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NHK【クローズアップ現代】にぎやかな図書館がまちづくりの拠点に!ぎふメディアコスモス成功理由と全国への広がり|2025年10月14日★

クローズアップ現代

“静かじゃない図書館”が人気!その理由とは?

図書館と聞くと「静かにしなきゃ」と思う人、多いですよね?でも今、全国で“にぎやかな図書館”が話題になっています。おしゃべりも飲食もOK、子どもも大人も気軽に集まれる場所として注目を集めているんです。
「そんな図書館、騒がしくて読書できないのでは?」と感じるかもしれません。でも実はその“にぎやかさ”こそが、地域の活力を生み出しているのです。この記事では、ぎふメディアコスモスを中心に、“新しい図書館のかたち”を紹介します。

おしゃべりできる図書館が増えている理由

今、全国で「おしゃべりOK」の図書館が次々と誕生しています。かつては「静かに本を読む場所」というイメージが強かった図書館が、今では「話せる・集える・つながれる場所」として進化しているのです。背景にあるのは、利用者自身の声。子育て中の親や学生、高齢者まで、誰もが気兼ねなく過ごせる“居場所”を求める声が多く寄せられ、それに応える形で新しい図書館の姿が生まれました。

その代表例がぎふメディアコスモスです。この施設では、「静けさよりも人の温もり」を大切にした空間設計が特徴。来館者が自然に会話できるよう、音の響きをコントロールした建築構造を採用しています。天井には大きなグローブ状の照明が吊り下げられ、光を柔らかく拡散させながら、話し声や足音を吸収。館内には静けさとにぎわいが共存し、心地よい“ざわめき”が流れています。

また、建物の中央にはカフェスペース多目的エリアがあり、本を読む人とおしゃべりを楽しむ人が自然に混ざり合う空間になっています。子どもが遊びながら本に触れたり、学生がグループで調べものをしたり、シニアが地域の仲間と談笑したり――ここでは誰もが思い思いの時間を過ごしています。こうした自由度の高い空間が人気を呼び、開館以来、来館者数は従来の約10倍に増加。

さらに、ぎふメディアコスモスでは、ただ居心地のよい空間を提供するだけでなく、市民同士の交流や学びを促す仕組みも整えています。地域イベントやワークショップが頻繁に行われ、利用者自身が企画に参加することも可能です。図書館というより、まるで“まちの文化広場”のような存在。訪れるたびに新しい出会いがあり、利用者が自らのまちを好きになる――そんな循環がこの場所から生まれています。

今の時代、静寂を守るだけでは人は集まりません。声を出して笑い、語り合える場所こそ、人と人をつなぐ力を持つ。ぎふメディアコスモスはその象徴であり、未来の図書館の姿を映し出しているのです。

図書館がまちづくりの中心になる時代へ

近年、全国各地で図書館が“まちづくりの拠点”として注目を集めています。少子高齢化や人口減少が進むなか、地域に人を呼び戻すための「公共の居場所」が求められ、その中心に図書館を据える動きが広がっています。静かに本を読むだけの場所から、誰もが集まり、語り合い、学び合う“地域のリビングルーム”へ。図書館の役割は確実に変わりつつあります。

岐阜市の中心にあるぎふメディアコスモスは、その代表的な成功例です。建物のまわりには緑豊かなせせらぎの並木通りや公園が広がり、近くにはカフェや商店が点在しています。通勤や買い物、散歩の途中に立ち寄れる導線が巧みに設計されており、「本を借りに行く場所」ではなく「まちと人をつなぐ場所」として機能しています。市民の間では“まちの縁側”と呼ばれ、季節ごとのイベントや展示会には家族連れや学生、高齢者まで幅広い世代が集まります。図書館が中心となって地域ににぎわいを生み出す、まさに新しいまちづくりの形です。

この考え方は全国にも広がっています。愛知県安城市のアンフォーレは、図書情報館と商業スペース、ホールを組み合わせた複合施設。市街地の空洞化が課題だった中心エリアに賑わいを取り戻し、オープン以来、年間来館者数は100万人を超えました。岩手県の紫波町図書館では、地元の産業・農業・子育て支援の情報を集約し、町民が自分たちの地域を再発見できる場をつくり出しています。どちらも共通しているのは、「図書館をまちの中に開く」という発想です。

今の図書館は、本を読むための施設にとどまりません。講座、展示、ワークショップ、子ども向けの体験イベントなど、日常の中に文化と学びを広げる仕掛けが数多く用意されています。来館者同士が自然と会話を交わし、世代を超えた交流が生まれる――そんな“知の交差点”こそ、現代の図書館が担う最大の役割です。

そして、これらの図書館に共通するのは、地域の人が自ら関わり、育てていくという姿勢です。市民がアイデアを出し合い、展示や講座を共に作り上げていくことで、図書館は“運営される場所”から“共に作る場所”へと変わりました。こうして図書館は、まちの記憶を守りながら、新しい文化を育てる拠点として進化し続けているのです。

ぎふメディアコスモスが成功した理由

ぎふメディアコスモスが全国の注目を集めた理由は、その独創的な建築と市民と共に育てる運営の両面にあります。建築を手がけたのは世界的建築家伊東豊雄建築設計事務所。建物の外観は、波打つような大屋根が印象的で、見る角度によって形が変わるデザインです。伊東氏が目指したのは、「屋根のある公園」。本を読む人も、語らう人も、ただぼんやり過ごしたい人も、すべてを包み込む“やわらかな公共空間”を形にしました。

館内に入るとまず目を引くのが、天井から吊るされた巨大な光のグローブです。ひとつひとつ形が異なるこの照明は、柔らかな光を放ちながら音を吸収し、利用者同士の会話を邪魔しません。設計段階から「音と光が共存する心地よさ」を重視して作られており、自然素材の木の香りや光の反射が、訪れる人の心を落ち着かせます。

また、ぎふメディアコスモスの建物には地下水を利用した冷暖房システムが導入されています。地中の安定した温度を活かすことで、エネルギー使用量を大幅に削減。自然換気や採光も工夫され、天候に合わせて光と風を取り込む仕組みが整えられています。館内の温度差が少なく、長時間滞在しても疲れにくいのも特徴です。こうした環境設計が評価され、国内外の建築賞を複数受賞しています。

運営面でも、この施設には特別な哲学があります。開館前から市民参加型のワークショップを何度も開催し、「自分たちの図書館をどう作るか」を一緒に考えるプロセスを重ねました。名前の「メディアコスモス」には、「情報(メディア)」と「人のつながり(コスモス=宇宙)」を融合させるという意味が込められています。利用者は単なる“お客さん”ではなく、“共に場を育てる仲間”として関わることができるのです。

ここで働く司書も、従来の「本を貸す人」ではありません。イベントや展示を企画し、地域の人と一緒にアイデアを形にしていく存在です。たとえば、市民が自分の関心をもとに本を選び、テーマ展示を作る「市民編集棚」や、地域の小学生が参加する「子ども司書プロジェクト」など、運営の一部を市民と共有しています。こうした“協働のしくみ”が、図書館を単なる施設から“まちの文化拠点”へと成長させました。

このように、ぎふメディアコスモスはデザインの美しさだけでなく、「人が主役の公共空間」という理念を実践した点で高く評価されています。訪れた人が「また来たい」と感じる温かさ、それを支える仕組みが、成功の最大の理由です。

桑子真帆キャスターが見た“図書館の未来”

今回の番組で桑子真帆キャスターが訪れた岐阜の図書館では、年齢も背景も違う人たちが一つの空間に集い、自然に会話を交わしていました。
学生が勉強する横で、高齢者が新聞を読み、親子が笑顔で本を開く。そこには「静かさ」よりも「共に過ごす時間」がありました。
桑子キャスターが見たのは、図書館が“人と人をつなぐ場所”へと進化している現場。
これからの図書館は、孤立を防ぎ、地域の絆を取り戻す“未来の公共空間”としての役割を担うといえます。

放送後の追記予定

放送後には、桑子キャスターの現地取材で語られた利用者の声や、岐阜市が進める地域連携の取り組みについて詳しく追記予定です。
また、番組内で紹介される“全国のにぎやかな図書館”の実例も加筆し、地域ごとの工夫や成功要因を整理して紹介します。

まとめ

この記事のポイントは以下の3つです。
・おしゃべりOKの図書館が増え、利用者層が拡大している
・図書館が地域の“まちづくり拠点”として再評価されている
・ぎふメディアコスモスの成功は「市民と共につくる運営」にある

これからの図書館は、静寂を守る場所ではなく、人が出会い、学び合う“未来の居場所”です。地域に新しい風を吹き込む“にぎやかな図書館”、あなたの街にもきっと現れる日が近いかもしれません。

ソース:
・ぎふメディアコスモス公式サイト(https://g-mediacosmos.jp)
・NHK『クローズアップ現代』番組概要(https://www.nhk.jp/p/gendai)
・greenz.jp「ぎふメディアコスモス編集講座とは」


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