血圧、正しく知っていますか?

「毎日血圧を測っているけれど、どの数値を目安にすればいいの?」「健康情報が多すぎて、どれが本当かわからない」――そんな“健康迷子”になっていませんか?
最近ではインターネット上に「高血圧の基準が変わった」という誤情報まで広がっています。この記事では、最新の医学的根拠に基づいた高血圧・低血圧の正しい対策を、食事・運動・生活習慣の3つの視点から紹介します。

インターネットの誤情報に惑わされないで!

今、インターネット上では「高血圧の診断基準が上がった」「薬をやめても大丈夫」といった誤った情報が数多く出回っています。動画サイトやSNSでは、一見もっともらしい医療情報が拡散されており、信じてしまう人も少なくありません。こうした誤情報は、健康に関する不安をあおりながら、実際には根拠のない内容が多く含まれています。

これに対し、日本高血圧学会は2024年5月24日付で公式に声明を発表しました。
高血圧の基準が変わったという事実はありません」と明確に否定し、基準の変更や緩和は一切行われていないことを強調しています。つまり、現在も上の血圧が130未満という目安が推奨されています。この基準は、長年にわたり国内外の研究によって裏づけられた、科学的根拠のある数値です。

実際、日本高血圧学会の『高血圧治療ガイドライン2025』では、130を超えると脳卒中や心筋梗塞のリスクが上昇することが報告されています。特に働き盛りの40〜60代では、血圧が130台に入るだけで死亡リスクが約2倍に高まるとされています。にもかかわらず、「少し高めでも大丈夫」「薬をやめても平気」といった誤情報を信じて治療を中断してしまうと、取り返しのつかない結果を招くおそれがあります。

正しい情報を見極めるためには、SNSや匿名ブログではなく、公的機関や信頼できる医療メディアを参照することが重要です。特に、NHKの医療・健康番組厚生労働省、学会の公式サイトは、医師や研究者が監修しており、科学的データに基づいた内容を提供しています。インターネットの情報は便利ですが、根拠が示されていないものや極端な主張には注意が必要です。

健康を守るためには、“早とちりせず、確かな情報源を選ぶ”ことこそが最も大切です。

血圧の“新常識” 基準は130未満がカギ!

日本高血圧学会が発表した最新の大規模研究によると、上の血圧が130台になると、脳心血管病の死亡リスクが1.4倍に上がることが明らかになりました。さらに、40〜64歳の働き盛りの世代では、そのリスクが1.9倍に上昇すると報告されています。これは「血圧が少し高いくらいなら問題ない」と考えている人にとって、非常に重要な数字です。わずかな上昇でも、将来の脳卒中心筋梗塞の発症率が高まることが科学的に裏づけられています。

この研究では、降圧薬を服用していない40〜80代の日本人約5万8,000人を10年間追跡した結果が示されています。上の血圧が120未満の人に比べて、130台の人は明らかにリスクが高く、若い世代でも油断できないことが分かりました。特に30代で高めの血圧を放置すると、40代・50代になっても高血圧傾向が続き、病気のリスクが重なっていく傾向があるとされています。

番組では、「血圧は医療機関で測るだけでなく、自宅でもこまめに測ることが大切」と強調されました。
『きょうの健康 高血圧の新常識 最新ガイドラインから 血圧は自分で測る!』(2025年10月6日放送)では、正しい測定方法を丁寧に解説。駅やショッピングセンターなどに設置されているキオスク血圧計を活用すれば、外出先でも手軽にチェックできます。家庭では、上腕式の家庭用血圧計を使うことが推奨され、手首式よりも測定精度が高いとされています。

測定のタイミングもとても重要です。基本は「朝起きてすぐ」と「寝る前」の2回。どちらも、測定前に1〜2分間、静かに座って体を落ち着けてから計るのがポイントです。体を動かした直後や食後、入浴のあと、アルコール摂取後は正確な値が出にくくなります。測定した数値は、日付とともにノートやアプリに記録しておくと、自分の血圧の変化が一目でわかります。

また、家庭血圧の数値こそが“本当の血圧”といわれています。病院では緊張して血圧が上がる「白衣高血圧」が起きやすいため、普段の生活環境での血圧を記録することが、正しい診断と治療につながります。日本高血圧学会も、日常的な測定を「血圧管理の第一歩」と位置づけています。

血圧を“医者に任せるもの”から“自分で守るもの”へ。こまめな測定と小さな意識の積み重ねが、健康な未来を支えてくれます。

食事で変わる!カリウム・カルシウム・マグネシウムの力

血圧を下げるために欠かせないのが、塩分の摂りすぎを防ぐことと、塩分を体の外に出す働きを持つカリウムをしっかり摂ることです。塩分を控えるだけでなく、余分なナトリウムを体外に排出できるよう、バランスの良い食事を心がけることが重要です。

番組では、カリウムの含有量を簡単に確認できる便利なツールとして、「カリ活カード」が紹介されました。このカードを使えば、食材ごとのカリウム量をひと目でチェックでき、日々の食事管理がぐっと楽になります。たとえば、バナナやブロッコリー、トマトなどは特にカリウムが多く、味付けを薄めにしても自然な甘みやうま味で満足感が得られるのが特徴です。

また、NHKの『あしたが変わるトリセツショー 高血圧 取扱説明書』(2024年10月10日放送)では、血圧を下げるサポート飲料として「グリーンスムージー」が紹介されました。これは、カリウムを多く含む野菜や果物をミキサーにかけるだけで作れる、簡単でおいしい特製ドリンクです。朝の1杯として取り入れるだけで、体内の塩分バランスを整え、血圧を安定させる効果が期待できます。バナナやキウイ、ほうれん草などを組み合わせると、甘みと青みのバランスがよく飲みやすくなります。

さらに、カリウムだけでなく、カルシウムマグネシウムも血圧管理には欠かせません。カルシウムは血管をしなやかに保ち、マグネシウムはストレスなどによる血圧上昇を防ぐ働きがあります。これらの栄養素を意識して食事に取り入れることが、毎日の血圧ケアにつながります。

栄養素 主な食材 効果
カリウム バナナ、ブロッコリー、トマト、ほうれん草 塩分を体外に排出
カルシウム 牛乳、ヨーグルト、小魚 血管をしなやかに保つ
マグネシウム 玄米、海藻、アーモンド ストレス性の血圧上昇を防ぐ

これらの栄養素を意識した食生活に切り替えるだけで、薬に頼らず自然に血圧を安定させることも可能です。大切なのは、無理をせず「毎日続けられる習慣」にすること。カリウムを味方につけて、体の内側から健康を育てていきましょう。

“有酸素+筋トレ”で血圧を下げる!10分エクササイズ

2025年10月9日放送の『きょうの健康 高血圧の新常識 最新ガイドラインから』では、福岡大学病院 三浦伸一郎教授が監修した「高血圧対策エクササイズ」が紹介されました。これは、『あしたが変わるトリセツショー』の開発チームと共同で考案された、10分間で行える複合運動プログラムです。短時間でもしっかりと体を動かし、血流を改善して心臓の負担を軽減することを目的としています。

このエクササイズは、有酸素運動と筋トレをバランスよく組み合わせているのが特徴です。ウォーキングのように軽く体を動かしながら、スクワットや腕の上げ下げを取り入れていきます。リズムに合わせて行うことで、全身の血の巡りが良くなり、血管がしなやかになっていくのを感じられるはずです。動作自体は難しくなく、運動が苦手な人や高齢の方でも安心して取り組めます。

ポイントは「1日10分を目安に、無理なく続けること」。短時間でも継続することで、安静時の血圧が安定しやすくなり、心臓への負担が減っていきます。激しい運動ではないため、汗をかくほどの強度は不要です。家の中でできる簡単な運動を習慣にするだけで、血管の柔軟性が高まり、脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げる効果が期待できます。

三浦伸一郎教授によると、血圧を下げるためには「食事・運動・睡眠」の3つのバランスが欠かせません。特に、軽い運動を日常に取り入れることが薬以上の効果をもたらす場合もあるといいます。番組内では、参加者が自宅で実践できるよう、動画形式で正しいフォームや呼吸法も紹介されました。

体を動かすことは、単に血圧を下げるだけでなく、心のストレスをやわらげる効果もあります。音楽をかけながら体を動かしたり、家族と一緒に行ったりするのもおすすめです。継続が何よりの薬――10分間の小さな習慣が、あなたの血管を若返らせ、健康な毎日を支えてくれます。

禁煙と節酒で血管を守る

たばこを吸うと、血管が一気に収縮し、血圧が急上昇します。研究によれば、たばこ1本で血圧は10〜20mmHg上がるとされ、喫煙は血圧を上げる最大の要因のひとつです。さらに、ニコチンは血管の内側(内皮)を傷つけ、動脈硬化を進行させます。その結果、血液の流れが悪くなり、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まります。喫煙後のわずか数分間で血圧と心拍数が上昇するため、「少しなら大丈夫」という油断が命取りになる場合もあります。

禁煙を始めたあとに体重が増えてしまう人が多いのは、ニコチンが食欲を抑える作用を持っているためです。禁煙後にその作用がなくなると、つい間食が増えてしまうことがあります。しかし、軽いウォーキングやストレッチなどの運動を日常に取り入れるだけで、体重増加は十分に防ぐことが可能です。運動には代謝を高める効果もあり、ストレスの緩和にもつながります。

一方で、お酒(アルコール)も血圧に影響を与えることが知られています。飲酒直後は血管が拡張して一時的に血圧が下がりますが、その後、体がアルコールを分解する過程で交感神経が刺激され、翌朝には血圧が約10mmHg上がることが報告されています。特に、寝る前の飲酒は翌朝の高血圧を引き起こしやすく、朝方の脳出血リスクを高める要因にもなります。

日本高血圧学会のガイドライン2025では、高血圧の人の飲酒量の目安を明確に定めています。男性はビールなら中瓶1本(約500ml)日本酒なら1合(180ml)ワインなら2杯(200ml)まで。女性はそのおよそ半分が適量とされています。複数の種類を組み合わせて飲むのは避け、週に1〜2日は「休肝日」を設けることが望ましいとされています。

たばこもお酒も、「少しだけなら…」という油断が積み重なると、確実に血管を老化させていきます。血圧を安定させる第一歩は、吸わない・飲みすぎない習慣をつくることです。日々の小さな選択が、数年後の健康を左右します。

「低血圧」も放っておけない!起立性調節障害と“壁トレ”

高血圧とは反対に、血圧が低すぎる状態にも注意が必要です。特に問題となるのが、「起立性調節障害」や「起立性低血圧」です。これらは、立ち上がったときに一時的に血圧が大きく下がり、立ちくらみやめまい、失神などを引き起こす病気です。子どもや思春期の若者に多く見られますが、大人でも糖尿病神経障害などに伴って発症することがあります。

仕組みを簡単に説明すると、寝ているときは心臓と全身の血管の高さがほぼ同じで、血液はスムーズに循環しています。ところが、立ち上がると重力の影響で血液が下半身にたまり、脳への血流が一時的に減ります。通常であれば自律神経が働き、足の血管を締めて血液を上に戻し、血圧を一定に保とうとします。ところが、この自律神経の反応が弱かったり遅れたりすると、脳に十分な血液が届かず、立ちくらみ、めまい、失神、頭痛、朝起きられないなどの症状が現れるのです。

こうした低血圧の症状を改善する方法として、番組では「起立調節訓練法」が紹介されました。やり方はとてもシンプルです。壁に頭・背中・腰をぴったりつけて立ち、足を壁から約15センチ離す姿勢をとります。そのまま動かずに5分間キープし、慣れてきたら少しずつ時間を延ばして最終的に20分間続けることを目標にします。このトレーニングを続けることで、自律神経の働きが徐々に鍛えられ、血圧を安定させる力が高まります。テレビを見ながら、あるいはスマートフォンを操作しながらでもできるため、日常生活の中で取り入れやすいのも特徴です。

ただし、途中でめまいや気分の悪さを感じた場合はすぐに中止することが大切です。無理をして続けると転倒や失神の危険があります。特に、強い倦怠感や動悸を伴う場合は、一人で行わず家族の見守りのもとで実施するのが安心です。

聖マリアンナ医科大学の大平善之教授は、こうした起立性の低血圧以外にも、「極端な低血圧は重大な病気のサインであることもある」と警告しています。たとえば、心不全では心臓のポンプ機能が低下して全身に血液を送り出せず、血圧が下がってしまいます。また、胃がん大腸がんなどで出血が進行すると、血液量が減り血圧が極端に低くなることもあります。

低血圧は「元気がないだけ」「体質のせい」と思われがちですが、実は重大な病気のサインである場合も少なくありません。普段から自分の血圧を把握し、変化に気づくことが健康を守る第一歩です。

まとめ:信頼できる情報で“健康迷子”にサヨナラ!

この記事のポイントは次の3つです。

  1. 高血圧の基準は上が130未満。30代からの血圧管理が将来を守る。

  2. 「カリウム・カルシウム・マグネシウム」の3栄養素と、グリーンスムージーで食生活を改善。

  3. 有酸素+筋トレ+壁トレで、血圧の安定と自律神経の強化を。

誤情報に惑わされず、正しいデータと専門家の知見をもとにした生活習慣を続けることが、健康への第一歩です。
NHKの医療・健康番組を活用して、今日から「迷わない健康習慣」を始めましょう。


出典:
・NHK『健康迷子のあなたへ 高血圧&低血圧 最新イチオシ実用情報!』(2025年10月12日放送)
・NHK『きょうの健康 高血圧の新常識 最新ガイドラインから』(2025年10月6日・10月9日放送)
・NHK『あしたが変わるトリセツショー 高血圧 取扱説明書』(2024年10月10日放送)
https://at.web.nhk/files/torisetsu-show/2024_koketsuatsu_kaea083.pdf


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